農地強奪・軍事空港粉砕へ 10・9三里塚 反対同盟と固く団結

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週刊『前進』04頁(3265号01面02)(2022/10/17)


農地強奪・軍事空港粉砕へ
 10・9三里塚
 反対同盟と固く団結

(写真 市東孝雄さん【中央】ら三里塚反対同盟を先頭に成田市内をデモ【10月9日】)

(写真 矢嶋尋全学連副委員長のアピールは参加者を奮い立たせた)


 10月9日、成田市赤坂公園で三里塚芝山連合空港反対同盟の主催する全国集会が開かれ、労働者・農民・学生452人が結集した。米日帝による中国侵略戦争が切迫し、「公共インフラの有事の際の活用」が打ち出される中、集会は市東孝雄さんの農地強奪を阻止する決戦態勢を整え、成田空港の軍事使用を粉砕する闘いとしてかちとられた。
 前半の司会を決戦本部長の太郎良陽一さんが務め、事務局の伊藤信晴さんが主催者あいさつに立った。伊藤さんは、仮執行宣言付きの9・2新やぐら裁判控訴棄却、成田空港会社(NAA)によるB滑走路北延伸工事今秋着工の攻撃を弾劾し、「実力で農地を守る」と決意を表した。
 続いて東峰の萩原富夫さんが基調報告を行った。耕作権裁判の早期終結をもくろむ千葉地裁を批判し、航空需要の激減で危機にあえぐ成田空港の惨状を示し、環境破壊と気候変動をもたらす「すべての空港拡張計画の白紙撤回を求める署名」の推進を訴えた。そして「改憲阻止、中国侵略戦争阻止に立ち、岸田政権を打倒しよう」と締めくくった。(発言要旨4面)
 連帯あいさつの最初に動労千葉の関道利委員長は、「第3次世界大戦の危機が迫る中、成田軍事空港粉砕!農地死守を闘う三里塚闘争が決定的。反対同盟と車の両輪として共に闘う」と表明、JRローカル線廃線化を狙う国家改造攻撃と対決し、11・6労働者集会に結集することを訴えた。
 関西生コン支部執行委員の西山直洋さんは、正当な労働組合活動への見境のない弾圧に対する闘いを報告、湯川裕司委員長への懲役8年求刑という大反動を打ち破る決意を表した。
 注目の中、市東さんが登壇し、「体を張って闘う。天神峰で耕作を続ける」と揺るぎない決意を述べ、大きな拍手を浴びた。(発言要旨4面)
 反対同盟顧問弁護団事務局長の葉山岳夫弁護士は、農地強奪と岸田政権の戦争政策との一体性を指摘し、裁判闘争勝利を誓った。群馬・市東さんの農地を守る会は9・18高崎集会の成功を報告。全国農民会議の内藤大一さんは、日本原闘争と三里塚の連帯を示した。
 カンパアピールを婦人行動隊の木内敦子さん、後半の司会を婦人行動隊の宮本麻子さんが務めた。この間亡くなった南三里塚の反対同盟員・野平聰一さん、三里塚教会の戸村義弘さん、野戦病院の朝田しげるさんに黙とうを捧げ、戸村さん作詞の「反対同盟の歌」を全員で熱唱した。
 福島の椎名千恵子さんが岸田政権の原発推進政策と闘う決意を表した。さらに全国水平同盟、婦人民主クラブ全国協議会、星野暁子さん、泉州住民の会代表の中川育子さんなどの発言が続いた。全学連の矢嶋尋副委員長は、国葬粉砕闘争の勝利を報告し、強制執行を実力阻止する学生の隊列をつくることを誓った。
 現地決戦本部に集う仲間が登壇し、農地死守の決意を表明。最後に反対同盟が壇上に並び、太郎良さんの音頭で団結ガンバローを三唱し、デモに出発した。
 大隊列が成田ニュータウンのど真ん中を東西に貫く大通りを堂々と進む。宣伝カーからは宮本さんが「農地死守」のアピールを響かせた。歩道を行く人は立ち止まり横断幕や旗を凝視し、写真や動画を撮り、集合住宅からは多くの人が鈴なりで手を振り共感の声援を送ってきた。空港の街として造成されたニュータウンだが、もはや空港はバラ色の未来など約束しないと誰もが感じている。
 デモ参加者は大いに手応えを感じつつ、JR成田駅までのデモ行進を貫徹し、勝利を誓い合った。

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