焦点 破産寸前の大阪万博 費用膨張し「中止しろ」の声噴出

週刊『前進』04頁(3323号03面03)(2023/12/11)


焦点
 破産寸前の大阪万博
 費用膨張し「中止しろ」の声噴出


 大阪・関西万博は日本帝国主義の没落と破産の象徴になっている。パビリオンの建設は遅れに遅れ、2025年4月13日の開会予定日に間に合わせることさえ絶望視される惨状だ。
 開催費用も天井知らずに膨張した。当初1250億円とされていた会場整備費は1・9倍の2350億円になった。さらにパビリオン「日本館」の建設費など国の負担が約837億円になることも判明した。会場警備費200億円も国の負担だ。会場の夢洲(ゆめしま)にアクセスするための地下鉄や道路の建設費約1千億円も公費でまかなう。それは結局、税金として労働者人民にのしかかる。
 万博反対の声が噴出する中、岸田は「開催延期はない」と言い、大阪の府・市政を牛耳る維新の会は「絶対にやめない」と叫ぶ。それが生活苦にあえぐ労働者人民の怒りをさらにかきたてている。
 万博の誘致は15年12月、当時の大阪府知事・松井一郎と大阪市長・吉村洋文、前大阪市長・橋下徹が、首相・安倍晋三と官房長官・菅義偉との酒席を設けて決められた。安保戦争法を成立させた安倍は、維新を取り込んで改憲・戦争に突き進もうとたくらんだのだ。

公金を使い賭場を整備

 大阪万博はカジノ誘致と一体だ。政府や維新は「統合型リゾート(IR)」というペテン的な名称を使うが、それは国家公認の賭場・ばくち場だ。民衆をギャンブル漬け・借金まみれにさせて資本に大もうけをさせ、そのおこぼれで税収増を図るなどというのは、新自由主義の崩壊過程で生み出された末期的・破滅的な政策だ。
 夢洲は廃棄物の処分場として使われてきた埋め立て地だ。地盤は軟弱で沈下対策や土壌汚染対策をしなければ使えない。だが維新はその広大な用地にカジノを造ると計画した。その後に決まった万博の誘致は、地盤対策や電気・上下水道・交通などのインフラ整備に必要な膨大な費用を公金でまかなえるようにすることが目的だ。
 岸田政権は4月に夢洲のIR整備計画を認定し、大阪府・市は9月、アメリカのIR事業者MGMリゾーツ・インターナショナルやオリックスが出資する大阪IR株式会社と開業に向けた実施協定を締結した。その契約では、事業者の初期投資額が予定を上回った場合、事業者は違約金を払わず撤退できると規定された。市がIR事業者から受け取る年間25億円の用地賃貸料は、不当に安く設定された。IR事業者は30年開業を目指し12月から地盤の液状化対策工事を始めたが、その費用は大阪市が負担することも契約に入った。資本はリスクを負わず、負担は市民に押し付けられるのだ。

日帝の「威信」うち砕け

 カジノと一体の万博は「いのち輝く未来社会のデザイン」という歯の浮くようなテーマを掲げる。
 だが、万博を推進する岸田や維新、財界はイスラエルによるガザ大虐殺を支え、中国侵略戦争で人民を戦場に投げ込もうとしている連中だ。公的医療を破壊し、コロナ感染で膨大な数の人命を奪ったのは「身を切る改革」を叫ぶ維新だ。
 全国金属機械労組港合同などの労働組合は住民と連帯してカジノに反対して闘い、今、反戦闘争の先頭に立っている。この闘いをさらに大きくすれば、万博を中止に追い込むことはできる。岸田と維新への怒りを解き放ち、万博にかけた日帝の「威信」を粉砕してこそ、労働者人民の未来は開ける。
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