8・9長崎被爆者の訴え 80年前の戦争終わっていない 長崎の被爆者 土井玞美子さん

週刊『前進』04頁(3409号03面01)(2025/08/18)


8・9長崎被爆者の訴え
 80年前の戦争終わっていない
 長崎の被爆者 土井玞美子さん

(写真 8・6広島闘争でドーム前を広島市当局・機動隊から守り切った高揚感をもって、8・9長崎闘争に結集した参加者は爆心地公園を席巻して集会をうち抜いた【8月9日 長崎市】)


 被爆80周年8・9ナガサキ反戦反核行動に参加した長崎の被爆者・土井玞美子さんが、9日朝、爆心地公園での集会で行った発言を紹介します。(編集局)

 8月5~6日と徹夜で広島・原爆ドーム前の闘いを貫徹され、朝の集会・デモを実力でかちとった皆さん、大変お疲れ様でした。
 私が8・9ナガサキ集会に参加するのは3回目ですが、この3年の間にも世界の情勢は大きく変わりました。世界の大国の支配者たちは、第3次世界大戦・核戦争に向かって突き進んでいます。特に、6月にトランプ米大統領が行った、イラン核施設に対する攻撃は許しがたいものです。しかもそれを正当化するために広島・長崎への原爆投下を引き合いに出し、「戦争を早く終わらせた」と発言しました。言語道断です! 石破首相はこれに抗議すらせず、トランプの核施設攻撃を容認しました。すぐにでも退陣すべきです。
 トランプ政権は、イスラエルには軍事費の援助を行い、パレスチナへの攻撃にお墨付きを与え、ガザの虐殺・飢餓を容認しています。絶対に許せません。
 かつての戦争の最大の責任者である昭和天皇ヒロヒトはその後も戦争責任を認めず、謝りもしませんでした。その孫の天皇ナルヒトが6月、広島にも「慰霊の旅」と称してやってきました。9月には長崎にやってきます。天皇の役目はいつも、人民の怒りを抑えつけることです。
 80年間疎開をしたまま、いまだに自分の故郷に帰れない人もいます。私の友達も被爆者の認定をされないまま白血病で亡くなりました。いまだ補償もないまま病気で苦しんでいる人もいます。80年前の戦争は、まだ終わっていません。それを「慰霊の旅」で終わらせようなんて許せません。特に今回は、トランプ・石破政権が構える中国侵略戦争に向けての地ならし、天皇制の強化が狙いです。絶対反対で闘いましょう。
 戦争反対を実力で闘う仲間を弾圧し、でっち上げ逮捕するなんて絶対に許せません。私はここにおられる皆さんと共に、中国侵略戦争・核戦争を止めるため、また、8月6日に広島・原爆ドーム前で逮捕された2人の仲間と、6・5天皇訪沖弾劾闘争で逮捕・起訴された田丸鴻一郎さんを早く取り戻すために、行動していきたいと思います。皆さん、これからも一緒に頑張りましょう。

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