徴用工問題とは何か 日帝の戦争犯罪抹殺を許すな 国際連帯かけ安倍国葬粉砕を

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週刊『前進』04頁(3258号03面03)(2022/08/29)


徴用工問題とは何か
 日帝の戦争犯罪抹殺を許すな
 国際連帯かけ安倍国葬粉砕を

(写真 2019年の11月労働者集会に先立ち、韓国・民主労総ソウル地域本部や台湾の仲間と共に三菱重工に抗議行動【東京駅前】)

 9・27安倍国葬は、天皇制のもとで日本帝国主義が行った侵略と植民地支配を正当化し、朝鮮・中国人民への差別・排外主義をあおり立ててきた安倍の立場を継承するという岸田政権の宣言だ。これ自体が在日・滞日外国人への許しがたい攻撃だ。国際連帯にかけ、中国侵略戦争に直結する安倍国葬を粉砕しよう。9・23安倍国葬阻止全国集会&デモ―9・27阻止闘争に集まろう。

中国侵略戦争下で奴隷労働強制

 日帝は一貫して自らの戦争犯罪を認めることなく、逆に朝鮮や中国の人々に対する差別と排外主義をあおり続けてきた。その日帝が「中国の脅威」を叫び、ウクライナ戦争をも利用して再びの中国侵略戦争に突入しようとしている現在、アジアへの侵略と植民地支配の歴史は、決して単なる「過去の話」ではない。
 朝鮮人強制連行・強制労働とは何だったのか。
 15年戦争時、中国侵略戦争が泥沼化するなかで日本政府は1938年に国家総動員法を施行し、労働者人民を根こそぎ戦争に動員していった。とりわけ日帝が植民地支配していた朝鮮からは、39年から45年の敗戦までの間に80万人以上が日本に強制連行され奴隷労働を強いられた。時代によって募集や官斡旋(あっせん)、国民徴用令の発動などと形態は変わったが、日本軍軍隊慰安婦制度と同様に一貫して日帝の政策として進められた。本人の意思を無視し、暴力を行使して連行した例も極めて多い。
 徴用工は炭鉱や鉱山、製鉄所、港湾などの危険な現場に送られ過酷な労働を強いられただけでなく、横行したリンチや事故で多くの人々が命を落とした。わずかな賃金も未払いや強制貯金とされ、日帝が戦争を継続するための国債を購入させられることもあった。
 日帝は植民地支配下の朝鮮人民から言葉や文化、名前に至るまで奪って抑圧しただけでなく、戦時経済を支える労働力として使い捨てにしたのだ。

謝罪と賠償共に拒んできた日帝

 しかし、日本の歴代政権、そして三井・三菱をはじめとする戦犯企業は一貫して自らの責任を否定し、謝罪も賠償も拒否してきた。何より、極悪の歴史修正主義者として歴史に名を刻んだ安倍は、日帝による戦争犯罪を歴史から抹消しようと、徴用工とされた人々や日本軍軍隊慰安婦被害者に対する敵意をむき出しにしてきた。過去の戦争犯罪を「終わったこと」「なかったこと」とし、新たな戦争へと突き進むことが最大の狙いだった。
 こうしたなかで2015年末には当時外相だった岸田が前面に立ち、韓国パククネ政権との間で日本軍軍隊慰安婦問題をめぐる「日韓合意」を強行。被害者の頭越しに「最終的かつ不可逆的な解決」をうたった。
 パククネ政権がろうそく革命で打倒されたのち、18年10月に韓国の大法院(日本の最高裁に相当)で新日鉄住金に損害賠償命令が出されると、安倍ら極右勢力は「1965年の日韓請求権協定で完全かつ最終的に解決済み」とわめき、韓国への敵意と憎悪をむき出しにした。メディアを使い、あたかも「韓国側が解決済みの問題を蒸し返した」かのようなヘイトスピーチを日夜垂れ流した。
 しかし、そもそも65年に韓国の朴正煕政権との間で締結した日韓条約(日韓請求権協定はこれに付随)は、日韓併合は「もはや無効」として日帝の朝鮮植民地支配を正当化・合法化する極悪の内容であり、一言の謝罪も含んでいない。だからこそ当時、日韓双方の労働者民衆の巨大な闘いが巻き起こったのだ。

労働者国際連帯こそ戦争阻む力

 排外主義・愛国主義は単なる「外国人への攻撃」ではない。非和解的な階級対立を暴力的に押し隠し、労働者階級を国境や国籍によって分断するための敵階級の武器であり、その先にあるのは労働者階級を殺し合わせる帝国主義戦争だ。
 だからこそ、自国政府打倒を掲げる労働者の国際連帯こそが戦争を阻止する最大の力となる。今こそ、この力を発揮すべき時だ。
 戦中・戦後、多くの徴用工が団結して立ち上がり、炭鉱や鉱山でストライキなどの実力闘争を展開した。朝鮮人・中国人労働者は日本の労働者と共に労働組合を結成し、戦後革命の先頭で闘った誇り高い歴史をもっている。そもそも、強制連行の事実を掘り起こし、絶対に繰り返してはならない歴史として明るみに出したのも、在日朝鮮人研究者である朴慶植氏の著作『朝鮮人強制連行の記録』発刊を契機とした日韓労働者民衆の運動だった。
 日本帝国主義を打ち倒す日本労働者階級の闘いは、アジアから世界革命を切り開く上で決定的な位置をもっている。安倍国葬をてことする戦争国家化を絶対に許さず、国際連帯を掲げて闘おう。朝鮮・中国をはじめとする全世界の労働者民衆と心をひとつに安倍国葬を粉々に粉砕し、中国侵略戦争を阻止しよう!
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