焦点 北朝鮮の衛星発射 朝鮮半島危機の元凶は米日帝だ

週刊『前進』04頁(3322号03面03)(2023/12/04)


焦点
 北朝鮮の衛星発射
 朝鮮半島危機の元凶は米日帝だ


 イスラエルによるガザ大虐殺を「自衛権の行使」と擁護する岸田政権は、同じく「自衛のため」と称して中国侵略戦争に向けた日米共同訓練の拡大、南西諸島への自衛隊配備などを次々と強行し、ついには鹿児島県屋久島町沖での米軍オスプレイ墜落の大事故を引き起こした。すでに支持率急落で政権崩壊寸前の危機に追い込まれている岸田は、中国や北朝鮮の「脅威」を今まで以上にあおり立て、大軍拡・戦争への道をますます凶暴に突き進もうとしている。
 11月21日、北朝鮮が事前に予告していた軍事偵察衛星の打ち上げを行うと、岸田政権は「待ってました」とばかりに全国瞬時警報システム(Jアラート)を沖縄県に発令、「ミサイル発射。ミサイル発射。北朝鮮からミサイルが発射されたものとみられます。建物の中、または地下に避難して下さい」とけたたましく警報を鳴らした。だが米軍と韓国軍は、北朝鮮からの発射物が地球の周回軌道に入ったことを早々に発表し、発射物がミサイルではなく人工衛星だったことを認めた。にもかかわらず日本政府とマスコミは「ミサイル発射」のデマ報道を訂正もせず、その後も一方的な北朝鮮非難の大合唱を繰り広げたのである。
 そもそも、仮に弾道ミサイルの発射実験が行われたとしても、宇宙空間を飛ぶミサイルからの「落下物」など問題にもならない。それとは比較にならないほど住民の命を脅かしているのは、航空法が規定する安全高度の最低限度(地上150㍍)をはるかに下回る地上60㍍もの超低空飛行を常態化させ、実際に危険物の落下事故を繰り返してきた米軍の方である。このことは、今回のオスプレイ墜落事故で完全に証明された。

米韓共同で「核作戦」も

 何より今回の衛星発射は、核兵器搭載可能な米原子力潜水艦の42年ぶりの韓国寄港(7月)、過去最大規模の米韓演習(8月)、戦略爆撃機B52を投入した日米韓3カ国による初の合同空中演習(10月)といった、一連の軍事重圧の強化と戦争挑発に対する北朝鮮の対抗措置にほかならない。しかも韓国・ユンソンニョル政権は、2018年にムンジェイン政権(当時)が北朝鮮との間で「南北の軍事境界線一帯での偵察・監視活動や軍事演習の禁止」などを取り決めた「9・19合意」を一方的に破棄することも公言してきた。11月13日にソウルで行われた米韓国防相会談でも新たな戦略文書に調印し、米韓軍事演習の拡大などに合意。これとは別に調印された「米韓同盟国防ビジョン」では、「有事の際、米国の核作戦に対する韓国の通常支援を共同で企画、実行できるよう努力する」と明記し、核兵器を搭載した米軍の戦略爆撃機を韓国軍が護衛するなど、核攻撃のための具体的な共同作戦能力を構築することを確認した。
 そして今回の衛星発射を受け、日米韓は11月26日から韓国・済州島沖で米原子力空母「カール・ビンソン」を投じた共同訓練を強行、ユン政権は「9・19合意」の一部効力停止に踏み切ったのだ。

民主労総と共に闘おう

 朝鮮半島の軍事的緊張を高め、実際に戦争の危機をつくり出しているのは米日帝国主義だ。韓国・民主労総は11月22日付の声明で「9・19合意を停止し朝鮮半島での戦争のリスクを高めるユンソンニョル政権は退陣せよ」と弾劾した。民主労総と連帯し、東アジアの戦争を阻む巨大な反戦闘争を日本から巻き起こそう。
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