米帝のベネズエラ侵略を弾劾する 国家安全保障戦略を発動し中国侵略戦争へと全面突入

週刊『前進』04頁(3429号04面01)(2026/01/12)


米帝のベネズエラ侵略を弾劾する
 国家安全保障戦略を発動し中国侵略戦争へと全面突入

 アメリカ帝国主義・トランプは1月3日未明、爆撃機や偵察機など150機以上を投入してベネズエラの軍事施設、インフラや医療関係施設を空爆し、民間人を含む100人以上を虐殺した。特殊部隊が大統領警護隊全員を殺害し、マドゥロ大統領夫妻を拉致してニューヨークへ連行した。植民地と資源を略奪する帝国主義の侵略戦争そのものであり、これ自体が「西半球」の全面的支配を中国侵略戦争の決定的環とする2025年版国家安全保障戦略(NSS)の発動だ。

自ら戦後体制を崩壊させた米帝

 米帝・トランプは昨年8月にカリブ海に大艦隊を展開して以来、麻薬密輸船と決めつけた小舟をミサイル攻撃して漁民を虐殺し、石油タンカーを拿捕(だほ)してきた。「麻薬対策」など誰も信じておらず、トランプ自身が世界最大の埋蔵量である石油の奪取、西半球からの中国の締め出しという戦争目的を公然と口にしている。トランプは「米国がベネズエラを運営する」「エネルギー産業の基盤を立て直す」と公言し、1月6日にはSNSに「ベネズエラ暫定当局が石油3千万~5千万バレルを米国に引き渡す」と投稿した。
 しかしこれは単なる「石油のための戦争」ではない。何よりトランプは、国際法などではなく「軍事力がすべてを決する」ことを全世界に突きつけた。
 そもそも戦後の国際法とは、米帝自身が基軸国として世界を支配するための秩序として作り、世界に強制し続けてきたものだ。だが、大没落した米帝にとってそれはもはや妨害物に転化した。戦後体制が名実ともに崩壊したことが、NSSと1・3ベネズエラ侵攻によって示されたのだ。
 帝国主義諸国は直ちにマドゥロ政権への悪罵を投げつけ、自ら「軍事力がすべてを決する」世界に打って出ると表明した。日本帝国主義・高市も「これまでも、一刻も早くベネズエラにおける民主主義が回復されることの重要性を訴えてきた」と米帝トランプの侵略を事実上支持した。

新植民地主義的侵略を繰り返す

 米帝は四半世紀前から、ベネズエラでの体制転覆策動を行ってきた。
 1999年、大鉱山主や大地主が国家も地域も暴力的・専制的に支配する中で、極度の窮乏を強いられた労働者・農民が次々に決起する情勢下で生まれたのが「貧者の救済」を掲げた軍人出身のチャベス政権だ。チャベス政権は大地主の土地を農民に配分する農地改革や、巨大石油資本の取り分を減らして教育・医療の予算を充実する政策をとり、反米の民族解放的なものを体現してきた。チャベス政権を引き継いだのがマドゥロ政権だ。
 チャベス政権発足後、米帝と富裕層は繰り返し政権転覆策動を行ってきた。米帝はCIA系の組織や「米国際開発局(USAID)」を通じて介入を強め、特に、労働運動のナショナルセンターである米労働総同盟・産業別労働組合会議(AFL―CIO)を通じた御用組合育成に力を入れた。
 2002年4月には、ベネズエラの御用労組と商工会議所連盟の「ストライキ」(資本によるロックアウト)によって「大衆が政権と闘っている」というデマ宣伝を世界に流し、チャベス大統領を一部軍人が拉致・監禁し、商工会議所連盟会長を暫定大統領とする新政権を発足させた。だが労働者人民は直ちに蜂起してこれを粉砕したのだ。

