国鉄解雇撤回裁判 結審阻む 中労委は反動命令を撤回せよ

週刊『前進』04頁(3233号02面02)(2022/02/28)


国鉄解雇撤回裁判 結審阻む
 中労委は反動命令を撤回せよ


 国鉄1047名の解雇撤回を否定した中央労働委員会の反動命令の撤回を求めて動労総連合が起こした裁判の第8回口頭弁論が、2月18日、東京地裁民事第11部で行われた。
 中労委は「1987年4月1日になされた解雇は1回限りのもので、2018年5月の動労総連合の申し立ては期間が過ぎているから労働委員会の審査の対象にならない」と言い張っている。動労総連合の代理人弁護団は、これに全面的に反論する書面を提出した。
 法廷で弁護団は、書面の要旨を陳述した。動労総連合が問題にしているのは87年4月のことではなく、同年2月、不採用基準がJR設立委員長の斎藤英四郎(当時、経団連会長)の指示で策定され、それにより動労総連合組合員の名前がJR採用候補者名簿から削除されたことだ。不採用基準の策定が不当労働行為になることは最高裁も認めている。それがJR設立委員の指示で行われたのなら、その責任はJRにある。JRは解雇された組合員を87年4月にさかのぼって採用する義務がある。だが、JRはその義務を今も履行していない。これは1回限りの行為ではなく継続する不当労働行為であり、申し立て期間は過ぎていない。こう主張した弁護団は、「中労委が原告の申し立ての趣旨さえ取り違えているのは、調査期日も開かず一切の審査を拒否したからだ」と弾劾した。
 中労委はまた、解雇について「JRに責任はない」とした最高裁判決を盾に、「JRは解雇された労働者の使用者ではない」と言う。だが、この最高裁判決が出された当時、JR設立委員の指示で不採用基準が作られたという事実は隠されていた。この事実をつかんでなされた動労総連合の申し立ては、過去の最高裁判決に制約されない。弁護団はこう断言した。
 前沢達朗裁判長は、「解雇は1回限りの行為」と言う中労委に対し、その意味を明確にする書面の提出を指示した。原告にも、中労委の書面に再反論する書面の提出を求め、次回期日を5月25日に指定した。
 動労総連合と弁護団、支援者は、2月13日の国鉄集会で誓った勝利への決意を固め裁判に臨んだ。それに押され、裁判長は安易に結審できなくなったのだ。
 解雇撤回判決を求める署名を拡大し、何としてもこの闘いに勝利しよう。

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