韓国高裁が直接雇用を命令 AGCは判決に従え 旭支援共闘 本社に決断迫る

週刊『前進』04頁(3255号04面06)(2022/08/01)


韓国高裁が直接雇用を命令
 AGCは判決に従え
 旭支援共闘 本社に決断迫る

(写真 国賠判決後かけつけた学生たちと「判決に従え」とAGC本社に要求する旭非正規職支会支援共闘会議【7月21日 東京・丸の内】)

 2015年6月30日の解雇以来7年、AGC(旧・旭硝子)の集団解雇との闘いを続ける韓国・亀尾(クミ)の旭非正規職支会(民主労総・全国金属労組所属)が、決定的な裁判勝利をかちとった。7月13日、大邱(テグ)高等裁判所第3民事部が、AGCの韓国法人「AGCファインテクノ韓国(AFK)」による解雇は不当であり、解雇された下請け労働者を直接雇用しなければならないという趣旨の判決を出したのだ。
 旭支会のチャホノ支会長は「解雇された労働者が長い時間、苦痛を受け闘った。至極当然の判決だ」と喜び、「AGC旭硝子が判決に従って直接雇用を履行すればすべてのことが終わる。あらゆる特恵を受け、韓国の法律を守らない日本企業・旭硝子はこの判決を必ず履行しなければならない」と語った。また同時に「今回の判決を土台に、われわれと同じ理由で闘っている大宇(テウ)造船など、他の下請け労働者たちが頑張ることを願う。不法派遣を根絶する契機になればいい」と、韓国の非正規職闘争をリードする気概を語った。
 組合側代理人のイヨンウ弁護士は「製造業社内下請けで偽装請負を通した雇用は認められないと裁判所が終止符を打った判決だ」と評価し、AGCに対し「上告してはならない。これ以上争ったところで結果をひっくり返すことはできない。直ちに直接雇用することを望む」と断言した。
 韓国では国内製造工場の生産ラインへの労働者派遣は禁止されている。17年には雇用労働庁がAGCの派遣法違反を認め、検察に起訴意見を送致。解雇者全員の直接雇用をAGCに指示し、過料も課された。
 17年7月13日に旭支会が提訴した「勤労者地位確認訴訟」では、19年8月の1審判決で旭支会の主張が認められた。しかしAGCは直接雇用を拒否し控訴。その控訴を今回、大邱高裁が棄却したのだ。
 すでに派遣法違反の刑事裁判でもAFK元社長・原納猛に昨年8月、懲役6カ月(執行猶予2年)の有罪判決が出ている。
 旭支会と共に闘う旭非正規職支会支援共闘会議は7月21日、「AGCは7・13判決に従え! 組合員22人全員を直接雇用せよ」とAGC本社行動を闘った。
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