杉並区議会 ガザ虐殺弾劾 洞口区議が追及 10・7蜂起は民族解放の血叫びだ イスラエルへの加担は許さない

週刊『前進』04頁(3322号03面02)(2023/12/04)


杉並区議会
 ガザ虐殺弾劾 洞口区議が追及
 10・7蜂起は民族解放の血叫びだ
 イスラエルへの加担は許さない

(写真 洞口朋子区議【左から2人目】は、日々腐った議会と対決しながら反戦闘争の最先頭で奮闘し、多くの青年と団結して11・19集会後のデモに出た【東京都千代田区】)

 11月16日、杉並区議会第4回定例会で洞口朋子区議が一般質問を行った。「10・7蜂起はイスラエルと帝国主義の侵略と虐殺行為に対するパレスチナ人民の積もりに積もった怒りの爆発だ」「ガザ虐殺を『イスラエルの自衛権行使』だと支持している岸田政権と対決し、シオニストと帝国主義による侵略戦争を止めるために声を上げ、行動することが求められている」という渾身(こんしん)の訴えは議場を圧倒。答弁に立った岸本聡子区長は「ガザの事態を憂いているが、政府の対応に抗議する考えはない」という木で鼻をくくったような答弁を繰り返すのみだった。岸本区長のような立場こそがガザ虐殺を支え、帝国主義を後押ししている。目の前で起こっている歴史的な戦争犯罪について、杉並区議会で弾劾の声を上げたのは洞口区議だけだ。こうしたブルジョア議会をぶち壊し、パレスチナ人民の怒りと徹底的に連帯する洞口区議と共に行動しよう。洞口区議の一般質問の要旨を掲載します。(編集局)
 イスラエル軍によるパレスチナ・ガザ地区での大虐殺=ジェノサイドを徹底弾劾します。この百パーセント不正義の大量虐殺行為と無縁な「政治」など存在しません。「中立」的立場もありません。昨年2月のロシアのウクライナ侵攻を「プーチンの暴挙許すな」と非難していた政治家の多くがイスラエルのガザ虐殺には目をつぶっています。
 イスラエル軍による攻撃で、11月13日時点で1万1240人が死亡し、うち4630人が子どもだったとガザの保健省は報告しています。イスラエルは日夜にわたってガザを無差別空爆し、病院や学校、救急車や難民キャンプも攻撃しています。10月13日付のイスラエル諜報省の文書には「ガザ地区の民間人をエジプトのシナイ半島に移住させる」との計画が記されていたことが明らかになりました。「新たな中東」をつくると宣言するイスラエル政府はガザ地区の存在すら認めず、消し去ろうというのです。これが「自衛」の名のもとに正当化されていいことなのでしょうか?
 米欧日の政府はこの大虐殺を擁護し続けています。断じて許すことができません。イスラエルによるガザ地区での大虐殺行為について区長の見解を伺います。
 シオニストとアメリカ帝国主義によって1948年に一方的にイスラエル「建国」が宣言されてから75年。パレスチナ人民は数百万人が難民とされ、生活、仕事、故郷、家族、人生のすべてを暴力的に奪われ続けてきました。「10・7蜂起」はこの侵略行為に対する積もりに積もった歴史的な怒りの爆発であり、民族解放を求める血叫びであり、シオニスト打倒―帝国主義打倒の闘いでした。パレスチナ人民の苦難に満ちた歴史と真剣に向き合うならば、「暴力の連鎖」や「宗教対立」などの構図で本質をごまかすのではなく、帝国主義とシオニストによる中東侵略・占領支配を終わらせるべく声を上げ、行動すべきです。