中国を恫喝して体制転覆へ突進

 NSSは「西半球外の競争相手が西半球に軍事力やその他の脅威となる能力を配置したり、戦略的に重要な資産を所有・管理したりする能力を排除する」「(米国は)敵対的な外国の侵入や重要な所有がなく、決定的なサプライチェーンを支える西半球を望む」と明記する。ここで言う「西半球外の競争相手」「敵対的な外国」とは、中国以外の何ものでもない。
 そして、NSSが実際の戦争として唯一具体的に論じているのが、中国近海の「第1列島線」を主戦場とする戦争だ。この中国の体制転覆のための大戦争に全面的に突入するために、米帝は西半球を制圧し、独自のサプライチェーンを構築しようとしているのだ。
 そして9月以降のカリブ海での米帝の作戦は中国向けの石油タンカーの拿捕=海賊行為にも及び、パナマ運河に付随する施設を中国系企業が保有することへの攻撃も伴っている。7日には、ロシアとの直接衝突さえ辞さず、ロシア海軍の護衛つきロシア船籍タンカーを拿捕した。西半球侵略戦争は、戦略的にも直接的にも中国侵略戦争―世界戦争なのだ。
 米空母艦内で行った10・28横須賀演説で「政治的には正しくないことをやる」と宣言したトランプは、中国スターリン主義への最大級の軍事的恫喝としてベネズエラ侵略戦争の発動に踏み切った。米国が軍事作戦を実行したのは、中国政府の特使がマドゥロ大統領と会見し、両国の「緊密な絆」を確認したわずか6時間半後のことだった。
 米日帝国主義の中国侵略戦争―世界戦争は一線を越えた。だが、帝国主義は絶体絶命の危機にある。米帝がベネズエラを「統治」することなど不可能である。
 何より、ベネズエラ全土の労働者人民が民兵となって総決起し、米帝の「裏庭」とされてきた中南米―全世界の労働者人民が連帯している。そして、被抑圧国人民の血にまみれたAFL―CIO傘下諸労組の中から本部を打倒する闘いが生まれ、米国内での緊急抗議闘争の核となっている。
 今こそ中南米人民の闘いに連帯し、日帝・高市政権を打倒する内乱的闘いを巻き起こそう。

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ただちに新宿で街宣 侵略を絶対許すな

(写真 「米帝トランプのベネズエラ侵略戦争許すな!」。大行進東京が新宿駅前で緊急の街頭行動【1月4日 東京・新宿区】)

 1月4日、「大坂正明同志を即時解放しろ!」と東京拘置所包囲デモを闘った後、新宿駅南口に再結集し「米帝トランプのベネズエラ侵略戦争許すな!」「戦争放火者=トランプ・高市倒せ!」と、怒りに燃えた街頭宣伝が闘い抜かれた。改憲・戦争阻止!大行進東京が呼びかけたこの緊急行動には、全学連の学生たちを先頭に約50人が集まり、寒風をものともせず、熱く反戦を呼びかけた。
 マイクを握った労働者、学生は口々に、「ベネズエラ侵略戦争・マドゥロ大統領拉致こそ、トランプによる国家安全保障戦略(NSS)の発動であり、中国侵略戦争への突入だ」「戦争の元凶=帝国主義を倒そう」「今こそ巨大な反戦闘争を起こそう」と訴えた。
 在日中国人労働者が「日本人が中国への戦争に反対している、感謝」と語り、トランプのシリア爆撃に一人で反戦を訴えたという青年労働者とも合流し、大きな共感を呼び起こした。

全国で行動に立つ

■大阪 大行進・関西は1月5日に京橋駅で緊急街宣を行った。緊急の呼びかけで30人近くの仲間が結集し、トランプによるベネズエラ侵略戦争への満身の怒りを表明し、300枚用意したビラを配りきった。自国帝国主義打倒の闘いこそが真の国際連帯・民族解放闘争との連帯の道と訴え、街頭を一変させた。
■広島 8・6ヒロシマ大行動実行委員会に結集する仲間は4日、本通り商店街で街頭行動を行い、ベネズエラ侵略弾劾の声が広島市に響いた。多くの労働者人民が怒りを表明し、外国人が拳をあげてエールを寄せた。
■香川 香川連帯ユニオンは高松市で4日、ボードを掲げて街宣を行った。若者や道行く人たちが情勢にどう立ち向かうのかを求め、次々とビラを受け取った。
■新潟 にいがた大行進は5日、JR新潟駅前で緊急街宣を行った。高校生が集団でチラシを受け取り、通行人からの支持や、「応援する」と声かけがあった。
■北海道 大行進北海道は7日、札幌市の在札幌米国総領事館前でベネズエラ侵略弾劾の行動に立った。
■沖縄 大行進沖縄は県庁前で7日、侵略弾劾の街宣に立ち、大注目を集めた。

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