日帝・高市打倒の26年決戦へ 大軍拡予算の成立を弾劾する
日帝・高市打倒の26年決戦へ
大軍拡予算の成立を弾劾する

2025年度の補正予算が12月16日、参議院本会議で可決、成立した。1兆1千億円を計上した防衛費は当初予算とあわせて11兆円を超え、国内総生産(GDP)比2%に達する大軍拡・戦争予算である。この予算案に国民民主・公明両党が賛成し、国会内の全勢力がますます挙国一致・戦争翼賛化を深めている。17日に閉会した臨時国会は、中国侵略戦争を遂行するための歴史的な戦争国会となった。国家主義・国益主義を粉砕し、日本帝国主義を打倒する立場を鮮明にさせて闘う時だ。中国侵略戦争阻止の26年決戦に立とう。
全国力を中国侵略戦争へ
補正予算における一般会計の歳出は、昨年度補正予算を上回る18兆3千億円。「27年度にGDP比2%化(22年度から5年間で倍増)」の目標を今年度中に前倒し達成するために、防衛省予算8472億円に関連予算を加えた1兆1千億円を計上し、当初予算とあわせて今年度の防衛関連費は約11兆円となる。
その柱は、南西諸島の軍事要塞(ようさい)化である。03式中距離地対空誘導弾(中SAM)改善型などの弾薬調達、航空自衛隊の移動式警戒管制レーダー配備が計画される北大東島の施設整備や、米軍の空母艦載機の陸上離着陸訓練(FCLP)の移転に向けた馬毛島の滑走路整備、護衛艦や潜水艦の建造、陸上自衛隊多用途ヘリの調達、米軍再編事業などが狙われている。来年度以降に計上する予定だった大軍拡予算を、どんどん前倒しで強行しようとしているのだ。
11月に発表された閣議決定文書「『強い経済』を実現する総合経済対策」は、「生活の安全保障・物価高への対応」と「危機管理投資による強い経済の実現」「防衛力と外交力の強化」を一体で進めるとしている。補正予算もこれに基づいて、中国侵略戦争に「国力」の全てを注ぎ込むものとして編成された。
そして高市政権は来年にかけて安保3文書の改定を全力で推し進め、戦争に突進しようとしている。
安保3文書改定急ぐ高市
その柱は第一に、防衛費の新たな数値目標の明記だ。高市は来年度以降、GDP比2%を超えて3・5%(20兆円)や5%(30兆円)へ際限なく防衛費を増やし、中国侵略戦争遂行のために必要なあらゆる措置を盛り込もうとしている。米国家安全保障戦略(NSS)が求める防衛費増大を、主体的に進める姿勢をあらわにしているのだ。
そのために自民党税制調査会は、防衛財源としての26年4月からの法人税・たばこ税増税とともに、27年1月から所得増税を開始する方針を明確にした。さらに、戦後タブー視されてきた「防衛国債」発行の主張も公然と噴出している。
第二に、非核三原則を解体して「核共有」を打ち出すことだ。高市は、現行の「国家安全保障戦略」にある「非核三原則を堅持するとの基本方針は今後も変わらない」との文言を削除し、米軍との核共有にまで突き進もうとしている。
6月に笹川平和財団が発表した「政策提言」では、「非核三原則の三つ目の『持ち込ませず』を『撃ち込ませず』に変更すべき」とし、「核ミサイル搭載の米原潜の寄港の容認を含め国内への核持ち込みの実現を図るとともに、核共有あるいは米軍核兵器の日本国内配備の準備に着手することも検討すべき」と提言している。高市はこれを支持し、米軍の核兵器で自衛隊が中国を攻撃できるようにしようとしているのだ。同時に、独自の核武装と「危機管理投資」のために原発政策を推進している。
第三に、武器輸出の全面解禁と国内軍需産業の強化だ。「防衛装備移転三原則の運用指針の5類型撤廃」を確認した連立合意書に基づき、自民党と日本維新の会は12月15日に与党実務者協議の初会合を開催。政府は来年4月にも三原則の運用指針を改定し、5類型を撤廃しようとしている。
14年に第2次安倍政権が策定した三原則で武器輸出の目的を「救難、輸送、警戒、監視、掃海」の五つに定めた「5類型」を撤廃し、殺傷兵器の輸出拡大を推し進めるというのだ。
さらに来年の通常国会では、反戦運動つぶしを狙う「スパイ防止法」制定と一体の「国家情報局」創設法案、国旗損壊罪制定法案、「外国人対策」関連法案、労働時間規制緩和を狙う労基法改悪案などが目白押しで進められようとしている。改憲をめぐっても、与党は「憲法改正条文起草協議会」を設置し具体的な協議を始めている。
革命的祖国敗北主義貫き
しかし、国会内に日帝の中国侵略戦争に反対する勢力は皆無だ。軍事費大増額への決定的転換点である補正予算案をめぐり、大軍拡については何ら争点にならず、12月8日の国会提出からわずか1週間あまりで成立に至った。
また、立憲民主党は、安保戦争法について「違憲部分を廃止」としてきた基本政策の「見直し」にかじを切った。国会内の全政党が、帝国主義の支配の延命・継続で一致し、祖国擁護=国家主義・排外主義(「自衛戦争」の形をとった帝国主義戦争への翼賛)の立場を共有しているのだ。米日帝の延命をかけた中国侵略戦争と真っ向から対決しなければ、帝国主義の政治支配を取り繕い支えるものにしかならない。
高市は「国家の存立」「国家・国益を守る」などというが、それは帝国主義ブルジョアジーの利益と延命、支配の継続のために労働者人民を犠牲にするということだ。こんな国家は打倒して当然だ。この戦争国会を根幹から粉砕し、革命的祖国敗北主義を貫いて戦争の元凶である帝国主義の支配を打倒することこそが労働者階級人民の唯一の回答であり、進むべき道だ。
12・23新宿反戦デモに総決起し、日帝・高市政権打倒の26年決戦を大爆発させて中国侵略戦争を何としても阻止しよう。