ジェノサイドを支持する日本政府

 上川陽子外相のイスラエル訪問や主要7カ国(G7)外相会合で、日本政府が「イスラエル国民との連帯」を公言したことについて区長の見解を伺います。
 全世界が見ている中でなぜジェノサイドがまかり通っているのか。それは、アメリカや日本をはじめG7の帝国主義が「イスラエルの自衛権」の名で公然と支援しているからです。
 11月7〜8日に東京都内で開かれたG7外相会合後の記者会見で、アメリカのブリンケン国務長官は「G7はイスラエルの自衛の権利と義務に対する確固たる支持を再確認した」と述べました。これこそが上川陽子外相が議長として取り仕切ったG7外相会合の最大の「成果」であり、日本政府はパレスチナ人民圧殺の主体なのです。米欧日の支配階級は吐き気のする偽善的姿勢で「平和」や「人道」を語りながら、イスラエルの大虐殺を支えています。帝国主義者にとっては何万何十万のパレスチナ人民が虐殺されようが何の問題でもないのです。世の中とは何かを知る前に死に直面する子どもたち、目の前で子どもたちが殺されていく母親たち、苦しみの中にある人民には何の関心もないのです。これがアメリカ帝国主義が主導する「国際社会」の姿です。
 バイデン大統領は10月19日、大統領執務室から米国民向けに演説し、ウクライナとイスラエルを支援することは「賢い投資」と言い放ちました。ウクライナ・ゼレンスキー大統領も「イスラエルの自衛権支持」を表明し、ウクライナ戦争が帝国主義戦争であることを隠そうともしません。
 日本も安倍政権以来、イスラエルと「防衛技術協力」を推進し、無人機やF35戦闘機など先端軍事技術の共同開発・研究を進めてきました。今年3月に千葉県で開かれた武器見本市にはイスラエルの兵器メーカーが14社参加し、イスラエルの主要軍事企業「エルビット・システムズ」と、防衛省と多くの取引を行う伊藤忠グループの企業「伊藤忠アビエーション」などが契約しました。日本はイスラエルによるパレスチナ人民虐殺に深々と加担し、その手は血塗られています。

パレスチナ連帯の闘いは世界に拡大

 首長として「イスラエルの虐殺に加担するな」と岸田政権に抗議すべきです。区長の見解を伺います。
 世界各地でのイスラエル弾劾―パレスチナ連帯の行動は日増しに拡大しています。「人権」や「民主主義」を語ってイスラエルのジェノサイドを支持する米欧帝国主義への怒りが全世界で拡大しています。とりわけ、アメリカ帝国主義によって絶えず戦火にさらされてきた中東・北アフリカ諸国で抗議行動が巻き起こり、イギリスやドイツでもパレスチナ人民との連帯行動を禁圧する自国政府と対決して人々が集まり、ロンドンでの反戦デモは11月11日には過去最大規模の30万人に拡大しています。フランスでもパレスチナ難民を先頭に数千人規模のデモが繰り返し闘われています。先頭には青年・学生が立ち、何度逮捕されても不屈に立ち上がっています。
 パレスチナの労働組合は戦火の中から世界の労働組合に緊急要請を発し、イスラエルとの武器取引を停止させる行動を起こすよう呼びかけました。トルコやイタリア、ポーランド、ベルギーなど各国の労組が続々とパレスチナ連帯の声を上げ、「イスラエルを支援するな!」と訴え、自国政府や企業を弾劾しています。
 まず何よりも、シオニストと帝国主義による侵略戦争を止めるために声を上げ、行動し、イスラエルを支援する自国政府と闘うことこそが帝国主義足下の労働者階級、自治体と議会に求められています。
 日本の岸田首相は10月23日の臨時国会での所信表明演説でペテン的に「減税」を叫びましたが、実際には「5年で43兆円」の大軍拡のために増税をしようとしています。そして改憲を「先送りのできない重要な課題だ」として、国会発議に向けた「改憲条文案の具体化」にも言及しました。憲法に自衛隊が明記されれば、杉並区が協力している自衛官募集業務も自治体の義務となり、戦争動員態勢に組み込まれていくことになります。
 9条改憲について、区長の見解を伺って質問を終わります。
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