沖縄の怒り解き放ち中国侵略戦争阻止を 再びの沖縄戦を許すな 「復帰」53年集会 米兵の性暴力に怒り

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週刊『前進』04頁(3397号02面01)(2025/05/26)


沖縄の怒り解き放ち中国侵略戦争阻止を
 再びの沖縄戦を許すな
 「復帰」53年集会
 米兵の性暴力に怒り

(写真 中国侵略戦争が迫る中、「復帰」時以上に軍事要塞化が進み米兵の性暴力事件が相次ぐ沖縄の現実に怒りをたぎらせる基調報告に、参加者は聞き入った【17日 那覇市】)

 沖縄現地闘争初日の17日、「復帰」53年5・15沖縄集会が「米日の中国侵略戦争阻止! 沖縄をミサイル基地にするな! トランプも石破も倒そう!」を掲げて那覇市で開かれ、沖縄をはじめ全国から300人が結集した。集会は沖縄戦を二度と繰り返さないという固い決意と熱気に満ち、米兵の女性暴行、沖縄戦を美化する自民党参院議員・西田昌司らの暴言そして天皇訪沖を徹底弾劾し、全基地撤去・安保粉砕へ向かって団結をうち固めた。(基調報告、発言要旨は別掲)
 司会を務める沖縄コールセンター労組の仲宗根光洋委員長が「女性暴行事件が頻発しても政府は何も言えない。われわれこそが戦争を絶対に止める」と訴え、集会は始まった。
 元全軍労牧港支部青年部の宮城盛光さんが主催者あいさつを行い、激しく進む沖縄の戦場化への怒りを爆発させ、「私が基地で働いていた時も米兵による女性暴行があった。許すことができない! だから闘うんだ」と声を張り上げた。
 改憲・戦争阻止!大行進沖縄代表の赤嶺知晃さんが基調報告に立ち、沖縄が米日の中国侵略戦争の最前線に位置づけられているからこそ性暴力が急増していると指摘した。そして、ペテン的「復帰」から53年を経てもなお基地の島・戦争の島である現実に対し「今こそ中国侵略阻止、安保粉砕・全基地撤去を鮮明にして、トランプ・石破に渾身(こんしん)の反撃をたたきつけよう」と熱烈に訴えた。
 石垣島、宮古島で体を張って軍事要塞化を阻む闘いの動画が上映され、参加者は共に闘うことを誓った。
 沖縄の青年からは、反戦ストライキで闘う沖縄コールセンター労組の梶原健汰書記長が登壇、かつてない速度で進む中国侵略戦争への突入を阻止しようと訴えるとともに、運動内での女性差別と闘うからこそ米兵の女性暴行にも怒り闘うことができると確信をもって語った。
 動労千葉の佐藤正和副委員長は、中国侵略戦争に向けた労働政策の歴史的大転換攻撃と対決し、反戦闘争に立ち上がる決意を表明。
 大坂正明さん救援会事務局は、安保・沖縄闘争の爆発で大坂さんを奪還しようと訴えた(大坂さんのアピール全文は3面)。
 カンパアピールの後、東京の青年労働者と全学連が決意表明に立った。まず洞口朋子杉並区議が「目の前の戦争を止めることなくして性暴力をなくすことはできない」と発言。アブチラガマを見学したという青年は、凄惨(せいさん)な沖縄戦を二度と繰り返さないことを決意し東京で沖縄と連帯して闘うことを表明した。硫黄島で遺骨を収集している青年は、中国侵略戦争のために硫黄島に続き沖縄、広島、長崎を天皇が訪問することを弾劾した。全学連の亀井陽慧副委員長は全基地撤去・安保粉砕、中国侵略戦争阻止の闘いのみが沖縄の怒りと結びつくことができると訴えた。
 まとめを沖縄労組交流センターの松本未土さんが行い、5・15沖縄闘争から6月4、5日の天皇訪沖阻止を闘い、6・14全国闘争に攻め上ろうと訴えた。

怒り解き放つデモ

 集会後、右翼の街宣車による妨害をけちらし、国際通りのデモにうって出た。出発地点の沖縄県庁前では全学連や青年労働者が次々とマイクを握り、トランプ・石破への怒りをたたきつけた。デモは「沖縄を戦場にするな」「すべての基地を撤去するぞ」「米軍の性暴力を許さないぞ」などと訴え、にぎわう国際通りを前進。次々と沿道からの合流があり、高校生の一団も加わった。手を振りデモ隊と握手を交わす〝オバー〟の姿もあった。デモは沖縄の怒りを解き放ち、戦闘的にうち抜かれた。
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基調報告 
安保粉砕・全基地撤去へ
 改憲・戦争阻止!大行進沖縄代表 赤嶺知晃さん

