統一教会の核心は反共主義帝国主義支える国際勝共連合今こそ共産主義掲げて闘う時

週刊『前進』04頁(3258号03面01)(2022/08/29)


統一教会の核心は反共主義
帝国主義支える国際勝共連合
今こそ共産主義掲げて闘う時


 岸田の内閣改造・自民党役員人事をもって、自民党と統一教会との癒着がますます明らかになった。統一教会の核心は反共主義であり、国家権力が表向きにはできない活動を統一教会=国際勝共連合に行わせることで日本帝国主義は延命してきた。今こそ怒りの声を総結集し、9・23安倍国葬阻止闘争をかちとろう。

60年代の闘いに打撃受けて登場

 統一教会は単なるカルトではない。8月10日の記者会見で田中会長自身が強調したように、「創設以来、共産主義と対峙(たいじ)してきた」。その核心は反共主義であり、統一教会=国際勝共連合だ。背景には何よりも、全世界の労働者民衆の闘いに対する激しい恐怖がある。
 1960年の安保闘争では、日本の革命的左翼が歴史の前面に登場した。同年、韓国では4・19革命によって李承晩(イスンマン)政権が打倒された。
 翌61年、クーデターで軍事独裁政権を樹立した朴正煕(パクチョンヒ)のもとで、初代中央情報部(KCIA)長官の金鍾泌(キムジョンピル)が統一教会の創始者である文鮮明(ムンソンミョン)を援助し、小さなカルト集団を大組織に育てていった。
 朴正煕らは植民地時代の日帝協力者であり、植民地支配者で戦犯だった岸信介、笹川良一、児玉誉士夫らとつながっていた。岸信介は60年安保闘争によって打倒されたが、日帝が新植民地主義的なアジア支配を進める上でのキーパーソンとして生き延びた。岸と統一教会とのつながりは深く、自らの居宅の隣に統一教会・原理研の本部を招き入れるほどだった。

戦後世界体制下米帝支配を補完

 第2次世界大戦後の米帝を基軸とする帝国主義世界体制は、世界中に米軍基地を配置し、北大西洋条約機構(NATO)、日米安保、東南アジア条約機構(SEATO)などの軍事条約網を張りめぐらせて暴力的に支配するものだった。そのなかで台湾、韓国、南ベトナムなどの反共分割基地国家は当該地域を支配するだけでなく、世界支配の反動的要となった。米帝を軸とするこうした体制下で公式の政府機関を補完するものとして、政府・民間を取り混ぜた反共組織が作られた。
 台湾の蒋介石は朝鮮戦争直後の54年に韓国の李承晩を訪問し、アジア全域の反共運動について討議。アジア人民反共連盟(APACL)を形成した。これに統一教会も加わった。APACLにはアフリカとオーストラリアからも参加した。
 そして米帝はドイツを東西に分割し、西ドイツを反共国家としただけでなく、東欧諸国・ソ連の反共運動を援助・育成していった。その最大の拠点がウクライナだった。
 ウクライナでは、ナチス・ドイツ占領時代にナチ党に加盟し、ポーランド人、ユダヤ人、ロシア人、ロマ人などの大虐殺をしたステパン・バンデーラらのウクライナ民族主義者組織(OUN)やその軍事部門ウクライナ蜂起軍(UPA)が米帝の隠然たる援助によって戦後も延命し、その反革命ゲリラ戦は54年まで続けられた。
 OUNは、一方で他民族を虐殺しながら他方で他民族の極右と連合し、反ボリシェビキ諸民族ブロック(ABN)を形成した。米中央情報局(CIA)は西ドイツの連邦情報局(BND)とともにABNの最高指導者であるウクライナ人ヤロスラフ・ステツコを保護した。ABNは米国、カナダなどで勢力を拡大し、国会議員を擁するまでになった。またウクライナでの影響力を保ち続け、それが現在の同国のネオナチ勢力につながっている。

腐敗した勢力を育てたのは安倍

 1966年、ベトナム戦争の泥沼化はすでに深刻なものとなっていた。革共同が第3回大会で明らかにしたように、戦後世界体制の根底的動揺が開始されていた。これに対して帝国主義は焦燥を募らせ、同年11月3日、台北で世界反共連盟(WACL)の結成大会が行われた。東アジアのAPACL、欧州・アメリカのABNが結集し、米共和党のマケイン下院議員(後の共和党大統領候補)、岸信介と密接な関係をもつ笹川良一、児玉誉士夫、そして文鮮明、蒋介石、ABNのステツコが中心的な役割を果たした。
 翌67年には、革共同は前年に確立した時代認識に基づき10・8羽田闘争で全世界の「68年の激動」の戦端を開いた。反帝国主義・反スターリン主義の共産主義―真の共産主義が巨大な運動として登場したのだ。
 国際勝共連合は、この全世界的な闘いの高揚に恐怖した岸、笹川、文鮮明らが中心となって68年に結成された。統一教会の学生組織=原理研は学生運動に暴力的に襲いかかったが、全学連はこれを圧倒して勝利してきた歴史をもっている。
 国際勝共連合は、世界各地でのWACL運動全体を牽引(けんいん)した。WACLには中南米の反革命ミリシア(民兵)・暗殺部隊も加わり、ニカラグアでは革命に対する反革命戦争を指揮。中南米諸国で労働組合活動家・左翼活動家・ジャーナリストの暗殺を支援した。しかし重要なのは、世界最大の帝国主義=米帝が全力を挙げてこの凶悪な反革命を使い中南米における革命の圧殺を図ったにもかかわらず、ニカラグアのコントラ(反革命)は敗北したということだ。
 今年6月には、米帝の最後の反動のとりでであったコロンビアで極右反動政権が崩壊した。全世界の労働者民衆の闘いは絶えずWACLや勝共連合を打ち破り、勝利してきたのだ。
 何より日本では今、統一教会=勝共連合と一体化して労働者民衆を抑圧してきた自民党への怒りがかつてない規模で高まっている。安倍は祖父の岸信介以来、自民党の中でも最も強く統一教会と結びついていた。その安倍に怒りが向けられたのは当然だ。
 このような腐敗しきった勢力に依拠しなければ支配を成り立たせることもできない日帝を倒そう。今こそ共産主義を真っ向から掲げ全労働者・人民の団結を組織するときだ。9・23安倍国葬阻止闘争に怒りの声を総結集させよう。
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