大軍拡、排外主義を許すな 参院選反動と全面対決し反戦反核闘争の爆発へ!

週刊『前進』04頁(3403号01面01)(2025/07/07)


大軍拡、排外主義を許すな
 参院選反動と全面対決し反戦反核闘争の爆発へ!


 イラン爆撃を強行したアメリカ帝国主義・トランプ政権は、その「圧倒的軍事力」をふりかざして欧日帝国主義に対する争闘戦を激化させ、関税交渉での圧力を強めるとともに、米帝の中国侵略戦争―世界戦争に動員すべく軍事費の大幅増額を迫っている。欧日帝も米帝の要求に応じつつ、独自の大軍拡と戦争に突き進む以外にない。米帝基軸の戦後帝国主義体制の崩壊のもとで、帝国主義の基本矛盾の爆発とその世界戦争への転化という歴史的プロセスが激しく進行しているのだ。こうした中で始まった20日投開票の参院選では、自民党や参政党など天皇制極右ファシスト政党が国家主義と排外主義を競い合い、日本共産党スターリン主義がこれに全面屈服している。この大反動と激突し、7~8月反戦闘争の爆発をかちとろう!

世界戦争加速する大軍拡

 6月24~25日の北大西洋条約機構(NATO)首脳会議では、米帝トランプの主導で、各国の軍事費目標が既定の「国内総生産(GDP)比2%以上」から「同5%」へと引き上げられた。兵器調達などの「中核的防衛費」が3・5%、インフラや産業などの防衛・安全保障関連投資が1・5%で、合計して5%を2035年までに達成することが目標とされた。これに先立ち、NATOのルッテ事務総長はトランプに、「この数十年間、どの大統領も成し遂げられなかったことをあなたは達成するでしょう。欧州は大きな額を払うことになるが、それはあなたの勝利となります」とメッセージを送った。
 事態の本質は、米帝による中国侵略戦争突入と世界戦争が現実化する中、それが他帝国主義をも蹴落とす米帝の世界支配貫徹の争闘戦としてあることに欧州帝国主義諸国が震え上がり、遅れをとるなとばかりに一斉に大軍拡に踏み出したということだ。だが現状では、NATO加盟32カ国のうち9カ国は「2%」目標すら達成できていない。軍事費の対GDP比は、最も高いポーランドで4・12%、米国でも3・38%にとどまる(24年時点)。これを今後10年で2倍化、3倍化することは、世界戦争情勢をさらに急加速させると同時に、増税や社会保障解体で全矛盾を労働者人民に転化することになり、階級闘争の非和解的激化をもたらさずにはおかない。
 こうした中、トランプとイスラエル首相ネタニヤフが、パレスチナ自治区ガザからの住民排除を含む中東戦略に関する「基本原則」で合意したことが報じられた。7月1日にはトランプが「ガザ地区での60日間の停戦条件にイスラエルが同意した」と発表した。これはパレスチナ・中東の民族解放・革命戦争を血の海に沈め、徹底した侵略と虐殺で帝国主義支配を継続しようとするものだ。すでにガザの領域の82・6%が立ち入り禁止や避難命令地域となり、残る地域に追い立てられた住民がイスラエル軍による一方的なジェノサイドにさらされている。
 この暴挙の背景にあるのは、米帝・トランプのすさまじい焦りであり、イスラエルそのものの崩壊的危機である。これに対し、中東・パレスチナ、そして米本国をはじめ全世界の人民の抗議闘争がますます拡大していくことは不可避だ。