 1972年5月15日のペテン的「復帰」から53年。沖縄は今や、米日帝国主義の中国侵略戦争の最前線に位置づけられ、「再びの沖縄戦」を強いられようとしている。そのもとで、米兵による凶悪犯罪と性暴力が急増している。トランプ・石破に渾身の反撃をたたきつけるものとして「復帰」53年5・15沖縄闘争を闘い、米日の中国侵略戦争を阻む安保・沖縄闘争の歴史的な大高揚を切り開こう!
 沖縄の戦場化が進められる中で、その矛盾の最大のあらわれが米兵による性暴力事件の続発だ。不正義の侵略戦争に突き進む帝国主義軍隊の腐りきった現実がここに示されている。この米軍による犯罪率の飛躍的な増加は、米日帝国主義が中国侵略戦争を決断していく過程と完全に一体のものである。トランプ・石破打倒、全基地撤去以外に解決はない。
 トランプは帝国主義支配を暴力的に維持・再建するために中国への侵略戦争に突き進もうとしている。重要なことは、日帝・石破政権自身が身を乗り出してこの戦争に参戦しようとしていることだ。絶望的危機を深める日帝は、ある意味で米帝以上に、中国侵略戦争を自らの戦争として積極的に強行しているのだ。
 この中国侵略戦争の最大の出撃基地とされようとしているのが沖縄だ。琉球弧の島々で、自衛隊も含めた基地建設・機能強化、大規模軍事演習の激増、空港・港湾・公道などの軍事利用の拡大が急ピッチで進められている。こうした中で、米軍犯罪が激化しているのだ。現在の段階でも住民への性暴力や軍隊内の性暴力が横行する米軍・自衛隊が、「防衛」といって中国との戦争に乗り出せば、中国人民を虐殺し、女性や子どもを襲撃することは明らかだ。戦前に日帝がおこなった中国人民への恐ろしい虐殺と性暴力を絶対に繰り返してはならない。
 中国侵略戦争阻止を闘うということは、日米安保同盟、そして沖縄の米軍基地や自衛隊基地が侵略出撃拠点にさせられている現実と全力で闘うということだ。戦争を止めるということは、戦争でしか延命できない自国政府を打倒するということだ。
 沖縄の闘いは、米軍基地と日米安保体制を絶えず揺るがしてきた。そこには、日米政府が圧殺することのできない沖縄の怒りがあるからだ! 沖縄労働者人民は60年代から、本土復帰闘争を米軍との非和解的な激突も辞さずに闘い抜いた。米軍基地付きのペテン的「沖縄返還」に対し、71年5月、11月と2度の全島ゼネストが闘われた。とりわけ、牧港支部青年部を先頭に全軍労が「一切の軍事基地撤去」を掲げて闘い、ペテン的「復帰」以降も牧青は基地内決起を何度も実現してベトナムへの米軍爆撃機の飛行を止めてきた。労働者が本気で決起した時には、世界一の米軍の軍事力すら無力化できるということを歴史に刻印したのだ。 この闘いに本土から応えるものとして、71年には星野文昭同志・大坂正明同志・奥深山幸男同志を先頭に11・14渋谷暴動闘争が闘われた。星野同志の獄死=国家権力による虐殺を許さず、今も権力の憎しみを一身にうけ、不当に拘留されている大坂正明同志を必ず奪還しよう! 5・15沖縄闘争の偉大な闘いを引き継ぎ、さらに発展させる安保・沖縄闘争をつくりだそう!
 6月4、5日には天皇の来沖が狙われている。80年前に国体護持のために沖縄を捨て石にして地獄の戦場とし、戦後アメリカに沖縄を売り渡した昭和天皇ヒロヒトの犯罪を完全に居直り、沖縄の怒りと闘いを圧殺しようとする攻撃だ。断じて許すことはできない。自民党参院議員・西田昌司が「ひめゆりの塔」の展示を「歴史の書き換えだ」と中傷したことは沖縄戦の歴史を解体する攻撃であり、天皇来沖に向けた地ならしだ。だが、沖縄の闘いをいまだに圧殺できていないことにこそ、米日帝国主義の最大の弱点がある!
 昨年の5・15闘争では辺野古での300人の座り込み闘争で工事用資材の搬入を阻止した。今年はさらに多くの仲間の座り込みで、辺野古新基地建設を阻止しよう! 石垣島や宮古島では「オール沖縄」の制動を打ち破り、自衛隊ミサイル基地建設に反対する実力の闘いが始まっている。今こそ「中国侵略戦争阻止」「日米安保粉砕」「全基地撤去」を鮮明に掲げ闘い抜こう!
 改憲・戦争阻止!大行進はこの1年間、社会に蔓延(まんえん)する女性差別の現実を本当に変えることのできる運動を実現するために激しい議論と変革を重ねてきた。運動内部での性暴力・女性差別を絶対に許さない運動体を今まさに実現しつつあるからこそ、米兵の性暴力に対しても心から怒りを爆発させて闘い抜くことができる。開始された変革を押しとどめることなく、女性・青年・学生の大隊列を実現し、日米安保粉砕・全基地撤去を勝ち取ろう! 沖縄闘争の成功から6月4、5日の天皇来沖阻止の決戦を闘い、首都・東京での6・14全国集会&大行進へと攻め上ろう!
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5・15沖縄集会の発言

