戦争突進の岸田倒せ サミット粉砕闘争を引き継ぎ 6・11新宿反戦デモへ

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週刊『前進』04頁(3297号01面01)(2023/06/05)


戦争突進の岸田倒せ
 サミット粉砕闘争を引き継ぎ
 6・11新宿反戦デモへ


 5月17~21日の5日間にわたるG7サミット粉砕広島現地闘争(前号既報)は、国内外のメディアやSNSなどで大きく取り上げられ、「戦争反対!サミット粉砕!」のコールを世界にとどろかせた。警視庁機動隊によるデモ隊への襲撃と不当逮捕には、今も続々と抗議の声が広がっている。31日には、2月の三里塚強制執行実力阻止闘争に対する事後弾圧=サミット予防弾圧で不当逮捕・勾留されていた6人全員が起訴攻撃をうち破り、奪還された。弾圧を粉砕して意気高く闘う全学連を先頭に、世界戦争・核戦争を阻む反戦闘争のさらなる爆発をかちとろう。改憲・戦争阻止!大行進が呼びかける6・11新宿反戦デモに集まろう!

世界戦争激化させるG7

 G7広島サミットは、全過程を通して「歴史的な」戦争会議=核戦争会議として行われた。18日夜の日米首脳会談では「拡大抑止に関する活発かつ突っ込んだ議論を一層強化していく」と確認され、20日採択のG7首脳宣言では「台湾海峡の平和と安定」が「国際社会の安全と繁栄に不可欠」と明記された(関連記事2面)。また19日に採択された「広島ビジョン」は、アメリカ帝国主義をはじめとしたG7の核兵器を「防衛目的のために役割を果たし、侵略を抑止」するものだと正当化した。
 そして何より、ウクライナ「戦時大統領」ゼレンスキーが参加し、ロシアへの大規模反攻を前にしてG7の対ウクライナ全面支援を確認したこと、特にF16戦闘機の供与をバイデンとの間で合意したことは、G7広島サミットの恐るべき戦争会議としての正体をむき出しにさせた。それはウクライナ戦争の果てしない激化・拡大、そしてその中国侵略戦争―世界戦争への転化に向けてゴーサインを出す場となったのである。
 実際、ゼレンスキーはサミット閉幕後の29日、「決定が下された」と述べて本格的な反転攻勢を近く開始することを宣言した。バイデンが供与を容認したF16は、空中戦で相手戦闘機を撃墜するだけでなく、ミサイルや爆弾で地上部隊を攻撃する能力、対空レーダー妨害などの電子戦能力を備えており、パイロット訓練には数カ月かかると言われる。米帝とゼレンスキーは長期の戦争継続・拡大を想定し、2014年にロシアが併合したクリミア半島をロシアから完全に切り離すことも視野に入れ、どこまでも凄惨(せいさん)な戦争を続けようとしている。そして岸田政権はこの戦争に自衛隊車両100台を送ると決定し、25日に防衛省で引き渡し式を行った。さらに殺傷能力を持つ兵器の供与も狙っている。
 5日間にわたるサミット粉砕闘争は、この戦争会議を真正面から弾劾する実力闘争として闘われ、「ヒロシマの怒り」を根底から解き放った。だが闘いはこれからが本番だ。何よりも被爆者・被爆2世・3世と共に、世界戦争・核戦争を阻む8・6広島―8・9長崎闘争の新たな大高揚をつくりだそう。サミット翼賛に屈した原水禁、原水協をのりこえ、帝国主義の核保有・使用を公然と擁護した日本帝国主義・岸田を絶対に打倒し、帝国主義戦争の内乱への転化を決定的に促進しよう。

戦時体制づくりを許すな

 債務上限危機、金融危機にあえぎ、支配の崩壊を深める米帝は、ますます世界戦争に延命の道を求めている。5月24日、米下院中国特別委員会は、今後の対中国法案の土台となる報告書を公表し、「日本や米領グアムなどの米軍基地の強靱(きょうじん)性を高めるべき」などと提言した。「(中国軍から)攻撃を受けても滑走路をすぐに復旧できる能力を整備したり、航空機を守る格納庫を建設したりする」案が念頭にあるという(日本経済新聞5月26日付)。
 日本などの同盟国を総動員し、これらの国々が中国からの反撃を受けることも想定した上で、対中戦争の準備を急いでいるのだ。すでに在日米海軍が日本に展開する20隻強の戦闘艦の補修を日本の民間造船施設で行えるよう、防衛省、外務省に打診を始めたことも報じられている。こうした米帝の戦争準備の加速と一体で、今国会で防衛財源確保法案、防衛力基盤強化法案、入管法改悪案などの反動諸法案の成立を狙う岸田政権の動きがある。
 核武装に向けて原発政策の大転換を図るGX脱炭素電源法は31日、参院で可決・成立した。マイナンバー(個人番号)関連法改悪をめぐっては、マイナ保険証に別人の情報がひもづけられていたケースが約7300件も発覚するなど重大事態が頻発しているにもかかわらず、立憲民主党は早々と採決に応じることを自民党と合意した。これに続いて銀行口座のマイナンバーひもづけの義務化も狙われており、6月に政府が出す「経済財政運営の基本方針(骨太の方針)」にも盛り込まれる予定だ。
 岸田政権のこうした戦時体制づくりの攻撃は凶暴だが、サミット粉砕闘争を一つの突破口として労働者階級人民の怒りは高まり、岸田の長男の首相公邸での「忘年会」問題・秘書官更迭をもきっかけとして、政権支持率は再び下落に転じた。入管法改悪をめぐって国会闘争も山場を迎えている。こうした中で31日早朝、北朝鮮が事前に予告していた人工衛星を打ち上げたことに対し、政府は「弾道ミサイル発射か」などとデマを流し、けたたましく「全国瞬時警報システム(Jアラート)」を発令して朝のニュースを「ミサイル発射」の一色で塗りつぶした。「破壊措置命令」は6月11日まで継続するとしている。
 だが、政権の危機を排外主義・国防主義の大宣伝で乗り切ろうとするいつもの手口は、すでに多くの人民に見抜かれている。求められているのは闘いの方針だ。戦争のための反動諸法案粉砕へさらに攻勢的に国会闘争を闘おう。6・11新宿反戦デモに集まろう!

戦争反対貫く労働運動を

 戦時下への突入の中で、日本労働運動は大流動・大転換期を迎えている。連合・芳野友子会長は中央メーデーに岸田を招き入れ、会場に入る労働者の手荷物検査を警察と一緒になって行うところまで権力・資本と一体化した。他方で、G7サミット粉砕の先頭で闘いぬいた広島の自治体・教育労働者を先頭に、戦時下の階級的労働運動が前進している。戦争絶対反対を貫き、原則を守り闘いぬいてきた全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部、全国金属機械労組港合同、動労千葉の3労組共闘こそ、闘う労働者の結集軸だ。6・18国鉄闘争全国集会への大結集をかちとろう。
 日本共産党は、G7広島サミットへのゼレンスキーの参加について「特にいいとも悪いとも言うことがない」(小池晃書記局長)などと口をつぐみ、「ロシアの侵略を止めていくために全世界が力を合わせることが必要だ」とますます戦争翼賛に走っている。その対極で、サミット粉砕闘争を闘った青年・学生を先頭に、戦争を内乱に転化する闘いが荒々しくも力強い前進をかちとっている。この闘いを徹底的に拡大・発展させ、今夏8・6広島―8・9長崎闘争へ攻め上ろう。不当逮捕された2学生を必ず奪還しよう。

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