8・6広島闘争に結集を トランプの原爆正当化許すな 核戦争の元凶=帝国主義倒せ 革共同広島県委員会

週刊『前進』04頁(3404号03面01)(2025/07/14)


8・6広島闘争に結集を
 トランプの原爆正当化許すな
 核戦争の元凶=帝国主義倒せ
 革共同広島県委員会

(写真 原爆ドーム前を実力で守り抜いた昨年の8・6広島闘争)


 被爆80年を迎える今夏8・6広島反戦反核闘争は、未曽有の世界戦争・核戦争情勢に立ち向かい、核と戦争の元凶である帝国主義の打倒に向かって道を開く歴史的決戦となった。中国侵略戦争に突き進むアメリカ帝国主義・トランプのイラン核施設空爆の暴挙、それを「広島・長崎と本質的に同じ」などと正当化した暴言を断じて許すことはできない。ヒロシマ・ナガサキを何度でも繰り返すという宣言であり、最末期帝国主義の凶暴で腐り果てた正体をまざまざと示すものだ。今こそ怒りも新たに核戦争絶対阻止の闘いに総決起しよう。全国から8・6広島現地に駆けつけ、被爆者・被爆2世・3世を先頭に原爆ドーム前集会を堂々とかちとろう。反核闘争破壊を狙う一切の弾圧を敢然と打ち破り、被爆地から全世界へ反戦反核の叫びを轟(とどろ)かせよう。

世界戦争阻む歴史的決戦

 6月21日に米トランプ政権が行った新型地中貫通爆弾「バンカーバスター」によるイランの地下核施設への爆撃は、放射能で周辺地帯を汚染し尽くすことも何ら気にかけず、ステルス戦略爆撃機B2をはじめ百数十機の軍用機を投入して強行された。他国に対して「核攻撃の予行演習」とも言うべき一方的な攻撃を加えた上に、トランプはこれを「一撃で戦争は終わった」「広島や長崎の例と本質的には同じだ」と述べて正当化したのだ。そして日本帝国主義・石破政権は、「イランの核兵器開発を阻止するという決意を示したものだ」として、即座にこれを全面支持した。
 今やトランプは一切の留め金を外して世界戦争に突進している。米日帝国主義を先頭にして、核兵器の実際の使用をも想定した中国侵略戦争・世界戦争(第3次世界大戦)の現実的プロセスが激烈な勢いで進行している。トランプの暴言はこれを傲然(ごうぜん)と居直り、広島・長崎への原爆投下と同じことを何度でも繰り返すと言っているのだ。広島・長崎では被爆者を先頭に激しい怒りの声が上がっている。今夏8・6広島―8・9長崎反戦反核闘争は、例年とは比較にならない歴史的決戦へと押し上げられた。
 日帝・石破政権は、5月30日~6月1日にシンガポールで開かれたアジア安全保障会議(シャングリラ・ダイアローグ)で、朝鮮半島から東・南中国海を一つの戦域(シアター)として中国との「有事」を構えるという「ワンシアター構想」を言い換えた「オーシャン構想」なるものを打ち出した。防衛相・中谷元は同会議で、「オーシャンのもとで各国が手を携え、ルールに基づく国際秩序の回復を図っていくべきだ。日本はその中心であり続けることを約束する」などと述べた。かつて第2次大戦においてアジア・太平洋全域を侵略戦争の戦火にたたき込んだ日帝が、戦後80年にして再びアジアを「戦域」とする構想を公然と打ち出したのである。7月1日に開かれた米日豪印4カ国(クアッド)外相会合でも、日帝のオーシャン構想の線に沿って共同声明が発出されている。
 この動きと完全に並行する形で、今年3月には元統合幕僚長の河野克俊、山崎幸二、元海上幕僚長の武居智久、元国家安全保障局次長の兼原信克らと元米国家情報長官・太平洋軍司令官のデニス・ブレアら日米の高官がハワイ・ホノルルで会合を開き、そこでまとめた提言で非核三原則の「持ち込ませず」を「(他国から)撃ち込ませず」に変えることを要求。6月2日に記者会見を行い、3月の会合を主催した笹川平和財団の名で政策提言として発表した。中国侵略戦争に向けた「核共有」=米軍の核兵器の日本への配備を迫っているのだ。
 こうした中で、6月には天皇が広島を訪問し、被爆者を先頭に不屈に闘われてきた広島の反戦反核闘争を天皇のもとに屈服させようとした。8・6ヒロシマ大行動実行委員会はこれを徹底弾劾して実力弾劾闘争を闘い抜いた。児童を動員して天皇を出迎えさせる行事に対しても市教委・県教委への抗議・申し入れが闘われた。当該小学校生徒の保護者からも異論が出される中で、天皇・皇后の前に小学生を整列させることや、皇后マサコが小学生と直接「触れ合う」といった行事は直前になって中止に追い込まれた。戦争責任・被爆責任の追及から絶対に逃れられないことを、天皇と日帝政府中枢に刻み込んだのだ。この怒りと闘いをさらに押し広げ、8・6朝の原爆ドーム前集会を実力でかちとろう。

