中国大使館侵入事件 自衛隊員が公然とテロ 進む侵略軍隊化こそ元凶
週刊『前進』04頁(3441号03面02)(2026/04/06)
中国大使館侵入事件
自衛隊員が公然とテロ
進む侵略軍隊化こそ元凶

(写真 靖国神社を集団参拝する防衛大学校の学生たち【2025年12月】)
3月24日、現役の幹部自衛官(3等陸尉)が東京都港区の中国大使館に侵入し、駐日中国大使への襲撃を狙うという衝撃的な事件が起きた。侵入した男は包丁のような刃物を持ち、「神々に代わって中国の外交官を殺害する」と脅したとされる。国家の公的な軍事組織メンバーによる他国外交官への文字通りのテロ行為であり、中国侵略戦争への扇動だ。
この事態は、日本帝国主義が中国侵略戦争―世界戦争に突入し、中国への差別・排外主義を徹底的にあおってきた結果だ。さらに、この3等陸尉が所属する陸上自衛隊えびの駐屯地(宮崎県)は、自衛隊が初めて開発した対地ミサイル=敵基地攻撃能力そのものの「25式高速滑空弾」(旧・島しょ防衛用高速滑空弾)の配備候補地である。中国人民を虐殺する兵器が配備されようとする中で、戦前の大日本帝国軍人さながらの高慢さで中国政府の要人を脅す自衛官が現れたことは偶然ではない。自衛隊の侵略軍隊化が実体的にも思想的にも進行しているのである。
今回の事件は戦後の「国際法」からすれば、この3等陸尉の懲戒免職はもちろん、防衛大臣の引責辞任に相当する事態だ。にもかかわらず、小泉進次郎防衛相は27日の記者会見でやっと言及し、「遺憾(残念)」だと述べただけだった。謝罪すら拒否したのである。さらに、メディア各社もそろって「自衛官個人の問題」「中国の日本批判に利用される」などという論調を展開し、まさしく国を挙げてこの3等陸尉を擁護している。
3等陸尉が「(中国に)日本への強硬発言を控えてほしかった」と語ったことが報じられているが、その「強硬発言」とは、高市の「台湾有事は(日本の)存立危機事態」発言を契機としたものだ。まさに高市の中国侵略戦争突入宣言が大使館侵入という事件を生み出したことは明らかだ。
中国政府が「今回の事件は、日本国内や自衛隊における極右思想とその勢力の広がりを示した」と抗議したのは当然である。しかし、日帝・高市政権がこれをも「日本批判」だとして中国への敵意をあおりたてようとしていることを、絶対に許してはならない。
中国侵略戦争へ思想支配強める
小泉は27日の記者会見で、大使館侵入事件への謝罪を拒否し居直った上で、護衛艦「ちょうかい」が中国本土に届く巡航ミサイル「トマホーク」の発射能力を獲得したことを滔々(とうとう)と報告した。その翌日には、米軍・自衛隊共同の「戦没者追悼顕彰式」出席のために訪問した硫黄島で、「太平洋防衛構想室」の新設を発表。「太平洋側の広大な海空域における防衛体制の強化」を目的として、すでに硫黄島で港湾の整備や滑走路の拡張を検討していることを公表した。中国本土への攻撃能力の強化と、広大な太平洋を中国侵略戦争の戦場とすることを発表したのである。これ自体が中国に対する激しい挑発行為だ。中国侵略戦争を遂行するための自衛隊の「皇軍」化=侵略軍隊化も急速に進められている。自衛隊による靖国神社の組織的参拝が続き、2024年には靖国神社のトップである宮司に元海将が初就任した。防衛大学校生が横須賀キャンパスから靖国神社へ徒歩で集団参拝する「東京行進」の参加者は今や約800人と、半数近い学生が参加する一大行事となっている。中国侵略戦争で自衛隊から大量の死傷者が出ることが確実な中で、イデオロギー装置としての靖国神社の位置づけが高められているのだ。
しかし、自衛隊員の多くは決してアジア人民虐殺など望んでいない。防衛大卒業生の1割が自衛隊への任官を辞退(25年度は366人中36人)する状況は続いたままだ。中国侵略戦争阻止の反戦・反基地闘争を爆発させ、帝国主義打倒にこそ命をかけるべきであることを「軍服を着た労働者」=自衛隊員に訴えよう。