全学連大会 全国学生は9・23総決起を 赤嶺委員長が熱烈な訴え

週刊『前進』04頁(3261号04面01)(2022/09/19)


全学連大会
 全国学生は9・23総決起を
 赤嶺委員長が熱烈な訴え

(写真 2日間の熱い討論を終え、最後に新執行部が登壇し、全体でインターナショナルを斉唱【9月7日】)


 2日間の討論で僕らがどういう時代の中で何と闘っているのかを鮮明にし、この社会を根底的に変え戦争を止めることに向けた重要な団結形成ができました。この団結を軸に、明日から反戦政治闘争を力強く切り開こう。その突破口は、9月23日の安倍国葬粉砕闘争です。
 9・23闘争は、戦争を止める闘いであるということをとことんはっきりさせていきたい。討論で明らかにされた通り、第2次世界大戦のあとのアメリカ帝国主義を基軸とした帝国主義の支配体制のもとで、どれほど多くの労働者民衆が抑圧され、殺されてきたか。もしくは帝国主義と「平和共存」していくスターリン主義によってどれほど多くの決起が分断され、つぶされていったか。こうした体制が、労働者民衆の不屈の闘いと、帝国主義自身の限界によって危機にひんしている中で、帝国主義が再びの世界戦争・核戦争に突き進んでいこうとしています。
 最大の焦点は中国侵略戦争であり、日本が決定的な位置を持っています。岸田は戦争に向けて国家を大改造しようとしている。国債を刷って、社会保障を解体して、増税もしていく。これから始まっていく様々な生活面での苦しみや大学の抑圧が、全て戦争に向けてより強力に推し進められようとしているわけです。
 私たちはこの世界戦争・核戦争というものから身をそらして生きていくことはできない。しかしこの時代は絶望の時代じゃありません。いま全世界で、ウクライナで始まった戦争に対して戦争絶対反対を訴えて闘っている人々がいる。イギリスやイタリアでは労働組合がストライキをやってウクライナに自国政府の軍事物資を運ばない、こういうことが始まっている。こういう人たちとつながっていく。再びの世界戦争・核戦争を絶対許さないものとして9・23闘争を打ち抜いていこうじゃないですか。
 世論調査でも国葬に対する怒りは巻き起こっている。国葬に労働者民衆の怒りが集中しているからこそ、一方ですさまじい分断がこれからつくられていく。例えば日本共産党は安倍が死んで悲しいなんてことを言っている。立憲民主党は党として新たに声明を出して、「私たちは改めて安倍元首相に対して弔意を示します」なんてことを言っている。「国葬には反対するけど、安倍の死は悲しもう」「警察の規制線は破らずに粛々と行動しよう」「国葬反対に戦争反対を持ち込むな」とかがこれから言われたりする。もしくは暴力的排除が始まる。僕らは大会で学んだことを軸に、労働者・学生の怒りを体現し、ともに戦争を止めていくことを多くの人の前で明らかにし、分断を打ち破りながら安倍国葬を粉砕する闘いが求められていると思います。
 ここに集まった仲間が団結して、9・23への組織戦をぶち抜いていこう。全学生が安倍国葬反対に決起するような闘いを、全学連大会が終わったら全力でつくりだしていこう。そういう飛躍を実現しよう。
 9・23をぶち抜いて、11月労働者集会に全国学生は大結集しよう。あらゆる反動を打ちやぶって、労働者の国際連帯で戦争に反対し、新自由主義を終わらせる闘いをつくる運動と連帯し、私たちが新たな人類の歴史をつくり出そう。
(大会でのまとめの発言)

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2022年度 全学連新執行部
委員長    赤嶺知晃(沖縄大学)
副委員長   太田蒼真(広島大学)
新・副委員長  矢嶋尋(学習院大学)
       神野豊典(広島大学)
書記長    長江光斗(京都大学)
*敬称略

大会参加者の感想

熱い議論に勇気望むは世界革命
 学生 河上肇治

 全学連について初めて知ったのは3年ほど前のこと。当時、京大でタテカン抗争に関わっていた高校時代の友人が、全学連大会に参加した話を嬉々(きき)として聞かせてくれた。その時はまさか数年後に自分が大会の場にいるとは夢にも思わなかったが、何の因果か今回参加する機会に恵まれた。
 1日目の午前中に執行部から議案が提出され、午後は議案への質問および回答が行われた。正直なところ、最初はかなりひるんだ。何せ自分にとっては議案に書かれていることの大半が知らない情報で、しかもその論調たるやまごうことなきアジ文である。議場からは次々と檄(げき)が飛び、それに対して「よし!」「そうだ!」「ナンセンス!」と合いの手が入る。ようやく議場の雰囲気にも慣れてきて、皆の熱に気おされまいと思い切って質問したところ、執筆者ほか数人から大変律義な回答を得ることができた。
 続く2日目にも、私の発議に対して議場からいくつか意見をいただいた。全学連大会で議論を交わした学生たち、そして大会の開催を支援してくださった皆さまに感謝したい。日本各地で闘いが行われていることには大いに勇気づけられ、それだけで遠方から参加したかいがあったと思う。これからも共に闘おう。
 最後に、全国の学生諸君へ声を大にして言いたい。世界革命望むべくんば、まず全学連より始めよと。