集会規制打ち破り闘おう

 7月9日から米空軍が主催する大規模訓練「レゾリュート・フォース・パシフィック」は、中国侵略戦争をにらんで日本周辺から西太平洋地域に空軍力を展開させる大演習だ。ここに航空自衛隊が初参加し、約3100人と約50機の戦闘機が参加、米軍からは約2千人とF35戦闘機を含む約350機が参加する。さらに7月13日からは米豪日共同演習の「タリスマン・セイバー」が一体で行われる。自衛隊からは自衛艦隊や航空総隊、陸上総隊などが参加し、オーストラリア~インド太平洋地域で20カ国が参加する予定だ。
 参院選では、与野党問わず全ての政党が「国難」を叫び、排外主義をあおり立てている。石破は7月4日に沖縄で行った応援演説で「中国が台湾周辺で軍事活動を活発化させ、航空母艦3隻を就役させた。大変な勢いでこの地域に力を伸ばしている」と国防主義・排外主義をあおり、極右ファシスト政党・参政党代表の神谷宗幣は、「原爆を落とされた広島と長崎で原子力潜水艦を造って欲しい」などと叫んでいる。
 そして、戦争放火者であるトランプや石破を守り、一体となって登場しているのが広島市長・松井一實だ。松井は「ヒロシマの心」「被爆者の思い」は「罪を憎んで人を憎まず」だなどと語り、イラン爆撃について記者会見で問われた際には「(トランプに)平和記念資料館を訪問してほしい」と答えただけで、爆撃そのものやガザ大虐殺の強行に一切抗議しなかった。この記者会見のすぐ後に米国大使館の首席公使と面会した際にも、イラン空爆に触れもしなかった。
 そして広島市は、被爆80年の8・6朝に昨年同様の集会規制を行うと発表した。世界戦争・核戦争への怒りの声を警察権力の暴力で封じ込めようとするものだ。「核抑止」を掲げて核戦争を推進する日帝・石破と松井広島市政による平和記念式典は、今や被爆者をはじめとした多くの広島市民と労働者民衆の怒りの的となっている。反戦反核の声で包囲し、粉砕しなければならない。
 世界で青年・学生・女性たちが戦争と差別・排外主義に対する内乱的闘いを展開している。前夜からの座り込みで原爆ドーム前を死守した昨年の8・6闘争の大勝利を引き継ぎ、さらにこれを倍する闘いを組織しよう。暴処法弾圧を打ち破り、8月5日午後9時、原爆ドーム前に結集しよう。全国・全世界の同志と仲間に結集を呼びかけます。
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被爆2世の訴え 
実力でドーム前集会をかちとろう
 8・6ヒロシマ大行動共同代表 壹貫田康博さん

 今夏8・6は、米日の中国侵略戦争を本当に阻止できるのかどうかの大決戦となりました。米トランプ大統領は、イランへの核施設爆撃について「戦争を終わらせた」「広島・長崎と本質的に同じ」と言い放ちました。絶対に許すことはできません。
 広島・長崎への原爆投下以降も核兵器は増え続け、帝国主義の世界支配のために民族を抑圧し、労働者を戦場に送り殺し合わせる戦争が続けられ、ガザ虐殺は今も続いています。そればかりか、中国侵略戦争へと日米が一体となって突き進んでいるではありませんか。
 笹川平和財団は、非核三原則を見直し「持ち込ませず」を「撃ち込ませず」に変えろと提言しました。国民に「核共有」の必要性を理解させろというのです。そして、石破首相は国会で、平和教育について「子どもの頃から行い、どうすれば平和が実現するか議論しないと力を持たない」と述べ、核抑止論の必要性を公言しました。アジア安保会議では、ヘグセス米国防長官が中国を名指しにして「力によって平和を達成するために、戦争の準備をしている」と中国への侵略戦争を宣言しました。核戦争の危機は目の前まで迫っています。絶対阻止しましょう。
 これまで以上に反戦反核の声を上げなければならないこの時に、松井広島市政は昨年に続いて8月6日早朝の原爆ドーム前の集会を規制し「核に絶対反対という声を上げるな」と言うのです。本当に許せません。昨年を倍する人数で徹夜の座り込みを貫徹し、実力で原爆ドーム前集会をやり抜こうではありませんか。そして石破首相に怒りの声をたたきつけようではありませんか。
 6・19天皇広島訪問反対闘争では学生・女性が機動隊の暴力を打ち破って闘いを牽引(けんいん)しました。運動内で発生した女性差別と徹底的に闘う運動に8・6ヒロシマ大行動を変革し、今夏8・6闘争の大前進を切り開く決意です。あらゆる差別や排外主義と闘い、核と戦争をこの世界から無くすために、全力で闘いましょう。

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トランプ「広島・長崎」原爆正当化発言弾劾!
中国侵略戦争阻止! 新たな世界戦争・核戦争をとめよう!
被爆80年8・6ヒロシマ大行動25
■8月5日(火)
平和公園集会禁止・反戦弾圧許すな! 原爆ドーム前前夜集会
 午後9時~10時 原爆ドーム前
■8月6日(水)
首相の式典出席を許すな! 戦争翼賛式典弾劾!
原爆ドーム前反戦反核集会
 午前6時30分 原爆ドーム前
 午前8時15分 黙祷後、戦争翼賛式典弾劾デモ
8・6ヒロシマ大集会
 正午開場 午後0時30分開会 
 広島県立総合体育館小アリーナ
 (広島市中区基町4―1)
午後3時 8・6ヒロシマ大行進
 主催 8・6ヒロシマ大行動実行委員会

被爆80年8・9ナガサキ反戦反核行動
■8月9日(土)
爆心地公園集会-石破打倒デモ
 午前10時 爆心地公園(長崎市松山6)
 集会後、デモ
8・9ナガサキ反戦反核集会
 午後1時開場 1時30分開会 
 長崎県総合福祉センター・セミナールームA(長崎市茂里町3―24)
 主催 8・9ナガサキ反戦反核行動実行委員会

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