対中戦争に突進する岸田を倒せ 世界戦争の危機と対決し 11~12月反戦闘争に立とう 強制執行阻止!11・27三里塚へ(2面にアピール)

週刊『前進』04頁(3270号01面01)(2022/11/21)


対中戦争に突進する岸田を倒せ
 世界戦争の危機と対決し
 11~12月反戦闘争に立とう
 強制執行阻止!11・27三里塚へ(2面にアピール


 差し迫る中国侵略戦争・世界戦争の危機と対決してかちとられた11・6労働者集会は、日本労働運動の階級的再生と世界戦争を阻止する労働者国際連帯の展望を指し示した。続く11・13三里塚緊急現地闘争は、市東孝雄さんら三里塚芝山連合空港反対同盟と固く団結し、農地強制収用絶対阻止の決戦態勢をうち固めた。日本階級闘争は中国侵略戦争阻止の歴史的決戦に突入している。11・6労働者集会を新たな出発点に、階級的労働運動を拡大させ、11〜12月、三里塚決戦に全国から総決起し、安保3文書改定粉砕!岸田政権打倒の反戦闘争に立とう。

南西諸島で日米が大演習

 日米共同統合演習「キーン・ソード23」が11月10~19日、陸海空自衛隊約2万6千人、米軍約1万人、航空機370機、艦艇30隻を動員し最大規模で強行された。「台湾有事」を想定し南西諸島全体を戦場に見立てた、初の公然たる中国侵略戦争の実動演習である。
 「キーン・ソード23」は、南西諸島を攻撃拠点とする「遠征前進基地作戦(EABO)」を踏まえ、「『ぶっつけ本番』では戦いにならない」(防衛省関係者)と「本番」さながらに展開された。
 重大なことは、空港・港湾など民間施設の軍事利用に踏み込んだことだ。「台湾有事」になれば、本州に配備された兵器・物資や人員を一気に南西諸島に輸送する必要がある。その「展開訓練」として、地対空誘導弾パトリオットに関連した車両を含む73台が民間船舶で運搬され、沖縄本島の民間の中城湾港から陸揚げされた。
 離島の与那国島では、陸自の16式機動戦闘車(MCV)が築城基地(福岡県)から与那国空港に運び込まれ、沖縄県内の公道を初めて走行する。とりわけ、台湾に近い与那国島での訓練は中国との軍事的緊張を一気に高める。MCVは戦車並みの攻撃力と時速100㌔の展開力をもち、実戦配備も画策されている。さらに「国民保護」を名目にした「日米連絡調整所」の設置訓練では、米軍が初めて与那国島で訓練を行い、米軍が「台湾有事」に介入する意図をはっきり示した。
 沖縄本島では、後方補給拠点の開設や負傷兵を空輸し治療する戦時医療、地対艦ミサイル部隊の展開訓練、鹿児島県・奄美大島では、ウクライナでも使用されている米軍の高機動ロケット砲システム(ハイマース)も展開。徳之島では日米共同のオスプレイ訓練が実施された。
 こうした演習が安保3文書改定を先取りする形で強行された。岸田政権の「有識者会議」では、南西諸島などの港や空港を「特定重要拠点」に指定し、軍事利用を常時可能にすることも議論されている。敵基地攻撃能力保有・軍事費2倍化と一体で実質的な改憲攻撃が推し進められ、戦争突入への歴史的大転換が狙われている。この中で、成田空港の軍事拠点化と市東さんへの農地強奪の攻撃がかけられているのだ。
 沖縄では「沖縄戦を繰り返すな!」と激しい抗議がたたきつけられている。三里塚でも実力阻止の戦闘宣言が発せられた。安保・沖縄、三里塚が、戦争に突進する岸田政権との階級的激突点として火を噴いている。

米中間選挙と戦争の激化

 没落と危機を深めるアメリカ帝国主義は、体制的延命をかけて中国スターリン主義に対する侵略戦争にますますのめり込んでいる。
 15、16日の主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)と、併せて開かれた米中(および日中)首脳会談、東アジアサミットなどの一連の会議は、「キーン・ソード23」の大軍事演習を背景に、中国侵略戦争・世界戦争の危機を一段と激化させるものとなった。とくに日本帝国主義・岸田は、東南アジア諸国連合(ASEAN)や米韓中ロなどが参加した東アジアサミットで「尖閣諸島」(釣魚島)や台湾海峡の問題で中国を名指しで批判し、米帝と共に対中対決の先陣を切った。
 8日投票の米中間選挙は戦時下のインフレに労働者階級人民の怒りが爆発しているにもかかわらず、バイデン・民主党が上院で過半数を維持し、下院でも大敗は免れた。重要なことは、今回の選挙はウクライナ戦争―中国侵略戦争突入下で行われたということだ。この米帝の体制的延命をかけた大戦争を前にして、民主党・共和党下の全既成勢力が結束し、戦争翼賛体制がつくられた。これが、選挙前の予想に反した「接戦」として表れたのである。米帝・バイデンは、この結果に勢いづき中国侵略戦争にさらに突進している。
 実際、バイデンは台湾問題で「互いのレッドライン(越えてはならない一線)を協議する」と言いながら、14日の米中首脳会談では、「台湾に対する中国の威圧的で挑発的な行為」に対し、「地域の平和と安定を損ない、世界の繁栄を危険にさらす」と中国スターリン主義・習近平に突きつけ、米中対立が非和解であることを示した。
 だが、バイデン政権は戦争とインフレへの怒りに震え上がり階級支配の危機を深刻化させている。トランプ的極右の台頭と中絶禁止などに対する青年・女性の怒りも大きい。階級的労働運動が力をもって登場するならば、アメリカにおいても自国政府打倒の闘いが必ず広範に巻き起こる。
 11・6集会には、アメリカから労働者党建設統一戦線委員会のスティーブ・ゼルツァーさんと韓国・民主労総の仲間が来日し、「階級的労働運動をつくりあげることは絶対に可能だ」(動労千葉・関道利委員長の基調報告)と労働者の国際連帯を築いた。この11・6集会の地平をとことん発展させることが必要だ。それは何よりも、日本で階級的労働運動をよみがえらせることである。「労働運動の変革はこの時代に求められている最先端の変革」(関委員長)だ。11・6集会で改めて確認された「3労組共同アピール」を全職場・地域に広げ、労働者の力を全力で組織しよう。

労働運動の力ある登場を

 岸田政権の支持率は政権発足後最低の3割台に下落した。死刑執行を「ハンコを押すだけ」などと放言した葉梨康弘法相も辞任に追い込まれ、岸田政権はボロボロである。国葬粉砕の実力闘争と11・6集会の高揚が階級的力関係を一変させているのだ。
 全世界で戦争と新自由主義、インフレ・生活破壊に対する怒りと闘いが燃え広がり、日本でも階級的反撃の機運が満ちている。岸田政権は、戦争翼賛化する既成政党と産業報国会に転落した連合によって延命しているにすぎない。労働者人民の怒りと結びつき、岸田政権を打倒する階級的労働運動の力強い登場を今こそかちとろう。
 反戦の砦(とりで)=三里塚の決戦に勝ち抜くことは、階級的労働運動にとっても死活的だ。日帝の農地強制収用攻撃に怒りを爆発させ、11・27三里塚に大結集しよう! 11~12月、中国侵略戦争阻止!安保3文書改定粉砕の反戦闘争を闘い抜き、星野国賠勝利と大坂正明さん無罪奪還をかちとる11・27星野・大坂全国集会、国鉄1047名解雇撤回の12・23東京地裁裁判に決起しよう!

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