コンビニ関連ユニオン 河野委員長がスト 松本オーナーと共にセブンに反撃

週刊『前進』04頁(3253号02面02)(2022/07/18)


コンビニ関連ユニオン
 河野委員長がスト
 松本オーナーと共にセブンに反撃

(写真 ストに決起し、セブン本社前でアピールするコンビニ関連ユニオン・河野正史委員長【7月11日 東京都千代田区】)

 コンビニ関連ユニオンの河野正史委員長(セブン―イレブン本部社員)が7月11日午前9時、ストライキに突入した。
 コンビニ関連ユニオンはスト突入と同時に東京・四谷のセブン本社前で、東大阪南上小阪店の松本実敏オーナーをはじめ駆けつけた仲間とともに決起集会を打ちぬき、セブン本部に要求書をたたきつけた。
 ストの要求項目は①円安と世界戦争情勢の中で物価高が進行しており、生活防衛のため社員の賃金を上げろ②コンビニ店舗従業員の賃金上昇のため本部は店舗を援助しろ③店舗の経費負担は限界を超えており、チャージ(本部への上納金)を減らし、オーナーとの話し合いに誠実に応じろ----というものだ。
 河野委員長は「セブンは今年が創業50周年と言っているが、この50年でどれだけの加盟店オーナーや関連労働者の命を奪ってきたか。私たちに多くの怒りが寄せられている」「セブングループは今年度売り上げ予想10兆円というばく大な利益を得ている一方で、戦後かつてない物価高によりオーナーや関連労働者は食っていけない。賃金上げろ、チャージを下げろ。社会を動かしているのは労働者だ。社員の皆さんも労働組合に入ってストライキで闘おう」とアピールした。
 6月23日に不当判決を受けた松本オーナー(本紙3251号で既報)は「永松文彦社長にもう6、7回会いに来ているが、いっこうに会ってもらえない。セブンはオーナーに寄り添うような会社になってもらいたい。控訴審、最高裁と裁判は続きますが、私は裁判がどうなろうとも闘い続けます」と決意を表明した。
 最後に河野委員長が要求書を読み上げ、本部に受け取らせた。集会後は記者会見も行った。

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「正義のレガシー」守る
 松本オーナーが講演

(写真 セブン資本に忖度した不当判決に対し「勝つまで闘う」と決意をみなぎらせる松本オーナー【7月10日 東京都豊島区】)

 コンビニ関連ユニオンと合同・一般労組全国協議会の共催で「忖度(そんたく)判決ぶっとばす!7・10セブンイレブン闘争報告集会」が7月10日、東京・池袋のとしま区民センターで開かれ、約70人が結集した。直前の8日に起きた安倍銃撃事件で「戦争か革命か」が問われる時代に入ったことを誰もが実感する中で、松本オーナーの「勝つまで闘う」という気概を全参加者が共有し、コンビニ業界と社会全体を変える決意を固める決定的な場となった。
 集会は司会でコンビニ関連ユニオンの清水彰二さんがあいさつし、共催である全国協事務局の白井徹哉さんが「日本における労働運動の歴史的転換をつくるため全国協も共に闘いたい」とアピールした。
 続いてコンビニ関連ユニオンの鎌倉玲司書記長が基調を報告。今回の判決の背後には国家権力がおり、松本さんの闘いは新自由主義を終わらせる闘いであると意義を明らかにした。
 講演では松本オーナーが最初に「負けたことで吹っ切れた」と明るく語り、参加者を勇気づけた。そして工務店をやめて2014年にセブンオーナーになった経緯などを話し、本部から「廃棄がどんどん出ても商品を大量に発注しろ」(※コンビニでは廃棄は全てオーナー負担であり、本部はもうかる仕組みになっている)「(近くのコンビニが潰れたら)もっとどんどん潰しましょう」と言われ、自分がセブンにだんだんと「洗脳」されていったことなどを赤裸々に暴露。その中で徐々におかしいことに気づき、本部にも意見を言うようになっていった。裁判で問題にされたクレームの多さについてもセブン本部側の問題であることが明らかにされた。
 そして松本オーナーが時短(時間短縮)営業に決起していく過程の、セブン本部の悪行の数々を暴露・断罪し、「セブン本部はあの手この手で潰そうとしてきたが、今でも店は残っている。本部は明け渡せと言っているが、この店は『正義のレガシー』。これを守るため、今後もみなさんとがんばっていきたい」と訴え、参加者の心を打った。
 さらにコンビニ関連ユニオン・河野委員長が裁判支援のカンパアピールを行い、松本オーナーにカンパが手渡された。
 質疑応答ではコンビニオーナーや地区の労働者から活発な意見が出され、松本オーナーは「これは安政の大獄だ。みんなが立ち上がるまでがんばる」と応えた。松本オーナーと団結を固め、反撃にうってでる集会として大成功した。

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