8・6原爆ドーム前へ 極右・排外主義を粉砕し核と戦争の帝国主義倒せ

週刊『前進』04頁(3406号01面01)(2025/07/28)


8・6原爆ドーム前へ
 極右・排外主義を粉砕し核と戦争の帝国主義倒せ


 7月20日の参院選の結果は、自公政権と既存の政治に対する労働者階級人民の激しい怒りと現状変革への渇望(かつぼう)を示した。自民・公明両党は昨秋の衆院選、6月の都議選に続く歴史的大敗となり、衆参ともに少数与党に転落。もはや石破政権の崩壊は不可避となった。アメリカ帝国主義・トランプによる中国侵略戦争・世界戦争への突進と対日争闘戦の激化に揺さぶられ、労働者階級人民の不満と怒りも限度を超えて高まる中で、日本帝国主義の旧来の政治支配は一挙に崩壊した。その絶望的状況からの活路を求め、中国侵略戦争への衝動が日帝権力中枢から噴出し、より一層凶暴な戦争突撃体制の構築に向けた政界再編への動きが本格化している。「戦争か革命か」をかけた内乱的激突の時代が始まったのだ。7・19反戦集会・デモの大成功に続き、8・6広島原爆ドーム前集会・デモをかちとり、日帝打倒へ荒々しい実力闘争を巻き起こそう!

選挙結果が示す日帝危機

 自民党中心の政権が衆参両院で少数与党となるのは1955年の結党以来初めての事態だ。自民は森山裕幹事長の地元で敗北したほか、元参院議長・山東昭子ら重鎮や閣僚経験者の落選が相次ぎ、佐藤正久、杉田水脈、和田政宗ら名の知られた極右政治家も次々と落選した。この事態を受け、23日には「石破首相、8月末までに辞任の意向」が報じられ、石破本人が即これを否定するも、自民党内からは「石破おろし」が加速する事態となっている。
 立憲民主党や日本共産党、れいわ新選組などの既成野党も軒並み求心力を失う一方、「手取りを増やす」として減税を掲げる国民民主党、「日本人ファースト」を掲げる参政党が議席を大幅に増やす結果となった。これらの勢力は、自民党・旧安倍派の崩壊で行き場を失っていた日本会議や旧統一教会などの極右・保守層の組織力と票に強力に支えられつつ、戦時下で一線を越えて進む生活破壊への怒りを排外主義的にねじまげて取り込むことで、現状に強い不満を抱く層の票をかすめとったのだ。参政党は「憲法草案」で、天皇を「元首」として「自衛軍」を保持すると明記し、東京選挙区で当選したさやは選挙期間中に「核武装が最も安上がりであり、最も安全を強化する策の一つ」などと発言した。排外主義と女性差別をわめき散らす参政党は「新興勢力」ではなく、絶望的危機にあえぎ中国侵略戦争に突き進む日帝の醜悪な正体をむき出しにした極右反動勢力の一部であり、自民党の別動隊にほかならない。
 日帝権力中枢はこうした動きもにらみつつ、中国侵略戦争に向けてより凶暴な極右・戦争突撃政権の構築を狙い、高市早苗らを筆頭に自民党を「トランプの共和党」のようなものへつくり変え、政界丸ごとの再編を図ろうと動き出している。中国侵略戦争阻止を掲げられない既成野党はこれに何ら対抗できず、日本共産党の議員らは「石破やめるな」のハッシュタグをつけたSNS上での宣伝に全力を挙げている。もはやブルジョア議会内の野党としての立場も放棄し、石破応援団となることで極右への「抵抗」を試みるところにまで、政治的破産と腐敗を深めているのだ。
 だが今次参院選では、権力中枢と極右勢力が一体となった差別・排外主義の大宣伝に対し、青年・学生・女性を先頭に全国で怒りの抗議闘争が取り組まれ、選挙最終日の新宿では7・19反戦デモが沿道からの圧倒的な注目と数多くの飛び入り参加を得てかちとられた。いま求められていることは、戦争と差別・排外主義の元凶=帝国主義打倒へ、労働者階級人民のさらなる内乱的決起を巻き起こすことだ。

