中国侵略戦争阻止!6・14闘争へ
中国侵略戦争阻止!6・14闘争へ
安保3文書改定で軍事費5%に
大軍拡進め非核三原則解体も
安保3文書の年内改定に向けた有識者会議が始まった。日本帝国主義・高市は「日本の総合的な国力を徹底的に強くする」として国家総力戦体制を築こうとしている。アメリカ帝国主義が中国侵略戦争―世界戦争を開始し、日帝は帝国主義として文字通り「国家の命運」(高市)をかけ、この戦争に全面突入している。
安保3文書改定をめぐり自民党と日本維新の会は5月中に政府に提言し、夏には政府の骨子案策定、秋には有識者会議の提言とりまとめが予定されている。それに先立ち、翌年度の予算編成や政策の基礎となる「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」に新3文書の中身が反映され、6月中旬から下旬にかけて閣議決定が狙われている。6・14全国闘争は、安保3文書改定を粉砕し中国侵略戦争を内乱に転化するのか否かの正念場だ。
大増額は既定方針
3文書改定の柱は防衛費の大増額だ。高市は米帝の中国侵略戦争突入に食らいつき、27年度中の国内総生産(GDP)比2%化を25年度に前倒しし、3文書改定も1年早めた。米帝は1月公表の国家防衛戦略で同盟国に中核的な防衛費でGDP比3・5%、関連経費を含め5%を要求し、すでに欧州や韓国、オーストラリアが受け入れた。日帝政府内では「日本だけトランプ氏の要求を拒むことは難しい」という声が広がり、大増額は既定方針だ。3・5%なら年間20兆円超、5%なら30兆円超である。
大増額で何をやるのか。「年単位の継戦能力が必要だ」(自民党)として、国営工場が設置され、軍需産業が武器・弾薬を大増産し、無人機・AIの開発・生産が官民総力で行われ、長射程ミサイルも量産・配備されていく。中国・台湾、沖縄―日本全土を戦場にたたき込み、中国人民と殺し合いを行わせるのだ。
大増額は金利上昇・国債利払い増額によるさらなる財政破綻や、円安・物価高騰を激化させ、日帝は軍事経済化―中国侵略戦争にさらにのめり込む。労働者人民に大増税も襲いかかる。だがそれは労働者人民の怒りを必ず爆発させるのだ。
核搭載の原潜寄港
3文書改定では非核三原則の解体も狙われている。高市は24年の編著書『国力研究』で、「『(核兵器を)持ち込ませず』については『米国の拡大抑止の提供』を期待するのであれば、現実的ではありません」と主張している。
有識者会議では、元統合幕僚長・山崎幸二が「(核を含む)日米同盟の拡大抑止を、さらに実効性あるものにしていく必要性も検討課題の一つだ」と提案した。トランプ政権は「小型核」を搭載する海洋発射型の巡航ミサイル(SLCM―N)の開発を進めているが、山崎はこの小型核を搭載した米原子力潜水艦の日本寄港を想定し、三原則の「持ち込ませず」を見直そうというのだ。
フランスが核弾頭数を増やすなど帝国主義とスターリン主義が核武装を増強する中で、日帝も中国侵略戦争を核戦争として構えている。4月27日から始まった核拡散防止条約(NPT)再検討会議では、日帝の核武装化に中国が抗議し日帝との応酬が繰り広げられている。中国侵略戦争・核戦争の危機を反帝・反スターリン主義世界革命に転化する時だ。
■安保3文書改定有識者会議での発言
・「日本の総合的な国力を徹底的に強くする」(高市)
・「ウクライナの最大の教訓は国の総力戦の重要性」「(核を含む)日米同盟の拡大抑止を、さらに実効性あるものに」(山崎幸二・元統合幕僚長)
・「原子力潜水艦の導入が必要」
(遠藤典子・早大研究院教授)
・「一番重要なのは経済安保と継戦能力で、サプライチェーンをいかに強靱化するかだ。経済を安保の武器に」
(鈴木一人・東大教授)
・「揺さぶられても崩れない国家を」
(東野篤子・筑波大教授)
・「AIもデュアル(軍民両用)技術の一環として非常に重要」
(森田隆之・NEC社長)
新外交方針で供給網・軍事協力を強化
日帝、「国防資源獲得」へ
インド太平洋
