国賠訴訟 「星野さんに告知」とうそ 被告=国を徹底追及

週刊『前進』04頁(3259号04面02)(2022/09/05)


国賠訴訟
 「星野さんに告知」とうそ
 被告=国を徹底追及

(写真 裁判終了後に行われた法務省弾劾デモ【8月25日 東京・霞が関】)

 8月25日、東京地裁民事第14部(村主隆行裁判長)において、星野文昭さん獄死の責任を追及する国家賠償請求訴訟の第11回口頭弁論が開かれました。
 今回は、原告弁護団が1時間近く被告代理人を追及するという異例の展開になりました。被告代理人のでたらめな回答に、法廷内で失笑が起きるほどでした。
 異例の展開は裁判の前から始まっていました。これまでは期日の1週間前には提出されていた被告準備書面が届かなかったのです。裁判所が問い合わせたところ「当日提出する」とのことでした。弁護団が受け取ったのは開廷わずか5分前です。法廷は、岩井信弁護士がこのことを弾劾することから始まりました。
 追及の第一は、外部の病院への相談です。
 前回5月19日、被告代理人はそれまでと異なる主張を出してきました。2019年3月13日、徳島刑務所の医師が外部の病院を訪れて「外医調整」を行ったと称し、その証拠として自動車の「運行日誌」を出してきたのですが、行き先は墨塗りでした。これに対して直ちに、行き先を明確にせよという求釈明を提出しました。被告代理人は「訴因との関係が不明確なので回答しない」と答えました。
 「そもそも文書は被告が出したものです。関係が不明確とはどういうことか」と追及すると、被告代理人は同じことを言うばかり。あまりのことに笑いが起き、怒りの声が上がりました。岩井弁護士が「あくまで行き先を明かさないなら文書提出命令を求める」と表明し、週明けに提出しました。
 第二は、星野文昭さんへの告知です。
 徳島刑務所の医師が19年3月1日、「肝臓に腫瘤(しゅりゅう)を認めたことから腫瘍マーカーを含めた広範囲の血液検査を実施する」と星野さんに告知したと、これまた突如として言い出しました。しかし実際には星野さんにも家族にも伝えておらず、「診療録(カルテ)」にも書いてありません。
 医師意見書を書いた柳澤裕子医師は「自分が行った治療は必ずカルテに記載するようにと学生の時から厳しく指導されました。カルテに書いてないことはしていないことです」と言っています。
 被告代理人は、徳島刑務所に関する医師意見書を10月20日の次回期日に、医療センターに関するものを11月末までに提出すると表明しました。いよいよ双方の医師意見書が出そろい、裁判の勝敗を決する段階を迎えました。
 この日は裁判所前街宣から裁判終了後の報告集会と法務省弾劾デモまで、50人の参加で闘いぬきました。
 次回は10月20日午前10時30分、第411号法廷で行われます。
(星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議・金山克巳)
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