市東さん畑で盛大に旗開き

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週刊『前進』04頁(3277号01面02)(2023/01/16)


市東さん畑で盛大に旗開き

(写真 三里塚反対同盟 〝誇りも高き農地死守〟 強制執行の対象地となっている市東孝雄さんの天神峰農地で意気高くかちとられた三里塚反対同盟の23年団結旗開き。全国から200人が駆けつけた【1月8日 成田市】)

(写真 壇上に並ぶ反対同盟。締めくくりに全員で「反対同盟の歌」を熱唱。マイクを握るのは市東さん)


 農地強奪の強制執行を阻止する昨年末の「4日間決戦」に勝利した三里塚芝山連合空港反対同盟は1月8日、決戦の地・天神峰で2023年の団結旗開きを意気高く盛大に開催した。全国から200人の労働者・農民・学生・市民が集まり、反対同盟と共に、今年も市東孝雄さんの農地を絶対に守り切ることを誓い合った。(関連記事3面)
 旗開きに先立ち、反対同盟は東峰神社のしめ縄の付け替えを行った。その後、市東さんの南台の耕作地から天神峰耕作地までの敷地内デモを貫徹した。
 初の試みとして、旧小見川県道に面した畑の南部分が旗開き会場となった。最初に事務局員の伊藤信晴さんが「1カ月の決戦を構え、『円滑かつ確実に強制執行を行う』とのNAA(成田空港会社)田村社長の宣言を粉砕した。だが、岸田政権の戦争攻撃はいや応なく市東さんに襲いかかる。世の中を変える闘いが必要だ」と訴えた。婦人行動隊の木内敦子さんが「22年の強制執行を阻止して農地を守り、全国の連帯が強まり豊かな闘いとなった。23年も共に闘います」と述べ前半の司会を務めた。
 東峰の萩原富夫さんが反対同盟の「闘争宣言2023」を朗読。4日間決戦の勝利を確認し、「この態勢を永続的に維持・発展させ強制執行攻撃を粉砕しよう」と呼びかけた。そして戦争攻撃と連動して成田の機能強化、「新しい成田空港」構想が進められようとしていることを弾劾した。
 マスコミも注目する中、市東さんがマイクを握った。「皆さんの団結の力でこの畑で旗開きができることを、うれしく思っております。強制執行『来るなら来い』という気持ちで皆さんと共に闘いたい。私がここに帰ってきて20年以上経ちました。父の追悼集会の壇上で、『闘魂ますます盛んなりの言葉を大事にして闘う』と誓いました。皆さんの団結の力、労働運動・学生運動の力を借りて、一日でも長くこの農地を守り続ける覚悟です。沖縄・福島・三里塚を一つの闘いとしてこれからも闘います。そして、私自身の農地を守ることが私の命であるということを常に頭におきながら、この1年を皆さんと明るく楽しく闘っていきたいと思います」と述べて、力強く乾杯の音頭を取った。
 市東さんの決意に応え、発言が続いた。動労千葉の関道利委員長は、ジェット燃料貨車輸送阻止闘争と同じ質の労農連帯を貫き三里塚決戦を闘うことを約束した。全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部の西山直洋執行委員は、関生弾圧と闘い抜き、三里塚と連帯して春闘に勝利する決意を表明。反対同盟顧問弁護団の葉山岳夫事務局長は、「強制執行は中国侵略戦争の前哨戦だ。農民の命である農地を奪うことは過酷執行であり違法。確定判決といえども、判決そのものが違法とする学説・判例が出てきている」と説明し、強制執行阻止の決意を表した。
 支援者も次々と発言に立った。全学連は前に並び、赤嶺知晃委員長が、学生一人ひとりが三里塚闘争の正義性に確信を深め現地に結集していることを報告し、農地死守を反戦闘争として闘い抜く決意を述べた。
 旗開きも大詰めを迎え、反対同盟が並ぶ中、太郎良陽一決戦本部長が「強制執行と実力で闘う決戦陣形がこの年末の闘いでできた。もっともっと増やしたい」と、毎月の天神峰への結集を熱烈に呼びかけた。
 最後に全員で反対同盟の歌を熱唱し、「誇りも高き農地死守」の歌声が天神峰の空に響きわたった。

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