4月末に強行した武器輸出規制の全面撤廃を大きな画期として、日帝・高市政権は中国侵略戦争への全面的突入に向かって全力で動いている。この連休中には高市がベトナムとオーストラリアを、防衛相・小泉進次郎がインドネシアとフィリピンを歴訪し、物資の確保や軍事協力の拡大を打ち出した。さらに外相・茂木敏充もアフリカ4カ国を歴訪し、経済安全保障分野での関係強化を呼びかけた。すべては、相手国―地域に対する中国の影響力に対抗し、中国侵略戦争における継戦能力を確保するためだ。
高市は5月2日、ベトナムで演説し、安倍が2016年に打ち出した「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」構想を、経済安保を軸に〝進化〟させた新FOIPを発表した。高市は「国際環境の変化」を強調し、〝経済・社会・安保のあらゆる面で脅威(=中国)に打ち勝つ〟ための「自律性」と「強靱(きょうじん)性」強化を呼びかけた。中でも、①エネルギーや重要物資のサプライチェーン(供給網)強靱化、②環太平洋経済連携協定(TPP)の拡大、③安保分野での協力を三つの重要分野として挙げた。
FOIPの〝具現化〟として高市は4月、アジア各国との協力枠組み「パワー・アジア」を発表した。「日本による重要物資の安定的な調達」のため、ベトナムなどへ総額約100億㌦の金融支援を行い、アジアのサプライチェーンを強靱化するというものだ。
高市は「法の支配に基づく国際秩序を築く」などと言うが、そんな言葉は何の説得力も持たない。FOIPの最重要パートナーである米帝・トランプは「私には国際法は必要ない」と放言し、ベネズエラ侵攻に続いてイランへの侵略・人民虐殺を続けている。こうした帝国主義の支配のもとに東南アジア諸国を従わせ(中国から引きはがし)、対中国侵略戦争の「準同盟国」に引き入れようとしているのが日帝・高市だ。
豪と「準同盟」深化
さらに高市は4日、日本が液化天然ガス(LNG)の4割、石炭の7割を調達する輸入先であるオーストラリアを訪問してアルバニージー首相と首脳会談を行った。両首脳は中国を念頭に「経済的威圧や有害な過剰生産」を非難し、エネルギーやレアアースを含む重要鉱物などのサプライチェーン強化を柱とする「経済安全保障協力に関する日豪共同宣言」に署名した。
日帝にとって豪州は同盟国・米帝に次ぐ「同志国」の中核だ。4月には、日本の「もがみ」型護衛艦(能力向上型)をベースに豪海軍の新型フリゲート艦を共同開発する事業を発表したばかりだ。高市は5月4日の会談後の共同記者発表で豪州と「準同盟国とも言える関係を築いている」と強調し、実戦に向けた軍事協力強化をアピールした。
中古護衛艦輸出し日比連携
武器輸出の全面解禁をも契機に敗戦帝国主義としての制約打破に乗り出した日帝は、国策としての武器輸出加速を通じて自衛隊と各国軍の相互運用性を向上させ、「準同盟国」との関係を実戦に向けて質的に転換させようとしている。
豪州と並ぶ焦点がフィリピンだ。小泉は5月5日、自衛隊が初めて本格参加した米比の大規模合同演習「バリカタン」のさなかでフィリピンに乗り込んだ。テオドロ国防相との会談では「防衛装備移転三原則及び運用指針の改定は、地域と世界の平和と安定に対する日本の貢献をさらに強化するものだ」と強調した。
重大なのは、退役させる海上自衛隊の「あぶくま」型護衛艦の輸出に向けた協議の開始で一致したことだ。同艦は高性能機関砲や対潜水艦・艦船ミサイル装置一式、魚雷などを備える。殺傷武器の輸出に踏み切った日帝は、日本列島―台湾からつながる「第1列島線」上に位置し、南中国海で中国と領有権を争うフィリピンを第1号案件の輸出先に定めたのだ。フィリピンには今年すでに、日帝が「政府安全保障能力強化支援(OSA)」で供与した沿岸監視レーダーが配備されている。
そして日帝は護衛艦の輸出にとどまらず、比海軍への教育や訓練、整備、情報共有などを含めた「包括的な装備協力」を進めようとしている。これは海自が利用できる整備拠点を東南アジアへ広げるものだ。さらに、陸上自衛隊の防空ミサイル「03式中距離地対空誘導弾(中SAM)」の輸出も計画されていると報じられている。両者が会談にあわせて発表した共同プレス声明は、中国を名指しし「深刻な懸念」を表明する異例の内容となった。さらにバリカタンを「日比両国の連携の深化を象徴する」演習として持ち上げた。
