11月東京―ソウル結ぶ大闘争を 国際連帯20年の真価発揮し帝国主義戦争を世界革命へ

週刊『前進』04頁(3316号02面01)(2023/10/24)


11月東京―ソウル結ぶ大闘争を
 国際連帯20年の真価発揮し帝国主義戦争を世界革命へ

(写真 2003年3月27〜30日、動労千葉はイラク戦争反対を掲げて72時間の春闘ストに立ち、591本の列車を止めた)

(写真 03年の11・9集会には米ILWU、韓国・民主労総の代表が初めて参加。3労組と共に組合旗をなびかせて銀座をデモ)

(写真 08年のメーデーに、ILWUがイラク戦争反対を訴えて米西海岸の29港湾を封鎖。この闘いにイラクの港湾労働者もストで応えた)

(写真 大統領パククネを労働者民衆の闘いで打倒した16年「ろうそく革命」の渦中にソウルで開催された11・12労働者大会に動労千葉が参加)


 11・19全国労働者総決起集会は、日本のみならず世界各地から闘う仲間が結集する国際反戦大集会だ。ウクライナ戦争、中国侵略戦争、そして米帝=イスラエルによるガザ侵攻という形で戦争が火を噴く中、自国政府―帝国主義を打倒し世界戦争の危機をプロレタリア世界革命へと転化する国際反戦闘争の爆発こそが求められている。2003年以来、動労千葉が米韓をはじめ世界各地で闘う労働者・労働組合との間で豊かに発展させてきた国際連帯の真価を今こそ発揮するときだ。東京とソウルを結ぶ国際共同行動として11月訪韓闘争―11・19労働者集会の大成功をかちとり、全世界の労働者に国際反戦闘争の呼びかけを発しよう。

反戦を貫き連帯の絆結ぶ

 アメリカ帝国主義の大没落と世界支配の崩壊はウクライナ、台湾、朝鮮半島、そして中東パレスチナを火点に世界戦争へと転化している。米帝=イスラエルによるガザ侵攻―パレスチナ人民への虐殺に対して全世界で労働者階級の怒りの決起が巻き起こる中、帝国主義戦争としてのウクライナ戦争の本質も日々明らかになっている。
 帝国主義戦争が社会をのみ込む一方で巻き起こる戦争反対の闘い----反動と動のせめぎ合いの中で、労働運動は歴史的な分岐点にある。11・19集会はまさに歴史の帰趨(きすう)を決するものとなる。動労千葉、全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部、全国金属機械労組港合同の3労組は「特別な決意を込めて」今年の11月集会を呼びかけている。世界戦争を阻止し、帝国主義戦争を国際的内乱へと転化する闘いを実現すること、この闘いの中心を担う階級的労働運動をよみがえらせることに、日本と全世界の労働者階級の未来がかかっている。
 帝国主義戦争絶対反対を基礎とする20年間の国際連帯闘争は、まさにこの時のために闘われてきた。
 03年イラク戦争を起点とするこの20年間は、世界的規模での新自由主義の全面展開とその崩壊過程そのものとしてあった。帝国主義戦争の爆発と並行し、各国で徹底的な労働運動破壊とそれを通じた労働者階級の階級性解体攻撃が進められてきた。こうした中で11月労働者集会は、戦争と民営化に突進する日米帝国主義―自国政府との対決を貫く国際連帯を営々と発展させてきたのだ。
 この国際連帯は労組幹部の形式的な交流ではなく、日々自らの職場で格闘する現場労働者どうしの互いの実践への共感と信頼を基礎に構築されてきたものだ。双方の労働者がこれを通じて帝国主義こそが共通の敵であることをつかみ、階級意識を鮮明にしてきた。そこで得た教訓は現場での闘いを推進する力となった。
 中でも、日本労働者階級にとって全国民主労働組合総連盟(民主労総)に代表される韓国労働者階級との国際連帯は特別な意味をもつ。侵略と戦争で朝鮮・中国をはじめアジアの人々を踏みにじり、今なお差別と排外主義をあおり立てる日帝と対決し、二度と戦争を許さないために、かつての宗主国と植民地という極限的な分断を乗り越えて階級的に団結してきたことは世界史上類例のない地平だ。
 同時に11月集会陣形は、在日朝鮮人・中国人、そしてミャンマー人やクルド人など在日外国人労働者とも連帯してきた。日帝が植民地支配と戦争を通じて構築した入管体制の解体は国際連帯闘争の大きなテーマだ。外国人組合員とともに資本と闘う労働組合の運動も各地で前進している。
 こうした豊かな闘いの中で、ドイツ、ブラジル、トルコ、中国、台湾、イタリア、フィリピンなど世界各地で闘う労働組合との交流と連帯が切り開かれた。とりわけ11年3・11福島第一原発事故以降急速に発展したドイツの反核運動との連帯は、福島現地―日本全国での反核・反原発闘争を前進させる力となってきた。
 20年間の蓄積の一切を11・19集会に結実させ、帝国主義戦争を国際的大反戦闘争・革命的内乱へと転化する突破口を切り開こう。

