寄稿 G7弾劾!長崎被爆者の闘い 核戦争は地球の全滅です! 婦人民主クラブ全国協議会福岡支部 土井玞美子

発行日:

週刊『前進』04頁(3299号04面03)(2023/06/19)


寄稿
 G7弾劾!長崎被爆者の闘い
 核戦争は地球の全滅です!
 婦人民主クラブ全国協議会福岡支部 土井玞美子

 私たち家族9人は、今から78年前の1945年8月9日午前11時2分、長崎で原爆の被害を受け、その瞬間からあらゆる惨禍を目にしてきました。父は、被爆をしているにもかかわらず、公務員として死体の処理や救助に携わりました。
 烈日の下にひねもす死体掘る 力尽き果て並び起(た)てず
 黒こげの腕にだかれし乳呑児(ちのみご)の 腹も破れて腸はみ出たり
 救護所の勤務につけばかねてより 阿鼻叫喚の地獄とはこれ
 これは、当時父が連日救助に当たったときに詠んだものです。私は当時6歳でした。母と乳呑児の妹と、延着した列車の中にいたときに被爆しました。背中に放射線を浴びましたが、大人の人が私の上に覆い被さってくれて命拾いをしたのです。その影響で終戦後も身体が弱く、特に夏になると起き上がれず、友達と一緒に外で遊ぶことなど全くできませんでした。 
 私も今年84歳になり、すでに両親は亡く、兄弟も3人が亡くなりました。原因は主に癌(がん)です。その他脳梗塞(こうそく)・脳腫瘍(しゅよう)等も......。
 私の連れ合いも被爆者ですが、昨年胃癌の手術のあと肺炎で亡くなりました。私も腎臓が一つだけしか働いていませんし、両膝(ひざ)に人工関節を入れています。
 私は今、婦人民主クラブ福岡支部の会員です。近所に引っ越してきた人から誘われて入会しました。そしてここから、私の第2の青春が始まったのです。
 月1回の例会では、政治のこと、戦争のこと、パワハラ・セクハラとの闘いなど話がいっぱいです。そんな中、5月のG7広島サミットの話で、「戦争をするための会議に、G7の頭目たちが広島に来る。岸田はこれを足がかりに日本をさらに軍事大国へといこうとしている」「広島・長崎に原爆を落としたアメリカのバイデン大統領が、核のボタンを携行して平和公園に入る。許せない!」と話し合う中で、「被爆者に謝ることもせず、絶対に許せない! 被爆者の怒りが聞こえてくるようだ!」と思いました。それで、「誰が参加する?」と聞かれたときに、一番に「はい、私行く!」と手を上げました。
 5月19日、雨の中婦民の仲間と一緒に新幹線で広島へ。袋町公園に近づくにつれて装備を調えた機動隊や警察などが、今まで見たことがない程たくさん。でも集まった全国の人たちの怒りの熱は、機動隊の人数などものの数ではないと思えるほどのパワーと気迫に満ちていました。
 午後からのデモには、84歳の被爆者のおばあさんが、若い人に交じって一生懸命長いデモの道程を歩ききり、「私にはまだ力があるんだ」とうれしさと充実感に満たされました。途中、機動隊から「速く歩いてください」とせかされましたが、「この人たちはお国のためと思ってやっているのだろうか」と、本心を聞いてみたいと思いました。その機動隊にせかされながらも、自分のペースで歩くなかで、途中から「頑張ってください」と機動隊員の言葉が変わったのも、少しうれしいことでした。
 核戦争は、絶対にあってはならない。地球の全滅です! 今の核爆弾は広島・長崎に落とされたものより、もっと威力が大きいそうだ! 絶対に絶対に使わせてはならない!
 長崎のあの惨状を体験した者として、戦争・核戦争は始まる前に絶対に止めなければならない。ロシア・プーチン、米・バイデンを始めG7の為政者たち! ウクライナから今すぐ手を引け! 中国侵略戦争絶対に止めるぞ!
 全国から集まった力強い仲間の一員として、これからも皆さんとデモをやりたいです。学生さんたちが不当にも逮捕されましたが、全員を無事に取り戻し、また一緒に闘いたいと思います。
 最後に、今年の8・9長崎集会の呼びかけ人として、全国の皆さんに「今年は長崎に来てください。一緒に『岸田来長弾劾!』のデモをやりましょう」と訴えます。

(写真 G7広島サミット粉砕デモを闘う土井さん)
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