これに先立つ4日には、小泉はインドネシアで同国のシャフリィ国防相と会談。海自の中古潜水艦輸出を視野に、軍事物資の融通や共同訓練での連携拡大を盛り込んだ取り決めを交わした。閣僚や事務次官、統合幕僚長級の各層で協力推進に向けた議論を行う「統合防衛対話メカニズム」の立ち上げも決めた。
また、今回、高市・小泉が訪れたベトナム、インドネシア、フィリピンはいずれも、中国の「一帯一路」構想の要衝であると同時に、かつて日帝が侵略した地だ。日帝は1941年12月8日、ハワイ・真珠湾攻撃に先立ち、太平洋戦争の緒戦としてマレー半島への上陸作戦を開始した。中国侵略戦争が泥沼化する中で継戦能力確保のための「国防資源獲得」の場=「生存圏(ナチの概念を借用)」として東南アジアを占領し、軍政を敷いて収奪と人民虐殺に手を染めた。官民挙げて資源に群がる高市政権の「資源外交」は、この歴史の再来だ。絶対に許してはならない。
米帝は国家安全保障戦略(NSS)―国家防衛戦略(NDS)に、第1列島線を中国侵略戦争の最前線として「強固な拒否防衛体制を構築する」ことを明記した。日帝は帝国主義としての延命をかけて必死でこれに応え、侵略国家化を加速させている。安保・沖縄闘争を今こそ爆発させよう。
改憲に死活かける日帝・高市
与野党挙げ「来年発議」狙う
日帝・高市は改憲について「国会において決断のための議論を進める」(5月3日)と宣言し、来年までと「期限」を区切って改憲へとまっしぐらに突き進んでいる。中国侵略戦争を総力戦体制で戦う日帝・高市にとって9条改憲は至上命題だ。その突破口に、戦時独裁を狙う緊急事態条項創設を位置づけている。改憲粉砕・中国侵略戦争阻止の決戦の火ぶたが切られた。
憲法記念日の3日、極右団体・日本会議が主導する「民間憲法臨調」「美しい日本の憲法をつくる国民の会」(共に桜井よしこが代表)の改憲集会が開かれた。集会のテーマは「待ったなし、憲法改正!―強く豊かな日本を確立せよ」である。中国侵略戦争突入下で日帝支配階級にとって、改憲はまさしく「待ったなし」の課題なのだ。
高市はこの集会にビデオメッセージを送り「自主独立の権威の回復に向け、日本人の手による自主的な憲法改正は自民党の党是だ」と強調。「憲法制定時の79年前と現在とでは安全保障環境が全く異なる」と述べ、改憲に向けて「意見の集約を図り、結論を出す」と宣言した。
同集会の基調報告で桜井は、北朝鮮、中国、ロシアの「脅威」をあおり、「高市総理に人気が集まっているこの時期をおいて機会は二度とない。この1年間、死ぬ気になってこの国を再生させる決意を固めなければならない。これに失敗すればこの国は未来永劫(えいごう)立ち直ることができない」と、危機感をむき出しにして改憲攻撃の死活性を訴えた。桜井は、中国侵略戦争のための喫緊の課題として改憲を押し出している。
この集会には自民党と連立を組む日本維新の会や、野党・国民民主党代表の玉木雄一郎らが出席した。維新の衆院議員・阿部圭史は、「戦力不保持」を定める憲法9条2項を削除し「国防軍」を保持することを主張した。また玉木は高市が打ち出した「来年発議」に賛成し、自民、維新と協力して「建設的な憲法議論を進めていきたい」と語った。特に衆参両院で別々に憲法審査会が行われていることについて「衆参をまたいだ合意形成が必要」と述べ、具体論に踏み込んで改憲を推進する立場を示した。参院の議席数が半数にも満たない与党を助け、発議を強行しようというのだ。さらに「自衛隊明記」をめぐっては「自衛隊は戦力だ、自衛官は国際法上軍人だと正面から認めないと本当の改憲にならない」として9条改憲の必要性を強調した。
