三里塚で緊急闘争
　市東さんの農地必ず守る
　反対同盟先頭に決戦態勢

　11月13日、強制執行攻撃が差し迫る成田市天神峰で、三里塚芝山連合空港反対同盟が呼びかける緊急現地闘争が行われた。全国から１８０人の労働者、農民、学生、市民が結集し、市東孝雄さんの農地を実力で守り抜く決意を固めた。
　参加者すべてが怒りに燃えている。国家権力と成田空港会社（ＮＡＡ）は１９７１年の強制代執行以来の、むき出しの暴力を使っての農地強奪、営農破壊に手をかけてきたのだ。
　反対同盟と支援連絡会議はこの日の朝、強制執行の対象地である天神峰農地の旧小見川県道沿いに新看板を設けた。「Ｎｏ　Ｆａｒｍ，Ｎｏ　Ｌｉｆｅ．（農地なしには生きていけない）／農地死守」と大書されている。
　午後１時、天神峰農地と一体の市東さん宅の中庭で決起集会が始まった。反対同盟事務局の伊藤信晴さんが司会としてあいさつした。「ＮＡＡは市東さんの生活を破壊し、奪った農地は中国侵略戦争のための軍事空港として使われる。こんなでたらめは許せない！父・東市さんから反戦の思いを受け継いだ孝雄さんの闘いをしっかりと受けとめ、農地を守り切ろう」
　反対同盟を代表して、東峰の萩原富夫さんが発言した。「本日の闘いに続き、さらに27日の現地闘争、28日の耕作権裁判を一つの山場として、強制執行を許さない決意と態勢を国家権力に見せつける。皆さんもぜひ27日から現地に座り込んでほしい。これは市東さん一人の問題ではない。強制執行を阻止しよう！」
　熱い注目の中、市東孝雄さんが発言に立った。「私にとって農地は命。その農地を取るというなら受けて立つ。ここに集まった皆さんの力ではね返し、これからも農業をやる。ともに明るい未来へ」（２面に発言要旨）。この鮮明な決意に全員が胸を打たれ、市東さんと心を一つにこの地を守り抜く決意を共有した。
　連帯発言として最初に、動労千葉の中村仁副委員長がマイクを握った。「動労千葉はジェット燃料輸送阻止闘争で解雇者を出しながら、反対同盟と連帯し闘ってきた。この戦争情勢に傍観者であってはいけない。市東さんに大きな勇気をいただいた。農地を奪うことは絶対にさせない！」
　宮本麻子さんのカンパアピール、諸団体の発言に続き、全学連の学生が鮮烈な決意を述べた。「農地取り上げは、反対運動をつぶし軍事空港を完成させる攻撃だ。全学連は現地常駐体制を強化し、私自身も市東さんの農地を守るため体を張って全力で闘う」。ひときわ大きな拍手が起きた。
　最後に決戦本部長の太郎良陽一さんが発言した。「周辺住民にも怒りが広がっている。国家権力の卑劣な攻撃を、誰も黙って見ていない。ここでスクラムを組み強制執行を阻もう！」
　参加者全員で新看板が建つ旧県道沿いに並んで「人間の鎖」をつくり、こぶしを突き上げた。機動隊と公安警察はその迫力に圧倒され、ただ見ているだけだ。
　反対同盟を先頭にデモに出発した。空港の中心部までをえぐるように進む新たなコースだ。取香（とっこう）橋手前を左折し、空港に向けて進むと第３ターミナル、貨物ビルなどの施設が目の前に。ＮＡＡの本社もほど近い場所にある。
　デモ参加者の怒りは倍増した。機動隊の規制をはね返しながら、農地強奪を阻止し空港を必ず廃港に追い込む決意をみなぎらせデモを貫徹した。

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市東さんの農地を守ろう
１１・２７天神峰現地闘争
　１１月２７日（日）午後１時
　市東孝雄さん宅中庭集合　集会～デモ
　主催　三里塚芝山連合空港反対同盟