3・31芝山現地闘争へ 成田空港の出撃基地化阻止を

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週刊『前進』04頁(3335号04面01)(2024/03/11)


3・31芝山現地闘争へ
 成田空港の出撃基地化阻止を

(写真 「空港機能強化粉砕」を訴え第3滑走路予定地内の菱田地区をデモ【2月28日】)


 三里塚芝山連合空港反対同盟が呼びかける3・31芝山現地闘争に大結集しよう。三里塚は日本帝国主義の戦争を阻む闘いの最前線に位置している。「空港絶対反対、農地死守・実力闘争」の原則を貫き、国策としての軍事空港建設を阻んできた三里塚闘争の地平を発展させよう。「連帯し、侵略を内乱へ」の闘いの爆発の中で、市東孝雄さんの南台農地を実力で守り抜く分厚い隊列をつくり出そう。空港機能強化を粉砕し、第3滑走路建設を阻止しよう。全国の「改憲・戦争阻止!大行進」運動の中心課題に三里塚をすえて闘おう。

軍事利用阻む三里塚闘争

 成田空港の拡張を阻む闘いは、中国侵略戦争へ向けた兵站(へいたん)基地化・出撃拠点化を直接に粉砕する闘いだ。
 浜田靖一防衛大臣(当時)は2022年12月、国会答弁で「軍事利用に制限がある民間空港」として成田と沖縄県下地島空港を名指しし、自衛隊が平時から使えるよう制約を取り払う意志をむき出しにした。軌を一にして米シンクタンク戦略国際問題研究所(CSIS)は23年1月、米中開戦の机上演習の報告書を発表し、公共インフラ(空港・港湾)の軍事使用を要求した。その中で「地元の政治的反対が平時において日本の民間空港の使用を阻害する可能性があり、戦時にもそうなりうる」と「地元の反対運動」への敵対を明記した。まさに三里塚が対象化されているのだ。
 報告書では、嘉手納、岩国、横田、三沢の各米軍基地が攻撃されることを想定した上、「民間の国際空港」の使用を掲げている。
 岸田政権は、「台湾有事」を想定した国家安保戦略に基づく「公共インフラ整備計画」で、具体的に沖縄県の新石垣空港と那覇空港、鹿児島空港、宮崎空港、高知空港などの滑走路の延長を打ち出した。そして実際に昨年11月の3自衛隊統合演習で、民間空港である岡山、大分、徳之島、奄美、石垣の各空港で初めて戦闘機を発着させた軍事訓練が強行された。
 民間空港の中でも成田の位置は特別だ。4000㍍のA滑走路に加え、機能強化によってB滑走路延伸と第3滑走路(C)新設で3500㍍が2本、さらに周辺も含めた巨大貨物基地建設も狙われている。戦時の物資・人員受け入れ施設となることは明白だ。
 また岸田政権は2月27日、「食料・農業・農村基本法」改悪と「食料供給困難事態対策法」(新法案)を閣議決定した。「食料安全保障」を叫び「有事の食料増産」を農民に強制する法案がついに姿を現した。

市東さんの南台農地守れ

 反対同盟員・市東孝雄さんの天神峰農地に対する昨年の2・15強制執行は、日帝・岸田政権の喫緊の課題として、反戦の砦(とりで)=三里塚闘争の解体がせり上がっていたからこそ暴力的に進められた。
 成田空港会社(NAA)は「あらゆる意味で強制的手段は用いない」との社会的誓約を踏み破り、半世紀ぶりに農地を機動隊の暴力で奪うという暴挙に及んだ。しかし反対同盟と全学連をはじめ支援の部隊は、夜陰に乗じて襲いかかる機動隊に怒りを爆発させ素手で立ち向かい、酷寒の中を12時間以上闘いぬいた。
 翌日から市東さんは営農再建を進め「闘魂ますます盛んなり」と先頭に立っている。市東さんの闘魂をくじいて反対同盟をつぶすという敵の狙いは完全に粉砕されたのだ。
 1年を経て、市東さんの南台農地(B滑走路の誘導路を「へ」の字に曲げる)をめぐる決戦が目前に迫ってきた。NAAが市東さんに「不法耕作」の汚名を着せ、南台耕作地の明け渡しを求めて06年に提訴した耕作権裁判が大詰めを迎えている。法廷ではNAAの文書偽造などの違法・脱法が暴かれてきた。人証調べは3月18日の市東さん本人と現闘員を残すのみとなった。裁判勝利へ全力で闘いぬき、今度こそ市東さんへの農地強奪強制執行を労農学の実力で阻止しよう。

中国侵略への機能強化策

 反対同盟と支援の仲間は2月28日、「空港機能強化粉砕!」を訴えて、B滑走路北延伸工事の現地調査と第3滑走路予定地内の菱田地区のデモを闘いぬいた。機能強化は軍事空港化へ向けた凶暴な攻撃であると同時に、空港の破綻的現実をあぶりだしている。
 NAAが機能強化と一体で進める「『新しい成田空港』構想」(①三つのターミナルを統合、②鉄道など輸送網の再編・増設、③新貨物地区の建設)では、「経済安全保障上も重要な拠点としてその使命を果たす」と、政策の理念に初めて「経済安保」を掲げた。
 さらに田村明比古NAA社長は、空港拡張の必要性について「地政学的な位置、北米アジアを結ぶ結節点であり、首都圏に人と物のハブがあるのは我が国にとって非常に重要」と述べ、地政学=軍事的観点からの必要性を強調した。
 一方、成田は現在深刻な人手不足に陥っている。グランドハンドリング(航空機の誘導、貨物の積み込みや搬出などの地上業務)という航空輸送に決定的に重要な部門で、不規則労働と低賃金により労働者が不足し、路線拡大や増便にまったく応じられない状況だ。
 管制官の問題も深刻だ。05年以来10年以上にわたって管制官の数は増えないのに、LCC(格安航空会社)をどんどん参入させ、「観光立国」政策で新規就航便の着陸料を無料にするなどして無理やり需要を生み出した。その結果、現役の管制官が「隣のミスに気づいても指摘する余裕がない」ほどの過酷な労働を強いられている。1月2日の羽田空港での航空機衝突・炎上事故の再来は不可避だ。新自由主義がもたらした現実に怒りを燃やし、空港のど真ん中に闘う労働組合を打ち立てよう。
 機能強化への周辺住民の怒りが高まっている。芝山町では第3滑走路建設予定地として直接に地域が破壊され埋め立てられ、住民は移転を強いられる。そして実に町の7割以上の地域が早朝5時から深夜1時までの殺人的騒音にさらされる。茨城県稲敷市や横芝光町にも騒音激化への怒りが広がっている。夜間早朝の飛行差し止めを求めて騒音訴訟に立ち上がった住民と共に闘おう。
 3・31芝山町大デモで「機能強化阻止」の声をとどろかせよう。反対同盟が呼びかける空港拡張反対署名を集めよう。
(土屋栄作)

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三里塚耕作権裁判
 3月18日(月)正午 千葉市中央公園集合→市内デモ/午後1時45分開廷 千葉地裁

3・31芝山現地闘争
 3月31日(日)午後1時 芝山文化センターホール(千葉県山武郡芝山町小池973) 
 主催 三里塚芝山連合空港反対同盟

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