田中康宏動労千葉前委員長の訴え 残り1カ月、思い切って外へ 労働運動の変革こそ 時代の最先端の変革

週刊『前進』04頁(3265号02面03)(2022/10/17)


田中康宏動労千葉前委員長の訴え
 残り1カ月、思い切って外へ
 労働運動の変革こそ
 時代の最先端の変革

国葬に対する怒り持続的な形に変え

 2月に「11月集会25年」の3労組アピールを発してから8カ月、11月集会まで残すところ1カ月になりました。この間の取り組みで運動が広がり、積み上げてきた力は相当なものがあります。その力の上に、残り1カ月、思い切って外に打って出てほしい。11月集会を、この時代に挑んでいける手がかりになるもの、時代の転換点になるようなものにしたいと思います。
 安倍国葬への怒りは、私たちが想定しなかった形で広範に噴き出しました。しかし、怒りがそのまま持続することはありません。これを私たちの意識的な努力で持続的な形にしなければなりません。それが11月集会に向かっての課題です。
 安倍は戦争に向かい国をつくり変えました。労働者の権利を「働き方改革」と言って破壊しました。戦後最大の権利破壊が「同一労働同一賃金」などの名で行われました。総非正規職化と解雇自由化が進められ、労働者は無権利状態にたたき込まれました。政治は私物化され、強権によって声も上げられない状態が分厚い雲のようにのしかかっていました。これへの怒りが安倍銃撃事件をきっかけに一挙に噴き出しました。
 統一教会との結託は自民党支配の生命線です。自民党は統一教会、公明党、日本会議に頼るしかない。この支配はすでに崩壊しています。労働組合に力がないから、岸田の支配は成立している。この悔しさを何としても突破したい。

戦争を止める力は労働者の中にある

 ウクライナ戦争は泥沼化し長期化しています。プーチンはウクライナ東部・南部4州のロシア併合を宣言し、アメリカやNATOがウクライナに武器援助をしています。岸田政権は台湾危機や北朝鮮のミサイル発射を振りかざして戦争体制をつくろうとしている。これに対して、戦争を止める力は労働者自身の中にあることを明らかにしたい。
 激しい物価騰貴が世界を襲い、食料危機、エネルギー危機が起きています。危機が戦争を生み、戦争が危機を高めていく。その過程が現に始まっています。
 アベノミクスが10年続いた日本は、各国の中でも最も危機的です。黒田日銀総裁の10年で、日銀の国債保有残高は510兆円を超えました。これは戦争と深く結びついています。戦争の経験から、国債の日銀引き受けは財政法で禁止されています。それを踏みにじって、政府と日銀は禁断の果実に手を出してきました。その上に、岸田政権は中国侵略戦争を構え、防衛費倍増に突き進んでいます。

労働運動の再生を絶対あきらめない

 日本では労働者の賃金が上がらない状態が30年以上も続いてきました。連合は今の物価高に声も上げない。この現実を突破したい。労働運動の変革は、確かに困難な課題です。しかし、ここまで労働運動が後退している状態から労働運動を再生することを、絶対にあきらめてはいけない。労働運動の変革は時代の最先端の変革です。困難だけれど、ここに挑戦しなければなりません。労働者が存在する限り、労働運動が死ぬことはありえません。
 芳野友子連合会長の国葬出席は、連合の翼賛化と崩壊を示す歴史的な事態です。彼女が反共教育を受けた富士政治大学校の運営機関・富士社会教育センターの2代目理事長は、統一教会の世界平和教授アカデミーの初代会長です。
 情勢の鍵を握っているのは労働運動です。それを改めて確認したい。新自由主義は競争原理で社会をめちゃくちゃに壊しました。労働者の権利も医療も教育も鉄道も破壊し、地方を衰退させました。しかし、この中に労働運動再生の芽があります。
 JRの在来線4割廃止の攻撃は、新自由主義が鉄道を破壊したことを開き直って、ならば鉄道はつぶしてしまえという形で行われています。それは社会を総破壊しても戦争のための国家改造を強行する攻撃です。そのために労働組合をつぶし、労働者には最底辺に向かう競争を強いています。
 医療などあらゆる産別で同じことが起きています。壊された社会を回復させるのは、職場を握る労働者の力以外にありえません。そこに労働運動再生の可能性を探りたい。関生弾圧との闘い、国鉄闘争、3労組共闘の意味を改めて確認してほしいと思います。
 11・6集会の成功へ、全力で組織化に立ちましょう。職場の仲間、行動を共にしてくれた仲間、関係を持つ仲間のすべてに、この社会を変えたいという情熱を込めて、11・6を訴えて下さい。チケット販売、賛同オルグ、職場や街頭での宣伝など、やれることはすべてやりぬきましょう。残り1カ月の行動計画をきちんと立てて、11・6集会の大結集を実現しましょう。
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