ベネズエラ侵略戦争許すな 米帝が中国侵略と一体で「裏庭戦争」
ベネズエラ侵略戦争許すな
米帝が中国侵略と一体で「裏庭戦争」

アメリカ帝国主義・トランプ政権は大兵力をベネズエラ沖に展開し、地上攻撃も含めた戦争を構えている。11月16日に世界最大の核空母ジェラルド・フォードを中核とする空母打撃群がカリブ海に到着した。1991年の湾岸戦争以来の大結集だ。根底にあるのは米帝の大没落と中国侵略戦争―世界戦争への突進だ。
体制転覆を狙い近海に兵力集中
この8月からトランプ政権は、強襲揚陸艦やF35戦闘機などのベネズエラ沖やプエルトリコ米軍基地への配備を開始した。そして9月以降、麻薬運搬船とみなした船を20回以上も攻撃し80人以上を殺害している。
トランプの言う「麻薬の密輸対策」は見え透いたうそだ。米軍は、攻撃した船舶が「麻薬運搬船」だという証拠をでっち上げることさえしていない。ベネズエラ・マドゥロ政権の「レジームチェンジ」を狙った全面戦争を狙っているのだ。
10月には、ベネズエラの「民主化活動家」マリア・コリナ・マチャドにノーベル平和賞が与えられた。マチャドは米軍の介入を公然と求めてきた人物であり、イスラエルのジェノサイドを賛美している。マチャドの受賞は、ベネズエラの体制転覆に向けた世界的規模での大宣伝の一環だ。
中南米で影響力増す中国が標的
中国は今や、中南米の貿易相手国としてはアメリカを抜き第1位だ。中南米で、米帝の意のままにならない政権が増えている。
ベネズエラの隣国コロンビアは長らく極右政権の支配下にあった。米帝に訓練された暗殺部隊が労働者を襲撃し、「労働組合員が世界一危険な国」とされてきた。また、世界一腐敗した麻薬カルテルに支配された国でもあった。米軍駐留部隊の最高司令官がその密輸に関わり、米帝の中枢中の中枢、バンク・オブ・アメリカなどの巨大銀行が資金洗浄で巨利を上げていた。
このコロンビアで2022年に右派政権が倒されたことは米帝に大打撃を与えた。トランプによる関税戦争を始めとした圧力で中南米諸国は重大な危機に陥ったが、中国との貿易によって一息ついている状態だ。また、ボリビア、チリ、アルゼンチンには豊富なリチウム鉱床があり、ブラジルはレアアース資源が有望で、中国侵略戦争情勢下で重大な焦点になっている。
「国内の敵」との階級戦争と一体
中国侵略戦争―世界戦争は、米帝といえども従来の統治形態を徹底的に変え、国家総動員体制をつくらない限り戦えない。だからトランプはロサンゼルス、シカゴなどの諸都市に軍隊を派兵し、「国内の敵」に対する戦争を始めている。新・国家防衛戦略(NDS)の素案も、「国内の敵」と中国との対決を表裏一体のものとしている。
米帝が伝統的に「裏庭」と位置づける中南米は他の地域とは別格であり、ベネズエラも米帝にとっては「国内」に等しい。米帝は02年、当時のチャベス政権の転覆を狙ってクーデターをしかけた。帝国主義労働運動のAFL―CIO(米労働総同盟・産業別労働組合会議)が国務省と協力してベネズエラ国内で石油資本と一体の御用組合を養成し、「反民主主義のチャベス独裁政権打倒」のデモをさせて大宣伝した。ベネズエラの労働者人民は直ちに蜂起し勝利したが、その後もAFL―CIO本部はベネズエラ政府を非難し、米帝の介入と経済制裁を合理化する宣伝を続けてきた。
中国侵略戦争情勢に規定された今回のベネズエラ沖への派兵は、単なる過去の介入の延長ではなく、米階級闘争の第一級の争点になっている。ニューヨーク市長選で勝利したマムダニはマドゥロを攻撃し、米軍介入を合理化している。人民を民主党内に引き戻し戦争翼賛させる役回りだ。米労働者階級と連帯し、米日帝の中国侵略戦争、ベネズエラ侵略戦争を阻止しよう。