一方、同じ3日に東京・有明で行われた「憲法大集会」には5万人が集まり、「改憲絶対反対」の声を上げた。「日本が加害国になるのは許せない」「戒厳令を実力で打ち破った韓国のような行動がしたい」----。青年・学生・女性を先頭とする労働者人民の高市に対する怒りは全国へと広がり、行動を生み出している。だが集会の主催者や日本共産党スターリン主義をはじめとする「野党」の代表らは、いま現に日帝が具体的に開始している中国侵略戦争についても、イラン侵略戦争に加担していることについても一切触れず、日帝を「平和国家」と美化し、帝国主義の現体制を擁護する訴えに終始した。
改憲の本質は中国侵略戦争突入であり、改憲阻止は中国侵略戦争阻止の反戦闘争と一体だ。このことを真正面から訴え、「改憲・戦争阻止!大行進」運動の大衆的発展をかちとろう。
国家総動員狙う成長戦略会議
「継戦能力確保」を掲げ
安保3文書改定に向けて4月27日に開かれた「総合的な国力から安全保障を考える有識者会議」で、高市は「外交力と防衛力を、経済力、技術力、情報力、人材力と有機的に連携させて、日本の総合的な国力を徹底的に強くしていくことが大事だ」と述べた。内閣官房国家安全保障局が同会議に提出した資料には、ウクライナ戦争の教訓として「『新しい戦い方』への対応と継戦能力の確保の重要性」が突き出されたと書かれている。中国侵略戦争に向けて、国家機関はもとより経済や社会、労働力を含む国力のすべてを軍事のもとに統合しなければならないと言うのだ。その核心にあるのは、「継戦能力確保」のための国家総動員体制の構築だ。
軍事中心の17分野に「危機管理投資」
それを具体的に立案し実行するために設置されたのが、日本成長戦略本部と日本成長戦略会議だ。高市を本部長に全閣僚で構成する日本成長戦略本部の初会合が昨年11月に開かれ、人工知能(AI)・半導体、造船、量子技術、航空・宇宙、資源・エネルギー安全保障、重要鉱物・部素材、防衛産業、情報通信、海洋など17分野を「危機管理投資」「成長投資」の対象とすることが決定された。これらはいずれも軍事や核と密接にかかわるか、資源や部品の供給において中国に依存しない体制づくりを狙う領域だ。それは、継戦能力の確保にとって必要不可欠とされるものだ。
日本成長戦略本部のもとに設置された日本成長戦略会議は、経団連会長の筒井義信や日本商工会議所会頭の小林健とともに、連合会長の芳野友子をメンバーに加えた。連合を産業報国会へとさらに純化させ、労資一体で軍事経済化を進めるための体制だ。
同会議は、17の投資分野に対応した各分科会を設け、それらの「投資促進」に向けた具体的な検討を重ねている。各分野ごとに優先投資対象にすべき製品や技術が列挙され、防衛産業分野の場合、第一の投資対象にされているのは「小型無人航空機」だ。これはまさに、安保3文書改定に向けた有識者会議が「ウクライナ戦争を教訓とした『新しい戦い方』」を強調したことと重なる。
日本成長戦略会議は、ドローンの開発は「デュアルユース(軍民両用)技術として......『防衛と経済の好循環』も実現できる」と言う。同会議は、日本の民需用ドローンの9割が中国製という現状に危機感を募らせ、それを打破しようと躍起になっている。小泉防衛相はドローンなどの武器生産を拡大するため「国が前に出るしかない。民間だけに頼ってはいけない」と発言した。高市内閣が武器輸出を全面解禁した4月21日の翌日には、ドローン開発を手掛けるテラドローン社とACSL社の株価が急上昇した。大手軍事企業・三菱重工業の株式時価総額は15兆円を超え、5年前の13倍に膨らんでいる。
軍事企業には国家財政をつぎ込んで膨大な利益を保証する一方、労働者人民は地獄の戦場にたたき込まれて中国―アジア人民との殺し合いをさせられる。帝国主義の侵略戦争は絶対に許せない。
労働力の軍需産業への強制的な移動
日本成長戦略会議は、17の投資分野に対応した分科会とともに、全分野にまたがる横断的課題を検討するため、競争力強化や金融、サイバーセキュリティーなど八つのグループを設置した。その軸をなすのは、労働市場改革分科会と「賃上げ環境整備に向けた政労使の意見交換」だ。国家・社会の全面的な戦時統制は、労働者支配の転換なしにありえないからだ。
