NDS具体化へ日韓を訪問 米国防次官 第1列島線強化求める

週刊『前進』04頁(3433号02面01)(2026/02/09)


NDS具体化へ日韓を訪問
 米国防次官 第1列島線強化求める


 米国防次官(政策担当)のコルビーが1月下旬に韓国と日本を相次いで訪問し、防衛担当大臣らと協議を行った。トランプ政権の安保政策に強い影響力を持つ米国防総省ナンバー3であり、この直前に発表された国家防衛戦略(NDS)の策定を主導したのがコルビーだ。とりわけ就任以来、日本の防衛費の国内総生産(GDP)比2%化目標が不十分だと指摘し、大幅な軍拡を求めてきた人物だ。今回、自らSNSに投稿した通り、NDS=中国侵略戦争戦略に基づき「第1列島線の抑止力を迅速に、具体的に強化する方策を議論する」ために、就任後初の外遊先として東アジアに乗り込んだのだ。

防衛費増額と軍事態勢強化を念押し

 NDSは、在韓米軍の中国侵略戦争への投入を前提に「韓国が北朝鮮抑止の第一次的責任を負うべき」とする。まず韓国を訪問したコルビーは1月26日に国防相・外相と会談。李在明(イジェミョン)政権が防衛費のGDP比3・5%化を決めたことを受け、韓国を「自国防衛への責任を担う模範的な同盟国」と称賛した。戦時の作戦統制権の韓国への移管、さらに韓国による原子力潜水艦の建造などについて議論した。
 同日にソウル市内で行った講演でも、日本、フィリピン、韓国の軍事態勢現代化・強化により「(中国の)侵略実現を阻む」と強調した。
 日本では28日、都内で防衛省・外務省の事務次官とそれぞれ会談。NDSや同盟国などの防衛費増額、地域情勢などをめぐって協議し、「日米同盟の抑止力・対処力強化」で一致した。
 高市は4月のトランプ訪中―米中首脳会談を前に3月に訪米し、国家安全保障戦略(NSS)に基づく安保3文書「前倒し改定」による「自主的な防衛力強化」=GDP比「2%超」化を約束しようとしている。こうした動きを後押しし、NDSの内容を具体化し確定していくことが今回のコルビー訪問の狙いだ。
 1月30日には「日韓、日米韓の防衛協力が実践される現場」(防衛相・小泉進次郎)として横須賀で日韓防衛相会談も行われ、日米韓軍事同盟の強化や日韓両部隊の共同訓練拡充などで合意した。中国スターリン主義への激しい恫喝だ。

「拒否防衛」戦略で中国の体制転覆へ

 今回のNDSでは、コルビーの持論である「拒否戦略」が強調されている。これは、相手に攻撃を「思いとどまらせる」=「抑止」とは一線を画すものだ。その本質は、敵国(=中国)の前に圧倒的な軍事力を展開し、攻撃の意思を直接「拒否」する=はねつけ、くじいて屈服させるという強烈な攻撃性にある。ゆえにその展開は、中国スターリン主義に「台湾統一」を断念させるという政治目的を達成するための戦争行為そのものに他ならない。
 NDSは「中国の抑止」の項目で、日本を先頭とする地域の同盟国・パートナーと連携し「第1列島線に沿って拒否防衛体制を構築、展開、維持する」ことを通じて「米国の利益に対するいかなる侵略的試みも失敗に終わり、そもそも試みる価値がないことを示す」と明記している。そして、その結論において「潜在的な敵対者(=中国スターリン主義)が愚かにもわれわれの平和的提案を拒否して争闘を選択した場合には、米軍は国家的戦争(総力戦)を戦って勝利する準備を整える」と断言する。
 NSS―NDSは、軍事的重圧により中国スターリン主義の体制崩壊を狙い、もし台湾に踏み込んだ場合には戦争に引きずり込んで体制を転覆するという中国侵略戦争戦略そのものだ。
 民主労総をはじめとする韓国労働者人民との国際連帯を貫き、日本帝国主義・高市を打倒する闘いは、中国侵略戦争を阻止し、アジア革命―世界革命を切り開く決定的な位置にある。今こそ戦争の元凶=帝国主義に対する労働者人民の怒りを解き放とう。
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