三里塚強制執行弾劾 反対同盟、怒りの徹底抗戦 全学連、機動隊と激闘

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週刊『前進』04頁(3282号01面01)(2023/02/20)


三里塚強制執行弾劾
 反対同盟、怒りの徹底抗戦
 全学連、機動隊と激闘

(写真 岸田政権の先兵として現れた機動隊に全学連が怒りに燃えて挑みかかり、徹底的に粉砕した【2月15日 成田市天神峰】)

(写真 極寒の中を全学連の長江光斗書記長【右】と決戦本部の仲間が大量の機動隊と徹底抗戦し、7時間にわたって看板の上で農地死守を訴え続けた)

(写真 市東孝雄さんが報道陣を前に強制執行の不正義を怒りを込め弾劾)


 三里塚芝山連合空港反対同盟・市東孝雄さんの農地に対し、成田空港会社(NAA)は2月15日、卑劣にも夜間強制執行に踏み切った。新聞などが「15日に執行」と報じたことで反対同盟は「来るなら来い」の決意と覚悟で緊急行動を呼びかけ、全学連をはじめ支援が未明から現地に続々と結集。早朝に始まり午後まで波状的に集会をかちとった。NHKが唐突に「今夜に執行」と報じたのはその夕刻だ。怒りをたぎらせ、いったん帰路についた人々も現地に取って返し、反対同盟と支援は旧小見川県道でスクラムを組み、敵を迎え撃つ態勢をとった。
 午後8時、高級乗用車が開拓組合道路に到着すると、県道に面した反対同盟の看板上で監視していた全学連の同志がこれを即座に執行官と判断し、鋭く笛を鳴らした。ほぼ同時に市東さん宅向かいの警察「前線指揮所」から数百人の機動隊が一気になだれ込んだ。
 機動隊はスクラムを破り市東さんをも押し倒して団結街道に突入し、天神峰農地を包囲し、その破壊に着手した。たちまち肉弾戦に発展し、怒号とシュプレヒコールが飛び交う。市東さんをはじめ、誰も執行官の宣言を確認していない。違法極まりない襲撃だ! 取り囲んだ報道記者に市東さんは「またこんなやり方をするとは、NAAには何一つ正義がないということ」と怒りを込めて訴えた。
 集会や援農で慣れ親しんだ天神峰農地と中庭に重機が搬入され、破壊と強奪が次々と進められた。絶対に許すことはできない!
 全学連が満身の怒りを込めて実力で立ち上がった。女子学生を先頭に完全武装の機動隊に素手で挑みかかり、鉄拳を浴びせ装備をはぎ取り、阻止線を突き崩した。透明の盾やヘルメットが奪い取られ打ち捨てられた。機動隊は「危ないからやめろ」などと悲鳴を上げるのみ。この実力攻防が夜を徹して実に12時間以上繰り広げられ、機動隊はそこかしこで撃破された。反対同盟看板の頂上部には、寒風吹きすさぶ中を2人の学生が籠城(ろうじょう)した。警察は高所作業車を持ち出して制圧しようとしたが、学生は徹底抗戦を貫き午前3時頃逮捕された。
 夜陰に乗じて「円滑かつ確実に」(田村明比古NAA社長)執行を済ませようとした敵の狙いは打ち砕かれ、戦争と軍事空港のために市東さんの営農を国家暴力で破壊する岸田政権の悪逆非道が日本中、そして世界中に暴き出された。
 16日の朝、市東さんは「悔しい結果ですがこれが終わりではありません。これからも共に闘いましょう」と一同に強く訴えた。

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