「帝国主義論」を基に反戦で一致 首都圏学生 小倉千秋

 議案で特に興味深かったのは「情勢」についてだ。レーニンの「帝国主義論」を基に戦後世界の在り方から、現在の米中対立の詳細な分析がなされた提起により、ウクライナ戦争という歴史的事件と、同時に進む日米の中国侵略への動きが丁寧に説明されていた。そこでは中国やロシアの体制の分析もなされているため国際連帯を作り出すためにも何度も読み直したい。
 また、「方針」に書かれた改憲阻止と女性解放も重要である。憲法を戦後革命期における民衆の闘いから捉え直すということは、理念として正統性が主張される憲法解釈に対して、労働者が社会を動かしてきたということを明らかにする。女性解放については、コロナ禍でより苦境に立たされる女性について焦点を当て、その苦しみ、女性差別が本質的には資本主義によって仕組まれたものであると暴露し、自らの手で政治を取り戻すことが訴えられた。戦前・戦中のフェミニズム運動は、その闘いの苛烈(かれつ)さの中から戦争体制の中へと組み入れられていったが、今回提起された方針はそういった「敗北」は決して起きないと確信できる内容であった。
 討議の終盤に各大学から報告がなされた。それぞれ大学が抱える問題や闘いの厳しさについて語られつつも、闘いが前進していることを共有し、反戦政治闘争を中心に据えて、とりわけ9・23~27の国葬反対の闘いに学生を組織することを確認した。

資本主義打倒へ闘う必然を確信 関西学生 A

 初めて全学連大会に参加しました。まず1日目の提起の際、正直言って情勢議案はほとんど理解できませんでした。1文かみ砕いている間に3文進み、高校時代の数学の授業が思い出されました。しかし、議場で討論し、より深みに進んでいく皆さんを見て、自分もちゃんと理解したいと逆に空気が入りました。これから多くの学生と情勢認識を議論していくためには、書いてあることを自分のものにしていくことが必須であるとも感じました。
 また議案の中で女性解放闘争について、女性自身が闘争の主体になり、その中で抑圧と対峙していくことの重要性が語られており、自分の経験と重なる部分もあり強く心に響きました。さらに実力闘争について、権力に独占された暴力を取り戻す闘いであるという書き方がなされていて、広く流布されている「暴力はよくない」という曖昧模糊(あいまいもこ)としたイデオロギーに対抗していくべきだし、対抗していけると感じました。
 2日目の後半には参加者からの怒涛(どとう)のアジテーションを浴び、自分も魂の乗ったアジテーションをしたいと思ったので、練習します!
 多くの抑圧を生み出す資本主義社会を打倒できるのは全学連だけである、自分がここで闘うことは必然であると確信した2日間でした。みなさん、おつかれさまでした。

自分たちの行動こそ希望と実感 京都大 森垣晶絵

 今年、私は大学自治や学生処分などについて考え悩みながら過ごしていた中で誘われた全学連大会に行ってみようかなと思った。
 そしていざ始まった全学連大会、一人一人の発言の熱さが印象的だった。こんなにも分厚い資料を用意できたのもうなずけた。今の社会に不満や怒りを抱えながらも、そのような現状を変えるために自分たちが動くんだという熱意、決意がにじみ出ていた。社会の理不尽さに絶望するのではなく、自分たちの行動から希望を見いだしていく姿に感嘆した。わからないところや納得できない部分はあったが、納得できないという感情に真摯(しんし)に向き合ってくれる人たちがいて、今後勉強したり考えたりしていきたいと思った。
 最近、ウクライナでは戦争が起こり、各国が軍備を強化している。日本も戦争は他人事ではない。資本主義が進み、お金になることばかりがもてはやされ、お金にならないことは切り捨てられる。大学に関して言えば、もうけられる研究や軍事研究に資金が回され、学生の自由な活動は規制される。そのような社会の中で、私たち学生が社会に対してどう向き合って行動するのかは重要なことだし、その行動で実際に社会を動かすことができるということ、一人では無力でも団結すれば大きな力を生み出せるということを大会で改めて実感した。

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