10・９三里塚全国集会へ
　農地死守決戦の重大局面到来

　三里塚芝山連合空港反対同盟が呼びかける10・９全国総決起集会に集まろう。国と成田空港会社（ＮＡＡ）は、市東孝雄さんの天神峰農地を強奪する強制執行を行おうとしている。そして空港機能強化（①第３滑走路新設、②Ｂ滑走路３５００㍍化、③発着時間を朝５時〜深夜１時に延長）を推進し、工事をこの秋に開始しようとしている。
　反対同盟は「強制執行、来るなら来い！」と闘魂を燃やし、実力で迎え撃つ態勢をとり、現地決戦への決起を呼びかけている。全学連現地行動隊を強化し、緊急現地結集態勢を構築しよう。10月９日、労農学連帯の地平を押し広げ、労組、学生自治会、闘う諸団体の旗を林立させ、成田市赤坂公園を埋め尽くそう。

反動判決許さず強制執行阻止を

　東京高裁第２民事部（渡部勇次裁判長）は９月２日、新やぐら裁判で控訴棄却、仮執行宣言付きの反動判決を下した。別件裁判の判決と併せ、やぐら・看板とともに、天神峰の市東さん宅前の農地をはじめ作業場、離れ、育苗ハウス、水道など、営農と生活に必須な一切を破壊し撤去する強制執行が、法的にはいつでも可能となった。戦後初めて農地法のもとで、耕作者の同意のない農地取り上げを強行する大暴挙だ。
　戦前の天皇制国家を支えた寄生地主制を解体し、小作農から自作農への転換を図ったのが農地改革・農地法である。これを覆し、国と資本による無制約の農地収奪、戦時徴発に道を開くことは絶対認められない。
　さらに、耕作権裁判（千葉地裁民事第２部・本田晃裁判長）も重大局面を迎えた。この裁判でＮＡＡは、市東家が１００年耕してきた南台農地（Ｂ滑走路の誘導路をへの字に曲げている）を不法耕作と言いなし明け渡しを求めている。
　だが、ＮＡＡが唯一の証拠として出した「同意書」「境界確認書」は偽造されたものであり、その作成経緯に関連する文書を何一つ提出しようとしない。しかも畑の位置特定はでたらめだ。本来ＮＡＡの訴えは棄却されて当然だが、本田裁判長は「16年も経ちますしそろそろ次へ」と、ＮＡＡを救済し裁判終結へ誘導しようともくろんでいる。農民殺しの先兵に成り下がる千葉地裁を許さない！

空港拡張撤回の新署名集めよう

　反対同盟は９月４日、Ｂ滑走路北延伸を実力阻止する気概で、工事予定地をデモ行進した。田村明比古ＮＡＡ社長は、第３滑走路建設の準備工事を来年度にも開始し２０２９年３月完成としている。大規模な谷津田（やつだ）を埋め立て北総台地の水系を寸断する、とてつもない自然破壊だ。
　反対同盟は７・３樫（かし）の木まつりで、「地球環境の破壊と気候変動をもたらす、すべての空港拡張計画の白紙撤回を求める」新署名を呼びかけた。職場・キャンパス・街頭で署名を集め、第１次集約日である10・９集会に持ち寄ろう。
　機能強化によって飛行機が飛ばない静穏時間はわずか４時間になる。絶え間ない騒音で周辺住民の生活と健康を破壊する機能強化は、白紙撤回以外にない。
　反対同盟は８月３日、国による機能強化の施設変更許可の無効確認と関連工事の差し止めを求め、千葉地裁に新たに提訴した。
　夜間・早朝の飛行差し止めを求めて立ち上がる周辺住民と連帯して闘おう。

軍事空港粉砕！岸田政権を倒せ

　成田の機能強化は、30年に６千万人の訪日客に対応するためというのが表向きの理由だ。しかし航空需要バブルはコロナではじけ、ＮＡＡは未曽有の３期連続赤字、経営破綻は目前だ。
　それでも政府は途方もない需要予測数や観光立国政策を下ろさない。拡張計画の真の狙いが軍事空港建設にあるからだ。成田空港は４千㍍滑走路を有し、潜在的には本土最大の軍事空港である。第３滑走路建設とＢ滑走路の１千㍍延伸は、辺野古新基地建設や沖縄―南西諸島へのミサイル配備と連動し、成田を米軍・自衛隊の巨大兵站（へいたん）基地にするためだ。
　戦争・戦時動員を遂行するためには、反戦運動の一掃が必要となる。９月から全面施行の「重要土地規制法」はその始まりだ。土地の売買や利用を制限する「重要施設」の対象として空港も入った。さしあたり軍民共用の空港とされているが、早晩、全空港が対象とされるだろう。
　反対同盟農民は、国家暴力に抗し成田軍事空港の完成を阻み続けている。56年続く「反戦・反核の砦（とりで）」＝三里塚の解体なしには日帝の戦争体制構築もありえない。三里塚闘争は反戦・反基地闘争を闘う労働者人民の希望の星だ。
　改憲・戦争のための安倍国葬を粉砕する９・23―27闘争の爆発をかちとろう。10・９全国集会に大結集し、岸田政権打倒へ攻め上ろう。

【要項】
市東さんの農地を守ろう！
空港機能強化粉砕！
改憲阻止・岸田政権打倒！
１０･９三里塚全国総決起集会
10月９日（日）正午　
成田市赤坂公園（成田ニュータウン内）
主催　三里塚芝山連合空港反対同盟