戦争阻止する階級的労働運動を 大軍拡に突き進む岸田を倒せ 11・13三里塚―11・19新宿デモへ

週刊『前進』04頁(3268号01面01)(2022/11/07)


戦争阻止する階級的労働運動を
 大軍拡に突き進む岸田を倒せ
 11・13三里塚―11・19新宿デモへ


 ウクライナ戦争の激化・泥沼化と米中激突情勢の中で、岸田政権は日本帝国主義の存亡をかけて改憲と大軍拡へ突き進んでいる。11月から年末にかけて来年度予算編成や安保関連3文書改定が重大な攻防局面を迎える中、三里塚では市東孝雄さんの天神峰農地や作業場などを強奪する強制執行が狙われている。絶対に許せない暴挙だ。11・13緊急現地闘争と11・27天神峰現地闘争に全国から駆けつけ、市東さんの農地を守り抜こう。3労組共同アピール、動労千葉の新・戦争協力拒否宣言のもとにかちとられた11・6集会は、階級的労働運動再生への新たな出発点だ。この地平をさらに拡大し、岸田打倒へ11~12月の反戦闘争を闘おう。

さしせまる中国侵略戦争

 アメリカ帝国主義・バイデン政権は、10月12日に公表した「国家安全保障戦略(NSS)」で「中国は国際秩序の再構築をめざす意志と力をもつ唯一の競争相手」と確認し、「中国を打ち負かし、ロシアを抑えつける」ことを国家戦略の柱に据えるとあらためて明言した。27日発表の「国家防衛戦略(NDS)」では、あらためて最優先課題はロシアではなく中国と強調。また同日発表の「核戦略見直し(NPR)」でも「中国が野心的に核戦力を拡大している」として、これに対処するため「米国は核兵器の近代化計画を推進する」と明記した。
 米帝は、2008年リーマン・ショックを契機に爆発した大恐慌の打撃から根本的に立ち直れないまま、コロナ・パンデミックの直撃を受けてさらに野放図な金融緩和と財政出動を強行し、その矛盾を一層増幅させた。同時にこの過程で進行したのは、米国内の労働者階級と資本家階級との階級対立の先鋭化であり、ブラック・ライブス・マター(BLM)運動の爆発や労組結成・ストライキの激発といった階級闘争の高揚だった。それと同時に、アフガニスタンからの米軍撤退に象徴されるように、米帝の世界支配の崩壊的危機が進行した。こうした危機の中で米帝は、自らの世界支配に対する唯一の対抗軸となりうる中国スターリン主義体制の転覆を通して、自らの世界支配を暴力的に再編・再建しようとしているのである。米帝の中国侵略戦争への突進の中でウクライナ戦争が引き起こされ、世界戦争・核戦争の危機が生み出されているのだ。
 とりわけこの間、バイデン政権は、台湾が米帝の支配下、勢力圏にあると示すように台湾への軍事的支援や政治的介入、軍事演習などを繰り返してきた。これに対して中国スターリン主義も、10月の中国共産党第20回大会で「祖国の完全統一は必ず実現しなければならず、必ず実現できる」「決して武力行使の放棄は約束しない」(習近平総書記)と宣言し、台湾問題では一歩も引かないことをあらためて強調した。
 米帝・帝国主義諸国の侵略に対し、プロレタリアートの国際的反戦闘争を呼びかけ世界革命を対置するのではなく、核を含む反人民的な軍事的対抗と戦争を対置し、帝国主義の軍拡と戦争に格好の口実を与え、世界戦争の危機を促進しているのが、3期目に入った習近平の中国であり、米韓合同演習の再開に追い詰められてミサイル発射を繰り返す北朝鮮である。「帝国主義の侵略と戦争を阻止し粉砕できるのは、帝国主義を打倒するプロレタリアの革命的闘争とその国際連帯以外にありえない」(革共同29全総報告)。このことを徹底的に確認し闘おう。

生活を破壊し軍事費倍増

 岸田政権は、年内改定を予定する安保3文書の一つ「中期防衛力整備計画(中期防)」に盛り込む2023~27年度の5年間の防衛省予算を、総額48兆円前後にまで引き上げようとしている。そして安保3文書では「反撃能力」(相手国の中枢や基地を直接攻撃する手段)の保有や武器輸出の全面化、巡航ミサイル・トマホークの購入、沖縄県の先島諸島へのシェルター設置、国内防衛産業の育成などが明記されようとしている(関連記事3面)。
 この大軍拡の財源は「社会保障の削減、増税、国債発行」(岸田の国会答弁)だ。すでに11月からは833品目が値上がりし、来年も2000品目以上の値上げが見込まれる中で、労働者人民の生活をさらに破壊する大軍拡が狙われているのだ。他方で国税庁は10月31日、21年度の日本企業のもうけが79兆5千億円と過去最高額になったと発表した。コロナ禍と物価騰貴で苦しむ労働者人民の対極で資本だけが空前の利益を手にしている。教育や社会保障費は削減される一方で、戦争予算には大量の税金が投入される。2兆円を投じると言われる健康保険証とマイナンバーカードの一体化も戦争のためだ。後期高齢者の医療費2倍化と介護保険料の増額で高齢者を切り捨てる。戦時医療への転換が進む中、コロナに感染しても病院に行けず、救急車も呼べないまま自宅死を強いられる人が続出している。労働者人民はすでに、自国の政府と資本によって日々殺されているのだ。
 だが、これに対する労働者人民の怒りの爆発は不可避であり、その一端は安倍国葬粉砕闘争で示された。世界を見ればウクライナ戦争と物価騰貴に対して、あらゆる国で闘う労働組合の結成とストライキ・デモが闘われている。この闘いと連帯し、11・6集会からさらに闘いを進めよう。

闘う労組と労働者の党を

 一切は、階級的労働運動と革命に勝利する労働者党をつくり出すことにかかっている。
 労働者が生活苦にあえぐなかで企業が過去最高のもうけをあげているのは、労働組合が闘わないからだ。物価高騰下で労働者の怒りが高まる中、岸田政権は企業に対して「賃上げを期待する」と語り、経団連も会員企業に「積極的な賃上げを要請する」などと言っているが、労働組合を破壊してきた張本人が何を言うか! 賃上げは労働者が労働組合のもとに団結して闘うことで初めてかちとられるのだ。
 今こそ反戦と大幅賃上げを掲げ労働組合をつくって闘うときだ。動労千葉の中野洋元委員長は『新版・甦(よみがえ)る労働組合』で、「労働組合を甦らせること、この一点に労働者階級の未来がかかっている」「労働者が人間らしく幸せに暮らすためには、階級対立をなくして自ら支配者になる以外にない。つまり革命を起こす以外にない。資本主義体制はそのままで、労働条件の改善を積み重ねていったら労働者は幸せになれる、なんてことは絶対にない。これが階級的労働運動の根本的な考えだ」と訴えた。戦争・物価騰貴・社会保障解体・増税をもたらす資本主義を打倒し、全世界で労働者による革命を起こそうではないか!
 米日帝国主義の中国侵略戦争とそのための大軍拡を阻止しよう。11・19新宿デモに大結集し、改憲と大軍拡、大増税、生活破壊に突き進む岸田政権を打倒しよう。11・27星野・大坂全国集会の大成功をかちとろう。11・6労働者集会に集まったすべての仲間は、職場で階級的労働運動をつくり出すために全力で闘おう。革共同に結集し、プロレタリア革命の勝利へ共に闘おう!

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