戦争に反対し闘う米労組

 労働運動の戦争翼賛化との対決、反転攻勢がアメリカで始まっている。全米で最も戦闘的な組合とされてきた国際港湾倉庫労組(ILWU)本部が昨年3月、ウクライナ戦争を受けて「ロシア船・ロシア貨物の荷役拒否」という声明を出した。この重大な転向の危機に対して、ランク&ファイル(現場組合員)派は昨年10月、カウンターパンチ誌上に連名で「ILWUは米・北大西洋条約機構(NATO)の戦争に反対すべきだ」という批判文を公開し次のように訴えた。 「われわれは国内での階級闘争と国外での戦争に直面している」「ILWUの階級敵である自国政府と闘うべきだ」「アメリカが2014年のウクライナでのクーデターを主導し、オデッサの労組会館焼き討ち・虐殺を行い、ドンバスで1万5千人の住民を殺害した」「シオニストによるパレスチナ人虐殺と闘ってきた国際港湾労働者協議会と共に軍事物資を止めよう」
 この中心メンバーは03年11月集会に参加して以来、動労千葉と連帯してきたヘイマンILWU第10支部元執行委員、ミヤシロ第34支部元書記長、シャンクリン同元委員長らであり、それにマクウィリアム元本部委員長らが加わっている。
 11月の国際連帯は03年のイラク反戦闘争から始まった。この時、戦争開始に対して72時間ストで闘った動労千葉と、米オークランド港の反戦ピケットを警官隊の襲撃から守った第10支部執行委員ヘイマン氏らという、国家権力と真っ向から闘う者どうしの信頼が出発点となったのだ。08年5月1日にILWUはアフガニスタン・イラク反戦を掲げて西海岸の全港湾を封鎖した。これは動労千葉も参加した前年の反戦国際会議の討論に基づき実行された。
 また、07年には軍産複合体の拠点ロサンゼルスで学校での募兵反対を貫いてきたアーリーン・イノウエ氏と日本での「日の丸・君が代」反対闘争が結合し、ロサンゼルス統一教組(UTLA)との連帯が始まった。交通運輸、教育という戦略職場の国際連帯は、戦争を実力で止め内乱に転化する展望を開いている。

民主労総ゼネストと連帯

 世界戦争情勢下、日韓労働者の共闘が決定的に重要だ。今年11月、動労千葉と民主労総ソウル地域本部との日韓国際交流事業が20周年を迎えるにあたり、ソウル本部の提案を受け「戦争危機、福島核汚染水海洋放出、反民主・反民衆の動向に突き進む韓日両国および世界情勢を展望し、これに立ち向かう労働者の国際連帯の方向性を討論する」場が準備されている。
 保守反動ユンソンニョル政権の労組破壊攻撃と闘う民主労総は7月にユン政権退陣を掲げた40万人のゼネストを闘い、9月14〜18日には全国鉄道労組がストライキに決起。全面的な鉄道民営化に向かおうとする動きに先制打を打ち込んだ。さらに公共運輸労組も共同ストを構えている。
 民主労総が7月ゼネストのスローガンに「日本の核汚染水海洋投棄反対」を掲げ、日本の労働者に共闘を呼びかけたことは日本での闘いの大きな力となった。

国際共同行動通じ交流・団結深める

 韓国・民主労総は95年11月、独裁政権下で激しい弾圧を食い破って生まれた民主労組が集まり、既成の韓国労総に代わる新たなナショナルセンターとして旗揚げした。2003年に日本での8・15集会に参加し、動労千葉が国鉄分割・民営化とストで闘って解雇者を出しながら団結を守り、イラク戦争反対を貫いていることを知ったソウル本部のキムチャンソプ副本部長が「日本の労働運動は死んでいなかった」と動労千葉の闘いに信頼を寄せる。以来、11月労働者集会と韓国のチョンテイル烈士精神継承11月労働者大会を軸に交流が続き、16年11月には220人の動労千葉訪韓団が米独の派遣団と共にパククネ政権退陣を叫ぶろうそく革命に参加。以降、11月の一連の闘争は「東京とソウルを結ぶ国際共同行動」として開催されてきた。
 また、動労千葉とソウル本部が継続してきた「理念交流」も、双方の階級的労働運動を発展させる糧となった。この蓄積の上に、米日韓軍事同盟を粉砕する闘いに打って出るときだ。

自国政府うち倒す闘いを

 11・19全国労働者総決起集会は、帝国主義による世界戦争・核戦争―第3次世界大戦の危機を、国際反戦闘争の高揚と世界革命に転化していくための歴史的闘いにせり上がった。
 米日韓軍事同盟強化が急速に進む中、米日韓労働者階級の国際連帯は中国侵略戦争―世界戦争を阻止しアジア革命--世界革命を切り開く根源的な力となる。米日韓軍事同盟に反対を貫きゼネストで闘う民主労総をはじめとする韓国労働者階級の闘いに応え、日本でも巨万のゼネストを実現できる労働運動を復権しよう。
 そのために、湧き上がる労働者階級の怒りを誰がどこに向けて組織するのかが問われている。戦時下のインフレ・生活破壊に対して全世界で歴史的な規模のストが巻き起こる中、岸田を大会に招待した連合に象徴されるように「国益」に屈服する既成労組指導部のもとで階級闘争圧殺と挙国一致体制構築が狙われている。戦前に労働組合が弾圧に屈して自ら解散し、産業報国会が帝国主義戦争の先兵となった歴史を絶対に繰り返すわけにはいかない。
 中国侵略戦争を阻止するために、激化する排外主義・愛国主義との対決がますます決定的だ。敵は国内にいる。銃を向けるべきは他国の労働者階級ではなく自国の支配階級だ。戦争絶対反対を戦後の出発点としてきた日本労働者階級の誇りにかけて国際連帯を貫き、「第2インター崩壊」情勢を突き破る反戦闘争を爆発させよう。全世界で湧き上がる怒りと労働運動の高揚の中から、戦争を進める自国政府と真正面から対決する階級的な闘いを何としてもつくり出そう。
 国境を越えて団結した労働者階級の闘いこそが戦争を止め、社会を変える力だ。勝利の道は、反戦闘争を軸に据えた階級的労働運動を現場で実践し守り抜いてきた11月集会陣形の闘いの中にある。11・19集会を世界にとどろく国際反戦大集会としてかちとろう。

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