3文書改定=中国侵略戦争阻止 継戦能力と軍事協力拡大に突進
週刊『前進』04頁(3451号02面01)(2026/06/15)
3文書改定=中国侵略戦争阻止
継戦能力と軍事協力拡大に突進

高市政権は6月8日、安保3文書改定に向けた2回目の有識者会議を開き、9日には自民党が同改定の提言をまとめた。防衛白書の概要も明らかになった。そのすべてが強調するのは中国侵略戦争の継戦能力の形成と対中軍事同盟拡大だ。
軍需生産・武器輸出で社会を「強靭化」
6月8日の「総合的な国力から安全保障を考える有識者会議」の第2回会合では、「外交力及び防衛力」をテーマに具体策の議論が進められた。「外交と防衛を『車の両輪』とする強い外交・安全保障」(6月2日の自民党外交部会決議)を通じて、「日本にとって望ましい安全保障環境を創出」することが打ち出された。外交をめぐっては、「相互運用可能な装備を他の国が持つことにより、互いに必要な時に融通できる関係をつくる」(東大院教授)などと、武器輸出を通じた対中国の軍事同盟関係の形成に力点がおかれた。防衛省がまとめた2026年版防衛白書も、中国の軍事動向を「最大の戦略的挑戦」とする前年の表現を踏襲し、「総合的な国力と同盟国・同志国などとの協力・連携により対応すべき」と打ち出した。また軍需生産・技術基盤を「防衛力そのもの」と位置づけ、相手国と同じ武器を保有することで「相互に支援する環境を構築」するとしている。
さらに自民党は8日、高市に経済安全保障の強化に関する提言を出した。ウクライナ戦争やイラン侵略戦争で突き出された日本帝国主義の脆弱(ぜいじゃく)性に危機感を燃やし、「平時から『有事があり得ることを前提』とした社会・産業構造の強靱(きょうじん)化」を進めるよう求めるものだ。これら一切が中国侵略戦争への全面的な突入に向けた動きだ。戦争の遂行を一切に優先するために社会・産業構造を転換し、「総合的な国力」を動員した「総力戦」体制を構築しろと叫んでいるのだ。
アメリカ帝国主義は中国侵略戦争の戦略として、沖縄・九州を含めた日本列島から台湾―フィリピンを結ぶ「第1列島線」に沿った「強力な拒否防衛体制」を築くことを要求している。日帝・高市政権は必死でこれに応え、自らの帝国主義的延命をかけて中国侵略戦争に全力で参戦している。そのための重要な柱として「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」構想のもと、オーストラリアやフィリピンをはじめとする「同志国」との軍事協力を一気に進めようとしているのだ。
「準同盟国」へと日比関係引き上げ
高市は5月28日にフィリピンのマルコス大統領と首脳会談を行い、日比関係の引き上げと機密情報を交換するための軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の正式交渉入りを決めた。フィリピンとの間では、昨年9月に比軍と自衛隊が互いに相手国を訪問しやすくする円滑化協定(RAA)が発効し、今年1月には物品役務相互提供協定(ACSA)に署名した。東南アジアで初の「準同盟国」化が異例のスピードで進められている。4~5月に行われた米比主催の大規模演習「バリカタン」には初めて自衛隊が本格参加し、海上自衛隊の「あぶくま」型護衛艦のフィリピンへの輸出は武器輸出の解禁後初の案件となる見通しだ。アジア安保会議で「地域全体の装備協力(=武器供給)において新たな役割を担う」と演説した防衛相・小泉進次郎は直ちに各国の防衛相らと会談し、シンガポールやベトナム、インドネシアとも護衛艦や潜水艦の輸出、軍事技術協力の推進を確認。豪・ニュージーランドと、海自「もがみ」型護衛艦(能力向上型)の導入をめぐる初の3カ国会談も行われた。
日帝が国策として推進する武器輸出は「継戦能力確保」の一環だ。4月21日に改定された「防衛装備移転三原則」は、武器輸出が「我が国の防衛生産・技術基盤の維持・強化、ひいては我が国の防衛力の向上に資する」と明記する。
またインドでは5月26日、10カ月ぶりに日米豪印の戦略対話「QUAD(クアッド)」外相会合が開催され、対中国を念頭に経済安保での連携強化が確認された。6月3、4日に東京で初めて開催された世界島嶼(とうしょ)国海洋会議も、中国に対抗して「第2列島線」以東の島嶼国をインフラ投資で囲い込もうとするものだ。
こうした帝国主義の「外交」とは戦争の一部であり、帝国主義戦争に「平和外交」や「地域の平和と安定」を対置する日本共産党スターリン主義は米帝の中国侵略戦争の先兵以外の何ものでもない。何より、日帝がかつて侵略し人民を虐殺した東南アジア諸国を中国侵略戦争に引き込み、インド太平洋地域全体を再び戦場にすることなど絶対に許してはならない。
日帝の安保3文書改定=中国侵略戦争突入阻止へ、6・14闘争の高揚を引き継ぎ、戦争の元凶=帝国主義打倒の巨大な反戦闘争を巻き起こそう。