主催者あいさつ
沖縄売り渡した天皇来沖許さぬ
 元全軍労牧港支部青年部 宮城盛光さん

 沖縄地上戦から80年、サンフランシスコ講和条約から73年、沖縄を売り渡したのは天皇ヒロヒトだ! 許せない! 沖縄は何も変わっていない。むしろ戦争の状況が拡大している。勝連分屯地をはじめ琉球弧のミサイル基地化がどんどん進んでいる。しかし私たちは基地に反対し、軍拡に対する闘いをかちとっている。
 基地で働いている女性に対する米兵の暴行が起きている。私が働いていた時もそうした暴行事件はあった。何も変わっていないのです。許すことができない! だから闘うんだ!
 「ひめゆりの塔」をめぐる西田の発言や、それに同調する参政党・神谷の発言を許すことはできない。沖縄戦をなんだと思っているんだ!
 辺野古の基地も絶対許せない。沖縄にまた天皇が来る。これも許すことができない! 行動で態度で示そう。今日のデモから3日間、青年労働者・全学連先頭に闘っていきましょう!

まとめ 
沖縄踏みにじる帝国主義倒そう
 沖縄労組交流センター 松本未土さん

 「復帰」53年、この沖縄の基地と戦争の変わらない現実、そしてまたこの島がもう一度戦場になる、中国への侵略戦争が開始されようとしている、そのことへのものすごい怒りとして、本集会はかちとられていると思います。
 沖縄戦を経験し、基地と戦争を最も憎む沖縄がその犠牲になってきた。一日たりともこんなことを許してはいけない、そう闘ってきました。ところが今どうですか。帝国主義はその没落ゆえにもう一回戦争をやろうとしている。この沖縄を、そして中国を、アジアをもう一回戦場にしようとしている。だったらこんな帝国主義は倒さないといけないんじゃないですか。
 私たちは1972年の「復帰」の時に、本土も沖縄も一緒になって、そういった現実を絶対に変えてやるという思いで闘い、今日まで来ました。僕は「復帰」後の世代で、親はその闘いを学生時代にやりました。一緒にスクラムを組んでいたのが大坂さんや星野さんです。僕はその意志を引き継いで闘っています。この闘いは人間が人間らしく生きられる、勝利の日まで続くものです。
 私たちはこの集会を右翼や権力の攻撃から守りきる、そしてこのかん運動内で発生した女性に対する性暴力、性差別を絶対に許さないという重大な決意をもってこの集会を闘いとっています。長年闘い抜いてきた労働者も防衛隊に決起しています。権力の攻撃、差別・抑圧に対して先頭で闘う、年齢は関係なく青年・学生と一緒になってスクラムを組む、これが新たな決起をつくりだすものだと決意して闘っています。
 私たちは性暴力を絶対に許しません。そういうものを払拭(ふっしょく)するために闘うことで、自分たち自身が差別も抑圧もない社会をつくっていく主体として立ち上がれると確信します。
 これから闘争はさらに激しくなります。沖縄はただちに天皇来沖絶対阻止の闘いに入ります。そして6・14全国闘争を、沖縄、全国を貫く安保・沖縄闘争として一緒になって闘っていこうではありませんか。

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