米帝のイラン侵略戦争許すな 世界戦争情勢と徹底対決し反戦反核闘争へ総決起を!

週刊『前進』04頁(3401号04面01)(2025/06/23)


米帝のイラン侵略戦争許すな
 世界戦争情勢と徹底対決し反戦反核闘争へ総決起を!


 アメリカ帝国主義・トランプ政権によるイスラエルを先兵としたイラン侵略戦争が一気にエスカレートしている。イスラエルの空爆に事前にゴーサインを出したトランプは、17日にはホワイトハウスで国家安全保障会議(NSC)の会合を開いた直後、自身のSNSに「無条件降伏!」「イラン上空は完全に制圧した」などと投じてイランを恫喝した。18日には米軍のイラン攻撃計画をトランプが承認したことが米メディアに報じられた。この米帝・イスラエルのイラン侵略戦争の開始に全世界で怒りの声が巻き起こる中、日本における6・14反戦闘争―15国鉄闘争全国集会が、国家権力による戦時下の弾圧を敢然と打ち破ってかちとられた。帝国主義の打倒へ、中国侵略戦争・世界戦争を阻止する巨大な反戦反核闘争を今こそ巻き起こそう!

イスラエルが核施設爆撃

 6月13日にイスラエル軍がイラン国内の核関連施設など数十カ所を空爆(先制攻撃)し、軍幹部や科学者などを殺害して以後、18日までにイラン側の死者は224人に達した(イラン保健省発表)。イスラエルは、イラン国営放送局を爆撃するなど攻撃を激化させつつ、その一方でパレスチナ自治区ガザの全住民一掃を狙う大虐殺も継続している。9日にイスラエル首相ネタニヤフと電話会談していた米帝・トランプは、イラン攻撃について「事前通告」を受けていたことをメディアで明らかにした。トランプのゴーサインのもとで、米帝とイスラエルの事実上の「共同作戦」としてイラン侵略戦争が開始されたことは明白だ。すでに米帝・トランプは大型地中貫通弾(バンカーバスター)によるイランの地下核施設への攻撃を示唆しながら、米海軍の原子力空母「ニミッツ」を中東に向けて前倒しで派遣し、ステルス戦略爆撃機B2の出動も「真剣に検討」している。
 こうした中で、6月15~17日にカナダ・カナナスキスで開催された主要7カ国首脳会議(G7サミット)は、ウクライナ戦争をめぐる米帝と欧州帝国主義諸国との対立により共同声明の採択を見送る一方、イスラエルの先制攻撃によるイラン爆撃に対しては一致して「イスラエルの安全保障に対する支持をあらためて表明」「イランは地域の不安定な情勢とテロの根源」などと声明した。サウジアラビアなどアラブ・イスラム諸国21カ国の外相が共同で「国際法および国際規範に明らかに違反する、イスラエルの露骨な侵略行為を強く非難する」と声明するなど、イスラエルの暴挙に対して国際的な非難の声が広がる中で、G7に名を連ねる米欧日帝国主義こそが世界戦争を推進する最悪の戦争放火者であることが明らかとなった。
 一切は、歴史的没落と危機をとことんまで深めた米帝が、その世界支配を維持・再建するために中国の現体制を転覆する侵略戦争―世界戦争を決断し、具体的に動き出したことから引き起こされている。米帝・イスラエルによるガザ大虐殺に続くイラン侵略戦争も、その一環にほかならない。
 日本帝国主義・石破はG7サミットに合わせて行われた日米首脳会談で、中東情勢に一切言及できず、関税交渉でも米帝と合意できなかった。この状況に焦りを深めながらも、石破は中国侵略戦争の要として積極的に登場することに唯一の活路を見いだそうとしている。中国侵略戦争を阻止する反戦闘争、とりわけこの戦争の最前線に位置づけられ再び「捨て石」にされようとしている沖縄現地をはじめ、全国各地で反戦反基地闘争、安保・沖縄闘争の巨大な爆発をかちとることが、今や世界戦争・核戦争を阻む歴史的決戦へと押し上げられている。

