戦争終わらせるのは労働者の闘い 「NATOを解体しろ!」

週刊『前進』04頁(3281号03面03)(2023/02/13)


戦争終わらせるのは労働者の闘い
 「NATOを解体しろ!」

(写真 「NATOにノー!」と訴えるウクライナ反戦デモ【1月14日 ニューヨーク】)


 米欧帝国主義によるウクライナへの戦車供与をもって戦争が新たな段階へと突入するなか、その足元から労働者階級の反撃が巻き起こっている。
 アメリカでは、キング牧師記念日の1月16日にあわせて100近い反戦行動が連続的に闘われた。ニューヨークをはじめ全国で、アメリカとNATOこそがウクライナ戦争を準備し、激化させていることへの怒りが爆発した。「アメリカとNATOの戦争にではなく、私たちが必要としているものに資金を回せ!」「NATOを解体しろ!」「ウォール街と軍産複合体のための戦争をやめろ!」「戦争ではなく階級戦争を!」の声が響いた。オークランドなどの行動には、政治犯ムミア・アブ=ジャマル氏の解放に向けて闘う人々も合流した。
 ドイツの労働者民衆も、レオパルト2供与を決定した政府に対して、全国で「戦車を送るな!」と抗議デモに立ち上がった。他のNATO加盟国でも闘いが始まった。デンマーク第2の都市オーフスでは、NATOの軍事物資を東欧に送るために港の一部が米軍の軍用地とされようとしていることに対し、地元の反戦運動団体が抗議行動を闘った。フランスやイギリスでは、戦時下の極限的なインフレや年金切り下げに抗して歴史的なデモやストライキが闘い抜かれている。

ロシアでも抗議続く

 ロシア国内では、労働者民衆が逮捕や投獄を覚悟して戦争反対の闘いに立ち上がっている。最先頭に立っているのは兵士の家族だ。昨年9月21日の「部分的動員令」以降に結成された兵士の母親と妻たちの評議会は、全国89都市に支部をもつまでに成長している。また、動員反対の全国一斉行動を呼びかけた青年たちの反戦運動団体やフェミニストの反戦レジスタンスも不屈に活動している。開戦以来、戦争と動員に反対して拘束された人数は2万人に迫るが、抗議の声がやむことはない。ストライキで闘う労働組合も存在する。
 2月3日には、1月14日にウクライナのドニエプロペトロフスク(ドニプロ)にロシアが行ったミサイル攻撃の犠牲者を追悼し、戦争に抗議する「フラワー・プロテスト」が行われた。サンクトペテルブルクを中心に全国約60カ所で人々が銅像などに花を手向けて戦争反対の意思を表明。「ウクライナは敵ではない」と書いたボードを掲げる人もいた。
 全世界で労働者階級はウクライナ戦争の階級的本質を見抜き、「バーゼル宣言」と「帝国主義戦争の内乱への転化」に向けた闘いが始まっている。戦争と物価騰貴への「憤怒と激高」は革命情勢を日々成熟させている。日本でのウクライナ反戦闘争―中国侵略戦争阻止の闘いが決定的だ。

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武器供給に反対する
 ウクライナの労働者の訴え
 戦争は資本家の利益のため

 昨年12月にローマで行われた労働者集会に際し、「ウクライナ労働者戦線」がイタリアの組織「革命的国際主義者」に送ったメッセージ(抜粋)を紹介します。(編集局)
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 ウクライナとロシアの労働者たちは、オリガルヒの利益のために殺し合いを強制されています。すべては「戦時下」の名目で、労働者への抑圧の強化と新自由主義の反労働者立法の導入が行われています。ロシアが勢力圏を軍事的に再編成しようとしている一方で、米欧帝国主義は、武器の供給により最大の利益を得ようとしています。戦争はブルジョアジーにとって新たな市場の開拓を意味します。どういう結果になろうとも、支配階級であるブルジョアジーは最大限の利益を得て、すべての国の労働者階級はこれまで以上に搾取と抑圧の苦しみのもとに置かれることになるでしょう。
 ヨーロッパの共産主義者は、NATO軍の投入と武器の供給に対して闘わなければなりません。同時にロシアの共産主義者は、人民の前線への動員に対して反戦意識を高揚させて闘わなければなりません。そして、われわれウクライナ人民は階級意識を強化しなければなりません。武器の供給やNATO軍の投入は、これまで以上の流血と帝国主義陣営の強化をもたらし、危機を激化させるだけです。帝国主義諸国は、利潤が得られるならばどんな犯罪も辞さないでしょう。悪循環を断ち切る道は社会主義、つまり万人がきょうだいとなる社会です。
 万国の労働者、団結せよ!

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