中国侵略戦争へ日米共同訓練 レゾリュートドラゴン23 沖縄の「戦場化」を想定

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週刊『前進』04頁(3312号03面02)(2023/09/25)


中国侵略戦争へ日米共同訓練
 レゾリュートドラゴン23
 沖縄の「戦場化」を想定


 日米共同訓練「レゾリュート・ドラゴン23」の実動訓練が10月14〜31日にかけて行われる。南西諸島の戦場化を前提とした中国侵略戦争の訓練であり、絶対に許すことはできない。

民間空港を使用

 今回の訓練は、陸上自衛隊と米海兵隊を中心に計6400人が参加する国内最大級の演習となる見通しだ。すでに7月10〜17日に陸自健軍駐屯地(熊本県熊本市)や南那覇駐屯地(沖縄県那覇市)などで共同指揮所演習が実施されており、10月に行われるのはその実動訓練となる。
 レゾリュート・ドラゴンは2021年から始まり、当初から米海兵隊の「遠征前進基地作戦」(EABO)と陸自が連携するための共同訓練として実施されてきた。過去2回は北海道や東北各地で行われたが、今回は初めて九州—南西諸島全域が訓練エリアとなる(図)。さらに海上自衛隊・航空自衛隊も初めて参加し、米海兵隊のEABOと自衛隊の「領域横断作戦」(CDO=陸海空の従来領域に加え、宇宙やサイバー空間も統一的に駆使する作戦)の連携に主眼を置いたものとなる。
 沖縄県内では、主要な自衛隊・在日米軍施設を使用して米軍・自衛隊の一体運用のための訓練を実施するほか、民間空港である新石垣空港(石垣市)を使用して輸送機V22オスプレイによる後送訓練(負傷者を島外へ輸送することを想定した訓練)が行われる。陸自のオスプレイを投入した訓練は沖縄県内で初、新石垣空港の訓練使用も初めてとなる。さらに米軍が石垣駐屯地を使用することも発表されたが、これも日米共同訓練では初めてのことだ。
 この間、9月14日に米軍普天間基地所属のMV22オスプレイが奄美空港と新石垣空港にそれぞれ2機ずつ、不具合の発生などを理由に事前の使用届なく相次いで緊急着陸するという、前代未聞の事態が起こっている。16日には大分空港にも1機が緊急着陸した。民間空港へのオスプレイの着陸をなし崩し的に常態化させる米軍に対し、基地周辺住民の怒りの声が広がっている。日米政府はこれを踏みにじり、オスプレイを使った今回の訓練を強行しようとしているのだ。
 この他、今回の実動訓練では、陸自日出生台(ひじゅうだい)演習場(大分県由布市など)で着上陸訓練や対艦・対空戦闘訓練が、矢臼別演習場(北海道別海町など)などでは155㍉榴弾(りゅうだん)砲や高機動ロケット砲システム「ハイマース」の実弾射撃訓練が実施される予定だ。

狙いは舞台作り

 レゾリュート・ドラゴン23の米側の責任者は、第3海兵機動展開部隊司令官のジェームズ・ビアマン中将だ。ビアマンは今年1月、ウクライナ戦争について「われわれは大きな成功を収めた。2014年以来、訓練や物資の事前配置、作戦拠点の特定などの『セッティング・ザ・シアター(舞台作り)』に取り組んだからだ。現在は中国との戦争に備えて日本と準備を進めている」とあけすけに語った人物だ。今回の実動訓練は、まさに対中国戦争の「舞台作り」の一環であり、南西諸島全域をウクライナ以上の血みどろの戦場に変えることを想定したものにほかならない。
 だが、相次ぐ米軍機の事故や激増する基地被害に対し、怒りの声は日本中でますます高まっている。九州・沖縄をはじめ全国で今秋反戦闘争の巨大な爆発をかちとり、11・19に怒りの声を大結集させよう。岸田を打倒し、中国侵略戦争を絶対に阻もう。
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