三里塚3・27芝山現地闘争へ 住民の怒りと結び新滑走路阻止を

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週刊『前進』04頁(3234号03面03)(2022/03/07)


三里塚3・27芝山現地闘争へ
 住民の怒りと結び新滑走路阻止を

(写真 昨年3月の芝山デモ)


 三里塚芝山連合空港反対同盟は、芝山町による集会妨害攻撃を完全に打ち破り、間近に迫った3・27芝山現地闘争の集会場を芝山文化センターとして堂々と打ち出し、結集を呼びかけている。「戦争反対・農地死守」の決意を一つにし、住民の怒りと結んで芝山町中心部を揺るがす3・27大デモに立ち上がろう。

相川町長の集会妨害うち破った

 昨年、反対同盟が3月に集会を開催するため集会場使用の申請をしたところ、芝山町・相川勝重町長(当時)は、「管理上不安が生じる」などのでたらめな理由をつけて会場貸し出しを却下した。これに対し反対同盟は、行政不服審査法に基づく処分取り消しを求める審査請求を行い、町役場での口頭意見陳述など粘り強い闘いによって相川を追いつめてきた。そして「集会使用申請却下は地方自治法に違反する処分であり取り消されるべき」との審理員の意見書が出され、芝山町議会での諮問の採決を経て2月18日、町は処分を取り消した。反対同盟の1年余の闘いが、相川前町長の集会妨害と言論弾圧をついに打ち破った。
 この勝利の地平を押し広げ、天神峰・市東孝雄さんの農地強奪強制執行を阻止し、成田の機能強化白紙撤回に向けて進撃しよう!
 新型コロナ・パンデミックで航空需要バブルは完全にはじけ飛んだ。世界では気候変動・環境破壊への危機感から航空機移動を忌避する「飛び恥」運動が若者世代に広がっている。「巨大空港建設の時代を終わらせよう」と反対同盟が昨年10月の全国集会で宣言したように、全世界で国際空港の建設・拡張計画が頓挫(とんざ)し路線の縮小と廃港化が進んでいる。しかし成田空港会社(NAA)はまったく逆に、敷地2倍化、全長10㌔に及ぶ軍事空港の完成へと突き進もうとしている。自然・水脈・田畑を破壊する機能強化=第3滑走路建設の予定地の大部分は芝山町だ。労農学の実力で成田を廃港に追い込む闘いに立ち上がろう。

軍事空港粉砕!岸田政権を倒せ

 2月24日、ロシア軍によるウクライナへの軍事侵攻が開始された。今も戦闘が続き、無数の労働者人民が傷つき命を奪われ、生活を破壊され恐怖におびえている。プーチンは「ロシア革命でレーニンがウクライナの民族自決権を認めたのが間違いだった」などと大国主義的な野望をむき出しにして居直り、核戦争の脅しまでかけている。
 だがロシアが一方的に戦争危機を生み出したのではなく、米欧帝国主義諸国もまた東欧へのNATO拡大を進めることによって、領土・勢力圏をめぐる再分割戦を激化させ、戦争の危機を促進してきたのだ。米帝を中心とする帝国主義諸国と旧スターリン主義(ロシア)・残存スターリン主義(中国・北朝鮮)の戦後世界体制の最後的崩壊が、われわれの目の前で起き、世界戦争・核戦争の危機が超切迫している。
 ウクライナ情勢と連動しながら、米帝国主義バイデン政権は「台湾海峡危機」をあおり、中国に対する侵略戦争への衝動をますます募らせている。日本帝国主義・岸田政権もまた独自の利害をかけ、改憲・戦争準備へと突き進んでいる。沖縄・南西諸島へのミサイル配備、軍事拠点化を、住民の生活を踏みにじりながら進めている。
 三里塚が「反戦の砦(とりで)」として半世紀を超えて闘い抜いてきた真価を今こそ発揮すべき時だ。反対同盟は、国家権力による暴力にひるまず「一切の話し合い拒否・軍事空港絶対反対、農地死守・実力闘争」の原則を貫き、動労千葉との労農連帯を打ち固めて闘ってきた。この地平をわがものとし、今こそ軍事空港粉砕へ立とう。
 成田空港は「民間空港」だが、巨大輸送機や戦略爆撃機の離着陸が可能な4千㍍滑走路を有している。「統合機動防衛力」を掲げる自衛隊が、米軍とともに中国への侵略戦争に踏み切るとき、その機動的展開の兵站(へいたん)拠点として成田が使われることは火を見るよりも明らかだ。
 中部空港の犬塚力社長は、大赤字状況にもかかわらず新滑走路増設を求め、その理由を「有事でほかの拠点空港が使えない際にバックアップ機能を担えるようにする」(21年12月14日付朝日新聞)と答えている。戦争準備のためには採算度外視ということだ。
 全国の労働者人民は岸田の戦争政策と生活破壊に怒り、闘う路線・方針を求めている。沖縄・福島・三里塚を一つの闘いとし、3・27闘争で「成田軍事空港粉砕」を真正面から掲げ、周辺住民に呼びかけよう。
 「戦争反対」を叫ぶ全世界の人民と連帯しよう。

市東さんの農地を守り抜こう!

 国・NAAによる市東さんの農地に対する強制執行は戦時徴発に等しい攻撃だ。祖父・市太郎さんの代から100年耕し続けた農地は、戦後の農地改革(寄生地主制度の解体・自作農創出)のもとで本来なら市東家の所有地になっていたはずだ。ところが父・東市さんが敗戦後に復員が遅れたために正当な手続きがなされず、残存小作地となった。市東さんには自作地と変わらぬ強い小作耕作権がある。反対同盟の「農地死守」には侵略戦争を二度と繰り返さないとの思想が貫かれている。
 実力阻止態勢を構築して闘う天神峰の決戦本部に集まり、市東さんへの農地取り上げ強制執行、空港機能強化のためのすべての土地取り上げを阻止しよう。
 反対同盟は今年「気候変動阻止」を正面課題として据えた。気候危機は核と同じように人類を破滅へと導く。成田機能強化こそ環境破壊を促進する資本主義文明の象徴である。労働者・農民・学生が国家・資本と非和解で闘い、資本主義・新自由主義に終止符を打たねば人類の未来はない。
 闘う労働組合・学生自治団体の旗を押し立てて3・27芝山に結集し、岸田政権打倒を呼びかけよう。

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空港機能強化白紙撤回・第3滑走路建設阻止
3・27芝山現地闘争
 3月27日(日) 午後1時 集会後、デモ行進
 芝山文化センター・ホール(千葉県山武郡芝山町小池973)
 呼びかけ 三里塚芝山連合空港反対同盟

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