米帝に従う「強い欧州」を要求 ミュンヘン安保会議 中国侵略戦争めぐる争闘戦

週刊『前進』04頁(3435号02面05)(2026/02/23)


米帝に従う「強い欧州」を要求
 ミュンヘン安保会議 中国侵略戦争めぐる争闘戦


 ドイツで2月13~15日、約120カ国から首相や外相、国防相ら1千人超が参加してミュンヘン安全保障会議が開催された。アメリカ帝国主義が国家安全保障戦略(NSS)―国家防衛戦略(NDS)を通じて欧州帝国主義へのさらなる負担増を求める中、欧州帝はこれに応えて中国侵略戦争―世界戦争の遂行を全面的に支えるための「転換」を宣言し、再軍備を一層加速させようとしている。
 「改革や方針の修正ではなく、容赦ない破壊が現在の潮流となった」「1945年以降の米国主導の国際秩序は今や破壊されている」——。「破壊の途上」と題する今回の会議報告書はこう記す。
 参加したルビオ米国務長官は演説で、かつて共産主義を掲げるソ連に対抗して守り抜いた「西洋文明」のもとで価値観を同じくする「米国と欧州は不可分一体だ」としつつ、欧州の「社会の基盤と文明に差し迫った脅威がある」と強調。「われわれは弱い同盟国ではなく自らを守れる同盟国を望む」と述べ、改めて欧州諸国に、「欧州防衛の主たる責任を負う」(NDS)ことを求めた。
 ルビオはまた、「同盟国が罪悪感と恥に縛られることを望まない」とも述べた。対欧州争闘戦として、移民への攻撃に批判的な欧州連合(EU)のあり方を否定して米帝を正当化するとともに、欧州右派勢力との連携を深めるトランプ同様、反移民・反リベラルの立場に立てと求めたのだ。
 この会議はまた、米帝のイラン侵略戦争に向けた戦争会議そのものでもあった。この過程でトランプは「体制転換が最善だ」「交渉が決裂した場合に必要になる」として中東への空母の追加派遣を指示。一方で1979年のイラン革命で打倒されたパーレビ王朝の元皇太子レザ・パーレビが会議に招待され演説した。

国際秩序の破壊と「戦う準備」を強調

 最初に登壇したメルツ独首相は、ルールに基づく世界秩序は「もはや存在しない」と公言し、欧州各国には犠牲を払う覚悟が必要だと語った。さらに、英仏による「核の傘」拡大に向け、マクロン仏大統領と欧州の核抑止力をめぐる協議を始めたことを明かした。
 さらに、各首脳から「今こそ強い欧州を」(マクロン)、「欧州は戦う準備を」(スターマー英首相)などの発言が相次いだ。エプスタイン文書問題で重大な政治危機に直面する中で登場したスターマーは、グリーンランド「防衛」のため北極圏に英空母打撃群を展開することも明らかにした。
 また、北大西洋条約機構(NATO)のルッテ事務総長は「欧州主導のNATO」を強調。会議に先立ち、米軍が担う統合軍司令部のうち二つの司令官ポストを欧州側に移すことも発表されたほか、NATOによる北極圏での警戒・監視活動も開始されている。
 さらに、NATO本部で2月12日に行われた国防相級会合では欧州帝諸国がウクライナ軍事支援のために計5兆円超を拠出することも明らかになった。日帝も近く同枠組みに参加し、中国侵略戦争と一体でウクライナ戦争への参戦を狙う。

米帝―帝国主義の中国侵略戦争阻め

 ミュンヘン安保会議には中国の王毅外相も参加。独仏との外相会合を行ったほか、4月トランプ訪中を前にした「地ならし」のためルビオとも会談し、米中関係の「安定的な発展」で合意した。しかし、言葉とは裏腹に中国侵略戦争―世界戦争は一層加速している。
 日帝は茂木敏充外相と小泉進次郎防衛相という異例の体制で乗り込み、「インド太平洋と欧州・大西洋の安保は不可分」と繰り返し強調した。一方で王毅は、高市の「台湾有事は存立危機事態」発言が「戦後初めて中国の主権を直接侵害した」とし、「台湾への侵略・植民地支配の野心を持ち続け、軍国主義の亡霊がさまよっている」と非難した。これに対して茂木はじめ日帝中枢は「不適切発言」だと騒ぎ立て、中国への敵意をあおっている。
 しかし、総選挙での自民「圧勝」をもって安保3文書改定とさらなる大軍拡に突進し、敗戦帝国主義からの「大転換」を狙う日帝こそ、再び台湾・中国―東アジアを戦争にたたき込む元凶だ。闘う中国人民・アジア人民と固く連帯し、日帝・高市政権打倒―中国侵略戦争阻止の大反戦闘争を巻き起こそう。
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