「ガザ更地化」狙い人民虐殺 イスラエル 西岸でも入植地拡大

週刊『前進』04頁(3400号03面03)(2025/06/16)


「ガザ更地化」狙い人民虐殺
 イスラエル 西岸でも入植地拡大


 イスラエル軍の5月18日以降の大規模侵攻により、パレスチナ自治区ガザで恐るべき大虐殺が続いている。ネタニヤフ首相は21日、「軍事作戦が終わる頃にはガザ全域がイスラエルの支配下に入る」と主張。25日には、2カ月以内にガザの75%を制圧する計画であることが報じられた。中国侵略戦争に向けて中東の早急な「平定」を狙うアメリカ帝国主義・トランプによる全力の後押しを受けて、イスラエルはガザの更地化・人民一掃へ大虐殺を推し進めているのだ。

住民200万人超の強制移住を計画

 イスラエル軍は「ガザを小さくすること」を目標とする大規模作戦で、北部ジャバリヤ以北と、南部ハンユニスの南に新設した「モラグ回廊」以南を支配下に置き、ガザ内側の幅1~2㌔メートルを「緩衝地帯」として住民を立ちのかせた。ガザの75%を占領し、残りの25%に200万人以上のガザ住民を移住させようとしているのだ。
 5月19日にはイスラエル軍が2カ月半にわたり停止していたガザへの支援物資搬入を再開したが、必要とされる量には遠く及ばず、人々は飢餓寸前の状況にたたきこまれている。
 こうした中でイスラエル軍は、「ガザ人道財団(GHF)」が設置した食料配給所を狙って攻撃を行い、5月26日の配布開始以来100人超が虐殺された。配給所はガザ全体で4カ所しかなく、うち3カ所は南部ラファに集中している。イスラエル軍は人々を南部に誘導し、配給所に殺到したところを狙って攻撃したのだ。食料支援を「武器」として活用することがイスラエルの狙いだった。
 そもそもこのGHFは米帝とイスラエルが主導し、米中央情報局(CIA)の関与のもとでつくられ、実務は米軍事会社に委託されている。ガザの広報当局はGHFの拠点を「死のわなだ」と非難している。
 イスラエルはヨルダン川西岸でも占領を進めている。ネタニヤフは5月29日、西岸に新たに22カ所の入植地建設を承認した。1993年のオスロ合意以来、最大規模の承認だ。西岸では入植者による攻撃が激化しており、国連によると昨年だけで1449件発生した。パレスチナ自治政府によると、ここ数年で30以上の集落が消滅し、323家族が家を追われた。

米、ガザ即時停戦決議で拒否権発動

 イスラエルの犯罪的暴挙の一切を擁護し、全力で支えているのが米帝だ。ウィトコフ中東担当特使は5月31日、米国の停戦案に対するハマスの回答について「全く受け入れられるものではない」と発言。6月4日の国連安全保障理事会では、即時停戦決議案に対して米国が第2次トランプ政権で初めて拒否権を発動し、決議案は否決された。
 武器見本市に20社のイスラエル企業を招き、最新兵器取得へ関係強化を図る日本帝国主義・石破も大虐殺の加担者・共犯者だ。
 この残忍極まる虐殺を「自衛」と称してはばからないのが帝国主義の正体なのだ! 今こそ全世界の闘う人民と連帯し、怒りの反戦闘争を爆発させよう。
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