世界で内乱的決起始まる

 G7サミットに続き、米欧日帝は6月24~26日の北大西洋条約機構(NATO)首脳会議で中国侵略戦争―世界戦争への動きをますます加速させようとしている。だがこれに対し、戦争と侵略・抑圧の元凶である帝国主義を打倒する全世界の労働者階級人民の内乱的決起も拡大している。
 6月14日に米ワシントンで6700人もの兵士を動員して行われた軍事パレードは、ファシストさながらの軍事クーデター的手段をもって自らの独裁を打ち立てようとしたトランプの狙いとは裏腹に、全米で労働者階級人民の怒りを爆発させる結果となった。
 パレードに動員された兵士たちのトランプに対する反感と士気の低さも浮き彫りにされた。「王はいらない!」を掲げた反トランプの闘いは全米2100カ所を超え、500万人が決起する大闘争となった。ニューヨークでは5万人が道路を埋め尽くし、ロサンゼルスでは20万人が、トランプが動員した州兵や海兵隊による弾圧をはねのけて闘い抜いた。
 2023年10・7パレスチナ人民の武装蜂起―民族解放・革命戦争と、全世界で巻き起こるパレスチナ連帯闘争、昨年12月「非常戒厳」を打ち破ってユンソンニョルを打倒した韓国労働者人民の闘いを先頭に、世界各国の労働者階級人民の闘いが、帝国主義とスターリン主義の世界支配を転覆するまでやむことのないものとして拡大している。
 日本での6・14―15闘争は、この開始された闘いに断固として応え、連帯し、勝利の展望を指し示すものとして闘われた。文字通り「世界戦争か世界革命か」の世界史的分岐点が到来する中で、日本階級闘争の飛躍をかけた新たな挑戦が始まったのだ。

青年・学生・女性の決起を

 6・14闘争では、全学連や青年労働者を先頭とした力強いスクラムデモに恐怖した警視庁機動隊が、違法・不当極まる「デモ規制」を行った。デモ隊の両脇から学生らの腕をつかんでスクラムを引きはがそうとするなど、凶暴極まる暴力をもって襲いかかってきた。とりわけアメリカ大使館に通じる道の前では、機動隊は文字通りデモ隊に向かって「突撃」を仕掛け、デモを破壊し蹂躙(じゅうりん)しようと試みた。だが、これは逆にデモ隊の怒りと戦闘意志に火をつけ、違法な暴力を繰り返す重武装の機動隊を実力ではね返す力を生み出した。
 これに完全に圧倒された機動隊は、許しがたいことに、女子学生に対して暴力を集中させるという暴挙に出た。1人の女子学生に機動隊員数人で襲いかかり、地面に引き倒してたたき伏せ、衣服をはぎ、逆さづりにして連行したのである。警察権力による性暴力そのものであり、「最も政治を奪われ絶望している青年・学生・女性たちの怒りを解き放つ運動体」(6・14集会基調報告)への飛躍をかけて先頭に立って闘い抜いている女性全体への襲撃である。絶対に許すことはできない! 女子学生が勾留されている警視庁湾岸署への抗議・激励行動に決起した女子学生・女性労働者は、次々と「こんな弾圧で私たちの闘いがつぶせると思うな! なめるんじゃない!」と怒りを爆発させている。この怒りと一体となって、不当逮捕された女子学生、さらに天皇訪沖弾劾闘争で逮捕・起訴された学生の即時奪還へ闘おう!
 6・15集会の基調報告で、動労千葉の関道利委員長は、中国侵略戦争阻止―差別・排外主義と対決する労働運動への飛躍をかけ、あらゆる困難を乗り越えて今年の11月集会の成功をかちとるために渾身(こんしん)のアピールを発した(2面に要旨掲載)。この訴えに全力で応えよう。
 既成政党が国家主義・排外主義を競い合う6・22都議選―7・20参院選を突き破り、青年・学生・女性の怒りを根底から解き放つ今夏反戦反核闘争の爆発をかちとろう!

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