与野党を挙げて戦争翼賛

 激烈に進行する世界戦争情勢の中で、7月参院選は、日本帝国主義の中国侵略戦争突入に向けた大軍拡・戦争国家化を推し進め、これと一体で差別・排外主義の大宣伝を繰り広げる場になろうとしている。石破政権はトランプの関税戦争に締め上げられながらも、絶望的に改憲・戦争・大軍拡、そして労働者民衆の生活破壊に突き進もうとしている。既成の野党勢力はこれに何ら真正面から反対せず、むしろそのお先棒を担いでいる。他方、「日本人ファースト」を呼号する参政党のような極右ファシスト的勢力も登場し始めている。このような選挙に労働者民衆の未来はまったくない。自国政府と対決する荒々しい反戦闘争・実力デモの爆発こそが必要だ。
 とりわけ、戦争に突き進む日帝の最悪の先兵となっているのが日本共産党スターリン主義だ。日本共産党は、資本主義・帝国主義こそが戦争の元凶であることを否定し、労働者民衆の実力闘争に敵対し、「ルールある資本主義」の名のもとに階級闘争を現体制の枠内に押しとどめようとしている。6月東京都議選と参院選で日本共産党が全国配布するビラでは、一方で「アメリカ言いなりで大軍拡」「暴走トランプ政権」などと主張することで、日帝自身が戦争主体として積極的に登場していることを意図的に隠ぺいし、他方で「自立した外交へ」「対等・平等の日米新時代を開こう」として国益主義の立場からの「対米自立」を石破政権に要求している。中国侵略戦争情勢には一言も触れず、それどころかガザでの大虐殺も、米帝のイラン侵略戦争も、日米安保の大転換も、琉球弧の侵略出撃基地化も、まるで存在しないかのように消し去っているのだ。
 こうした既成勢力の裏切りと転向、戦争翼賛勢力化を踏みしだき、参院選反動を打ち破る今夏反戦反核闘争の荒々しい高揚を切り開こう。

7・7路線を貫き闘おう

 7月7日は、かつて日帝が中国全土への侵略戦争に突入する発端となった1937年盧溝橋事件から88年、また革共同が「闘うアジア人民・被抑圧民族人民と連帯し、日帝のアジア侵略を内乱に転化せよ」の総路線を打ち立てる契機となった「70年7・7自己批判」から55年となる。今、日帝が米帝とともに再び中国侵略戦争に突き進む中、あらためて日帝の侵略戦争とは何だったのか、7・7自己批判路線および「血債の思想」とは何かをはっきりさせることが求められている。
 31年9月18日の柳条湖事件に始まる中国東北部侵略戦争(「満州事変」)以来、日帝の侵略戦争は足かけ15年に及んだ。とりわけ、37年7月7日夜の日本軍と中国軍の盧溝橋付近での「衝突」を口実に中国への全面侵略戦争に突入して以降、日帝・日本軍は南京大虐殺をはじめ中国人民へのすさまじい虐殺と略奪、弾圧、強制連行、戦時性暴力などを繰り広げた。中国をはじめとしたアジア諸国への「天皇の軍隊」による残虐な侵略の歴史を、日本労働者階級は絶対にあいまいにしてはならない。
 「7・7自己批判」とは、革共同の70年安保・沖縄決戦に対して在日中国人民から「入管闘争の取り組みの不十分性」「抑圧民族としての立場の自覚の欠如」について批判され、それに対して差別的言辞で応えてしまったことへの自己批判である。革共同はそれを通して、日本労働者階級が侵略される側のアジア人民の立場に立ち、その現実の存在と闘いを措定し、学び、連帯することを、日本でのプロレタリア自己解放闘争、革命的共産主義運動の根幹に据えた。ここから「血債の思想」----すなわち、日本労働者階級が日帝の排外主義と侵略への動員攻撃に敗北し、アジア人民に塗炭の苦しみを負わせ、戦後も帝国主義の侵略と抑圧を許してきた「血の債務」を、自らの血を流して日帝を打倒する闘いで「弁済」する立場を確立した。
 日本労働者階級とアジア人民とのこの関係性は今も変わっていない。日帝を打倒する闘いに決起することのみが朝鮮・中国・アジア人民との真の国際連帯=団結の道である。戦後80年、今度こそ米日帝国主義の中国侵略戦争を始まる前に止め、帝国主義打倒の巨大な反戦闘争と国際的内乱をつくり出そう。青年・学生・女性を先頭にあらゆる弾圧をはね返し、7・12反戦反核闘争、7・19反戦闘争、そして8・6広島―8・9長崎闘争に総決起しよう。

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