中国侵略戦争阻止へ 高市政権を倒せ 戦争引き寄せた日米首脳会談 米空母上でトランプと高市が「確固たる行動」叫ぶ戦争演説

週刊『前進』04頁(3420号02面04)(2025/11/03)


中国侵略戦争阻止へ 高市政権を倒せ
 戦争引き寄せた日米首脳会談
 米空母上でトランプと高市が「確固たる行動」叫ぶ戦争演説


 10月28日の日米首脳会談は、中国侵略戦争に向けた歴史的な戦争同盟会談となった。トランプと高市は共に日本帝国主義の軍事力の抜本的強化に言及し「自由で開かれたインド太平洋」「台湾海峡の平和と安定」で一致した。会談後、米海軍横須賀基地(神奈川県)で、高市は米兵を前にトランプと並んで異例の演説を行い、日米同盟による中国侵略戦争への「決意と行動」を表明した。絶対に許してはならない。

「最も強固な同盟」を強調

 日米首脳会談は全てが中国侵略戦争のための戦争同盟会談として設定された。トランプと高市は極悪の戦争政治家であった元首相・安倍晋三を引き合いに出して互いにほめそやし、おぞましい親密感を演出した。高市に至っては、世界戦争の放火者、パレスチナ・ガザ大虐殺の張本人であるトランプを「ノーベル平和賞の候補として推薦する」とまで持ち上げた。その全体が、30日の米中首脳会談を前に日米の戦争同盟を誇示する大企画としてあった。
 所信表明演説で「政治の安定」「挙国一致」を訴えた高市は、全政党を屈服させ、臨時国会での補正予算による軍事費の国内総生産(GDP)比2%化の前倒しや、安保3文書の来年改定、軍事費のGDP比3・5%への引き上げという戦時大軍拡への留め金を外す一大攻撃として日米首脳会談を準備したのだ。
 会談は「日米同盟の抑止力、対処力を強化することで一致」。高市は「共に世界の平和と繁栄に貢献していく」「日米同盟の新たな黄金時代を共につくる」と強調し、主体的に軍事力の強化と軍事費の増額に取り組む決意をトランプに伝えた。トランプも「この関係はこれまで以上に強いものとなる……我々は最も強固な水準の同盟国だ」「日本は軍事能力を大幅に増強している。米国は日本から大量に新たな軍備品の注文を受けている」と述べた。
 両者は「自由で開かれたインド太平洋を共に実現する」ことで一致し、「北朝鮮の完全な非核化への米国の関与、台湾海峡の平和と安定の重要性」を確認。日米韓、日米フィリピン、日米豪印など「同志国連携」を推進していくことを申し合わせた。
 日米首脳は、日本が関税交渉で約束した5500億㌦(約84兆円)の対米巨額投資の履行とレアアース(希土類)など重要鉱物の確保に向けた合意文書に署名した。30日の米中首脳会談を前に、中国との交渉を優位に進める思惑は明白だ。

侵略拠点から中国を挑発

 自衛隊統合演習が現に行われている中での日米首脳会談は、日帝にとっては高市の10月26~28日の東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議、31日~11月1日のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議への出席と併せ、中国侵略戦争―世界戦争への踏み出しとしてあった。まさに歴史的な戦争会談であったことがその核心だ。その本質をより鮮明に示したのが、中国侵略戦争の最大の司令部となり出撃拠点となる米海軍横須賀基地の原子力空母上でのトランプと高市の異例の戦争演説だ。
 両者は東京都港区の米軍ヘリポートから大統領専用ヘリに同乗して空母「ジョージ・ワシントン」に降り立った。「力による平和」のスローガンを掲げ、FA18戦闘機が並んだ格納庫の演台で米兵を前にトランプは、「関税政策により米国に多額の収入をもたらし、中東やアジアなどの『八つの戦争』を解決した」と主張し「驚くべき同盟国である日本や、その他の同盟国と共に全速力で前に進もう」と演説を結んだ。
 次にトランプは壇上に並んだ高市をほめたたえて日米の親密さを強調。「彼女は勝者だ。今日は日本の株式市場も米国の株式市場も史上最高だ。日米同盟は全世界で最もすばらしいものの一つだ」と語った。
 これに応えて高市は「米海軍創設250周年という節目に、トランプ大統領と共に地域の自由と平和を守る象徴である空母ジョージ・ワシントンであいさつするチャンスをいただいたことを心から光栄に思う」と述べ、「6年前、この横須賀の地でトランプ大統領と安倍元首相が『日米が共に手を取り合って地域の平和と安全を確保していく』決意を示した。今ここに再び日米の最高指揮官が並び立った機会に私はその決意を引き継ぎ、インド太平洋を自由で開かれたものとし、平和と繁栄の礎とする決意を新たにした。平和は言葉だけではなく、確固たる決意と行動によってこそ守られる」と強調。湾内に停泊する海上自衛隊の最新鋭護衛艦「もがみ」「まや」に言及し「日本の防衛力を抜本的に強化して、地域の平和と安定により一層積極的に貢献する」と力説した。日帝自身の戦争として最前面に立つと表明したのだ。
 トランプ・高市の米空母上での演説は、帝国主義の基本矛盾の爆発と政治支配の危機にのたうつ日米帝の戦争挑発そのものである。中国侵略戦争阻止・高市打倒は一刻の猶予もない決戦となった。

戦争国会粉砕へ大デモを

 日帝支配階級はマスコミを総動員してトランプ来日と日米首脳会談、米空母での演説模様を延々と報道。トランプの羽田空港到着からヘリと車両による移動、天皇との会見を含め中継し「トランプとの会談が無事成功」と印象付けようとした。それ自体が日米会談の合意に全政党を従わせ、大軍拡と戦時体制へ突き進む攻撃だ。立憲民主党の野田佳彦や国民民主党の玉木雄一郎らは「会談が成功裏に終わった」「良いエールのやり取りだ」と称賛。日本共産党も含め中国侵略戦争に反対する政党は皆無だ。本当に許しがたい。
 しかしその一方で、改憲・戦争阻止!大行進の10・27トランプ来日・日米首脳会談粉砕新宿デモが力強く闘われた。世界で激発する反戦・反トランプデモを知る訪日外国人が合流し外国メディアでも報道された。10・28トランプ・高市演説に抗議する横須賀闘争も意気高く闘われた。中国侵略戦争阻止・帝国主義打倒の巨万のデモの機運が高まり、闘いの爆発はいよいよこれからだ。高市打倒、軍事費2倍化前倒しの臨時国会粉砕の11―12月決戦に立ち上がろう。
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