核戦争情勢とNPT会議決裂 日帝の核共有・核武装を許すな!

週刊『前進』04頁(3449号03面04)(2026/06/01)


核戦争情勢とNPT会議決裂
 日帝の核共有・核武装を許すな!


 米ニューヨークの国連本部で5月22日、約1カ月にわたり開催されていた核不拡散条約(NPT)再検討会議が決裂・閉会した。「成果文書」を3回連続で採択できないという事態は、1970年の条約発効以来初めてだ。帝国主義とスターリン主義の相互依存=対立的関係の破綻がアメリカ帝国主義による中国侵略戦争―世界戦争突入として爆発を開始し、ウクライナ、イラン侵略戦争で核戦争が現実化している中で、核問題が侵略と争闘戦の最大の焦点となり、日本帝国主義はじめ各国は核武装に国家の生き残りをかけている。今や全帝国主義が先を争って核政策の歴史的転換に踏み切っている。フランス帝国主義・マクロンは3月に核弾頭の増加と核抑止の範囲を欧州8カ国に広げる「前方抑止」への転換を打ち出した。日帝・高市政権は「日米同盟の拡大抑止を実効性あるものにしていく必要性がある」(安保3文書の改定に向けた有識者会議)とし、「核共有」を視野に非核三原則の解体を狙う。今回の会議でも中国が「日本は核兵器を配備しようとしている」と指摘し日帝との応酬が続いた。

中国侵略戦争での核使用を狙う米帝

 何よりも米帝こそが自らの世界支配の維持のために核戦力の近代化を進め、核戦争を引き寄せている張本人だ。米帝は成果文書草案の「核兵器のいかなる使用も壊滅的な人道上の結末をもたらす」という一節に反発して「核兵器」の語を削らせた。イラン核施設をも平然と爆撃する米帝は、何より中国侵略戦争において核兵器を使用することを大前提としているのだ。絶対に許してはならない。
 今回の会議では、成果文書をめぐる最終段階の交渉でイランについての記述が焦点となった。決裂を回避するため、草案からは核の先制不使用や「核抑止」「核共有」に懸念を示す部分が次々と削り落とされた。「イラン国内の核施設に対する攻撃への重大な懸念」という部分も米帝とイスラエルの反対で書き換えられ、最後に残った対立項目が「イランはいかなる核兵器も追求、開発、取得してはならない」というものだった。米帝は同項目の維持を、イランは削除を要求して譲らず、採択にすら至らなかったのだ。

NPT体制の核心は米の核戦力維持

 米帝の代表は「イランが加盟国を人質に取った」などとイランに決裂の責任を押し付けたが、そもそもこの間、核をめぐる既存の合意や条約、枠組みを次々と否定してきたのは、ロシアと並ぶ世界最大の核保有国である米帝の側だ。
 第1次トランプ政権の2018年には、15年に米国とイラン、英仏独中ロが〝イランの核開発制限をめざす〟として結んだ「イラン核合意」を米帝が一方的に離脱。同年2月に発表した「核態勢見直し(NPR)」では先制核攻撃も示唆し、「使える核」として小型戦術核を開発することを明記した。19年にはロシアとの間の中距離核戦力(INF)全廃条約を破棄し、昨年10月の米中首脳会談の直前には、トランプが米国防総省に「核実験再開」を指示するに至った。
 そして米帝は今年2月、ロシアとの間の新戦略兵器削減条約(新START)を失効させ、その直後に〝イランが核開発を進めている〟というデマでイラン侵略戦争に踏み切ったのだ。米帝とイスラエルの中東支配を脅かし中国と結びつくイランに対してトランプは、「石器時代に戻す」「文明を滅ぼす」などと核使用・核戦争をほのめかした恫喝を繰り返している。
 そもそもNPT体制は「核軍縮・核不拡散の基盤」でも何でもない。第2次世界大戦の戦勝国である米英中ロ仏にのみ核保有を認め、他の締約国の保有を禁じるNPT体制の核心は何より、世界最強の核軍事大国である米帝の核戦略を正当化することにある。体制延命のためなら戦争・核戦争も辞さない中国スターリン主義もまた核戦争を促進する共犯者だ。帝国主義とスターリン主義を打倒することこそが世界戦争・核戦争を阻む唯一の道だ。何より日帝の核武装を断じて許さず、今夏8・6―8・9闘争に総決起しよう!
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