労働市場改革分科会は「労働生産性の向上」と「労働移動の円滑化」を検討課題にする。高市は同分科会に、「柔軟で多様な働き方を実現する」ための労働時間規制の緩和を検討するよう指示を出した。これを受けて経団連は、裁量労働制の拡大を声高に叫んでいる。同分科会は、「成長投資」促進に向けて労働生産性を5年で15%上昇させる方針を打ち出した。労働力が絶対的に不足する中、それは労働時間を最低でも15%延長しなければ実現できない。つまりこれは、兵器の生産を急拡大しなければならない戦時において、労働者は死ぬまで働けということだ。「労働力の円滑な移動」も、軍需産業に労働力を強制的に移動させることが目的だ。その根本にあるのは、労働組合を解体する攻撃だ。高市が言う「賃上げ環境の整備」とは、これを全面的に強行することを意味する。メーデーに高市を招き入れた連合は、それをすべて受け入れ、産業報国会になると誓ったのだ。
日本成長戦略会議は、今夏までに成長戦略をまとめ、それを次期の骨太方針に反映させる方針だ。それは、反戦闘争を圧殺し、国家総動員体制を整備する攻撃だ。6・14全国反戦闘争の位置はますます高まった。総力で結集し、中国侵略戦争阻止・高市打倒へ闘い抜こう。
過去最大の米比演習「バリカタン」
自衛隊、本格参加し実弾訓練


4月20日~5月8日、米フィリピン共同演習「バリカタン26」が行われた。過去最大規模の1万9千人が参加し、自衛隊は陸海空自から1400人と昨年の10倍の人員を動員した。日比の円滑化協定(RAA)が昨年9月に発効したことで、2012年以降からのオブザーバー参加、そして昨年の海自護衛艦派遣からも一線を画した、「本格参加」となったのである。
バリカタン26は、アメリカ帝国主義が国家防衛戦略(NDS)で中国侵略戦争の最前線に設定した「第1列島線」(日本列島―九州・沖縄など南西諸島―台湾―フィリピン)で、「インド太平洋防衛のアキレス腱(けん)」(防衛省幹部)と呼ばれるフィリピンを米軍・自衛隊が連携して支え、中国侵略戦争を遂行する一角として機能させることを目的とするものだ。防衛相・小泉進次郎が演習最中の5月5日にフィリピンを訪問し、海自の中古護衛艦の輸出へ向けた協議の開始を決定したことと一体の動きである。また同演習は、フィリピンが中国侵略戦争―世界戦争の主要な戦場であるため多国間演習としても強化されている。豪州、ニュージーランド、カナダ、フランスが参加し、オブザーバー参加は10カ国を超えた。
自衛隊からの参加は、イラン侵略戦争で在日米軍の強襲揚陸艦「トリポリ」の出撃拠点となっている、佐世保を拠点とする水陸機動団などの隊員だけで860人を占める。自衛隊・防衛省は、88式地対艦ミサイルや基地防衛用対空ミサイルを持ち込み、実弾を用いた「対上陸作戦」を訓練したことを強調している。訓練に参加した水陸機動団第2連隊長が「国内ではやりきれない訓練をやれた」と語っていることは重大だ。日本の労働者階級人民の反基地闘争に包囲される自衛隊にとって、陸海空自が連携して豊富な種類の装備を実弾で運用できる場所など日本国内では限られている。その点で今回のバリカタンは、南西諸島を激烈な戦場にたたき込むことを前提とする米海兵隊の対中国作戦「遠征前進基地作戦(EABO)」を米軍とともに担う自衛隊にとっても絶好の訓練だったのである。それは、5月17~22日に強行されようとしている陸上総隊のEABO演習と一体だ。
さらに、同演習は4月6日から行われている米比共同演習「サラクニブ」とも一体で、陸自はこの演習にも420人が参加している。これは、「1945年以降で初めて、日本の戦闘部隊が再びフィリピンの地に展開する」(比軍参謀総長・ブラウナー)ものだ。太平洋戦争においてフィリピンは、すでにマリアナ海戦とサイパン陥落で敗戦必至となっていた日本帝国主義・昭和天皇ヒロヒトが、「一撃講和論」を振りかざして無謀な「決戦」を強いた戦場だった。百万を超えるフィリピン人民を死に追いやった日帝が、再びの中国侵略戦争を構えてフィリピンの地を踏むことなど、絶対に許せない。5・15沖縄闘争―6・14全国闘争に総力で決起しよう。