10・8三里塚全国集会へ 市東さんの南台農地守ろう 軍事空港粉砕!岸田打倒を

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週刊『前進』04頁(3311号04面01)(2023/09/18)


10・8三里塚全国集会へ
 市東さんの南台農地守ろう
 軍事空港粉砕!岸田打倒を

(写真 2月15日の強制執行阻止闘争で、スクラムの先頭に立つ市東孝雄さん【右から3人目】と三里塚反対同盟【成田市天神峰】)

(写真 市東さんの南台耕作地【ABCD】。NAAは「E1が市東家のもともとの賃借地」とするがまったくの誤りだ)


 三里塚芝山連合空港反対同盟が主催する10・8全国総決起集会に全力で決起しよう。反対同盟は、「戦争を止め社会を変えるために、三里塚は、動労千葉・関西生コン支部をはじめとする労農連帯をうち固め、沖縄―福島と連帯して軍拡・改憲の岸田政権打倒に決起します」(招請状)と熱烈に呼びかけている。市東孝雄さんの農地強奪阻止決戦の「第2ラウンド」勝利へ、全国の「改憲・戦争阻止!大行進」の旗を林立させ、成田市赤坂公園に大結集しよう。

強制執行攻撃うち破った

 国家権力と成田空港会社(NAA)による2月15日の強制執行によって、市東さんの天神峰農地(約4600平方㍍)、その上に建つ作業場、農機具置き場、育苗ハウス、離れ、反対同盟のやぐら、看板などが奪われ破壊された。市東さんの営農に必要な一切合切を奪い、闘争意志をくじき、反戦の砦(とりで)=三里塚闘争の解体を狙う攻撃だった。
 だが、反対同盟決戦本部を先頭に全国の仲間は数カ月にわたる24時間座り込み監視体制をとって執行当日を迎え、完全武装した機動隊数百人との12時間以上の激闘をやりぬいた。市東さん自身が阻止線の前面に立って激突し、全学連と青年労働者が素手で機動隊をさんざんに打ちのめした。この報道は全国全世界を駆けめぐり、農民殺しとしての敵の攻撃の本性を暴いた。
 翌朝、市東さんはフェンスで囲まれた農地を前に、「これで終わったわけではない」と一同を鼓舞激励し、直ちに営農再建への突入を宣言。奪われた作物・営農手段を取り戻し、「闘魂ますます盛んなり」と一層不屈の闘志を燃やしている。敵の狙いは根幹で打ち砕かれた。
 三里塚闘争において、農民が耕す農地をめぐる強制執行は、1971年の大木よねさんへの強制代執行以来のことだ。反対同盟は「農地死守」の闘いで成田空港の事業認定を失効に追い込み、土地収用法による強制収用を完全粉砕した。空港公団(現NAA)は「今後あらゆる意味で強制的手段は用いない」と社会的に誓約せざるを得なかったが、今回それを踏み破り「民事訴訟判決の強制執行」の形をとった農地強奪に踏み切ったのだ。
 沖縄・辺野古基地建設や福島第一原発汚染水の海洋放出でも明らかなように、既成事実を積み重ねて屈服を迫る国・資本と労働者人民は本質的に非和解である。国家権力を打倒する思想と行動を貫くことこそが正義であり求心力を持つ。

耕作権裁判の結審許すな

 闘いはこれで一段落とはいかない。市東さんの南台農地をめぐる耕作権裁判(千葉地裁)の年度内結審が、新たに送り込まれた斎藤顕裁判長のもとでもくろまれている。(南台耕作地は、農地法裁判明け渡し判決での確定部分も含めると8399平方㍍)
 耕作権裁判は、NAAが南台農地の一部を市東家が「不法耕作している」として明け渡しを求めている裁判だが、3代100年にわたり誠実に耕してきた市東さんに「不法耕作者」の汚名を着せるとは、盗っ人たけだけしい。空港公団は耕作者である市東家に秘密・無断で旧地主から底地を買収した(88年)が、これこそが違法・無効なのだ。NAAは買収の交渉記録や、賃借地の位置を確定させたとする「同意書」「境界確認書」の作成に関する文書を隠し続け、裁判所の文書提出命令にも従わない。
 一審で17年余という超長期裁判になった原因はこのNAAの卑劣で不真面目な訴訟態度なのだが、裁判長は審理を尽くすことよりもスケジュールを優先し、拙速で人証調べを進め終結させようとしている。
 再び機動隊暴力との実力対決に立つ気概で、次回9月25日をはじめ、毎回の耕作権裁判傍聴・千葉地裁包囲デモに駆けつけよう。

拡張反対署名を集めよう

 米バイデン政権はウクライナ戦争の継続・激化でロシアを弱体化させながら、中国侵略戦争への準備を進めている。8月18日の「キャンプ・デービッドの精神」なる日米韓合意(3国の軍事協力、対中国包囲)実現に向け、岸田は大軍拡にのめり込んでいる。
 昨年12月、浜田靖一防衛大臣は国会答弁で「成田空港については取り決めで軍事利用が認められないとされている」「自衛隊が既存施設を平素から柔軟に利用できるよう関係省庁や関係団体に協力を要請」と述べ、成田空港軍事利用の意図をむき出しにした。今年度の防衛白書では、「民間の輸送力を最大限活用する。また、自衛隊の平素からの空港・港湾施設などの利用拡大や補給能力の向上を実施」と繰り返し強調している。8月25日の関係閣僚会議では、「台湾有事」に備えた全国の空港・港湾の整備を打ち出した。
 また岸田政権は、「食料安全保障」を掲げて食料・農業・農村基本法を改悪し、「有事」には農家に穀物栽培などを強制する法整備を進めている。
 こうした戦争攻撃に立ちふさがる最大の「障壁」こそ三里塚だ。アメリカの戦略国際問題研究所(CSIS)は台湾有事を想定した机上演習の報告書で「地元の政治的反対が平時において日本の民間空港の使用を阻害する可能性があり、戦時においてもそうなりうる」と言及している。
 70年安保・沖縄決戦を切り開いた星野文昭さん、大坂正明さんをはじめ無数の人びとが、逮捕・流血、解雇を辞さず三里塚を闘い守りぬいた。そして三里塚は今も、戦争国家化阻止の最前線であり、闘う全人民の結集軸だ。「三里塚を闘わない者は労働運動をやれない。動労千葉と連帯しない者は三里塚をやれない」(萩原進反対同盟事務局次長『農地収奪を阻む』)。
 反対同盟は昨年8月、空港機能強化に伴う国の施設変更許可の無効確認と、第3滑走路建設など一切の工事差し止めを求める裁判を新たに提訴した(第3誘導路裁判と併合)。騒音被害と闘う周辺住民と共に今秋の本格工事着工を実力で阻止しよう。反対同盟が呼びかける「成田空港の拡張に反対する新署名」に取り組もう。第1次集約日である10・8全国集会に署名をもって駆けつけよう。
 9・23首都反戦デモの爆発から10・8三里塚へ共に進撃しよう。

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