決戦迎えた今夏反核闘争

 米トランプ政権は7月21日、米国製防空システム「パトリオット」5基をウクライナへ供与する方針で米独が合意したと発表した。ウクライナ「停戦」が破産した今、トランプによる欧州帝国主義への争闘戦含みの軍事支援再開は、ウクライナ戦争をさらなる泥沼化に導こうとしている。パレスチナ自治区ガザでは、米帝・イスラエル主導の「ガザ人道財団」の配給所をはじめ、食料配給関連の死者が千人を超えた。「人道都市」と称する収容所にパレスチナ人民を閉じ込める暴挙に対し、全世界で怒りが沸騰している。
 またイギリス・ドイツ両帝国主義は17日、英独間の相互防衛義務を明記した「友好協力条約」に署名。英帝スターマー・独帝メルツ双方がこれを「歴史的」と強調し、フランスも交えた3カ国間の協力深化も確認したほか、長射程精密ミサイルの共同開発や武器輸出の促進にも合意した。こうした中で、石破は欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長らと23日に首脳会談を行い、経済安保や軍需産業などの分野で協力関係を格上げするとして日欧の「競争力連合」を発足させた。
 7月11日には日米韓3カ国の制服組トップが協力の方策などを話し合う「日米韓参謀総長等会議」が初めて韓国で開かれ、共同声明を発して3カ国の防衛協力を維持・深化させる方針を確認した。同日に東中国海上空で行われた米日韓の合同訓練では核搭載可能な米軍のB52戦略爆撃機が展開し、航空自衛隊と韓国空軍の戦闘機が同機を護衛する形で飛行した。日米韓軍事同盟の強化が、中国侵略戦争を核戦争として発動する体制の構築として進められているのだ。
 参院選直後の7月22日、関西電力は福井県・美浜原発の敷地内に原発を新設する方針を発表した。2011年の3・11福島原発事故以来初めての事態であり、地元住民に加えて今も避難を余儀なくされている福島の人々からも激しい怒りの声が上がっている。中国侵略戦争の切迫下で非核三原則見直し=米軍核ミサイルの日本配備への動きが公然と始まる中、日帝は核・原発政策のエスカレーションに踏み出しているのだ。今夏8・6広島―8・9長崎闘争はいよいよ歴史的大決戦へと押し上げられた。

今こそ革命党の登場を!

 参院選の過程では「外国人問題」がメディアによって意図的に争点とされ、差別や憎悪・排外主義宣伝が日夜垂れ流された。だが、労働者階級は差別や排外主義にやすやすと絡めとられるような存在では断じてない。多くの青年が差別への抗議行動に立ったことも、それを証明している。
 その対極で、中国侵略戦争について一言も触れないばかりか、「国難」を叫び「挙国一致」で石破政権を支えてきた立民や共産党などの野党が果たした役割は犯罪的だ。こうした既成勢力こそがファシストの登場を許し、帝国主義の延命に手を貸しているのだ。
 二度と戦争を繰り返すなという誓いの上に戦後80年間引き継がれてきた日本階級闘争の真価が今こそ問われている。70年安保・沖縄闘争を経て在日朝鮮・中国人民の糾弾に必死で応え、血債をかけて日帝打倒を誓い闘い抜いてきた革共同が、今こそ燃え広がる怒りの先頭に立たなければならない。差別と戦争の元凶である帝国主義打倒を真正面から訴える革命党の登場こそが、社会の根底的な変革を希求する青年・学生・女性に応える唯一の道だ。
 米帝やイスラエルを招いて平和記念式典を開催する広島市当局の集会禁圧や右翼の襲撃を実力で粉砕し、8月5日夜、千人の結集で原爆ドーム前を死守しよう。広島・長崎の地から、中国侵略戦争阻止・日帝打倒の声をとどろかせよう。

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