日米、核使用へ具体的協議 小泉「タブーなき議論を」

週刊『前進』04頁(3457号02面02)(2026/07/27)


日米、核使用へ具体的協議
 小泉「タブーなき議論を」


 「議論するのが難しい課題だが、触れざるを得ない一つは核だ」——6月18日に公開されたインターネット番組で防衛相・小泉進次郎は、核武装への意志を公然と表明した。小泉は続けて、フランスが核戦力を増強し、フィンランドが核の持ち込みを認めたことを引き合いに出して「タブーなく議論し、進めなければいけない」と述べた。今月8~9日の日米拡大抑止協議(EDD)で米帝とも意思一致して、安保3文書の改定へ向け、非核三原則の解体=核共有・核武装を進める宣言である。米帝の中国侵略戦争―世界戦争が核戦争として構えられている中でその最前線を担う日帝は、帝国主義としての延命をかけて核武装への道を走り出しているのだ。

核戦争構え日米が拡大抑止協議開催

 日米EDDは、米帝の中国侵略戦争準備が本格化した2010年から始まり、24年7月からは閣僚レベルへと格上げされた。
 「拡大抑止」とは端的に言えば米帝の「核の傘」のことだが、これを実効性あるものにするためには、いかなる状況・規模・方法で運用するか、核の持ち込み方法から果ては実際に核を使用する場合の具体的ラインの確定まで含めてあらかじめすり合わせておく必要がある。つまり、日米EDDが開始され発展してきたのは、中国侵略戦争を米帝が実際に核戦争として構え、それに日帝が積極的に応じていることの表れなのである。
 そして25年6月には笹川平和財団が、「拡大抑止の運用面での実効性向上を目指す」として、非核三原則の解体=日本への核持ち込みと核共有をすべきとする提言を発表した。提言は同年3月の日米の元高官らによる会議の内容をベースとしたものであり、そこには「スタンドオフ能力を活用した反撃……は対象国を直接打撃するため、核兵器使用へのエスカレーションを意識した管理が必要……これまで希薄であった米戦略軍と自衛隊との機密レベルの情報共有・意思疎通が重要な課題」、つまり〝中国本土への長射程攻撃は核戦争に発展するため、米戦略軍=核兵器の運用を担当する軍と自衛隊が連携する必要がある〟とあけすけに中国侵略戦争が核戦争となることが述べられている。さらにはその際の米軍・自衛隊の核の運用方法についても多くの具体例(自衛隊による米戦略爆撃機の護衛、核兵器を搭載した原子力潜水艦の日本への持ち込み、自衛隊のF35A戦闘機への米軍核兵器の搭載など)が挙げられている。これらは自衛隊が積極的に加担、あるいは自衛隊自身が中国人民に対して核兵器を使用するということである。絶対に許してはならない!
 この提言のベースになった議論に参加した山崎幸二(元統合幕僚長)は、安保3文書の改定に向けた高市の諮問会議である「総合的な国力から安全保障を考える有識者会議」のメンバーでもある。つまり笹川平和財団の提言は、実際に安保3文書に組み込まれるものとしてある。今回の小泉発言は極めて具体的に核戦争を見据えてなされたものなのである。

拡大する「核兵器近代化計画」の姿

 米帝は10年、日米EDDの開始と一体で30年で1兆㌦もの巨額を投じる「核兵器近代化計画」を策定。この計画は拡大を続け23~32年には毎年750億㌦がつぎ込まれる予定で、今や30年どころか10年で1兆㌦に迫る規模だ。
 20年に新しい潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の核弾頭として配備されたW76―2は5㌔トン(広島原爆の約3分の1)の威力を持ち、搭載するSLBMそのものは1万㌔メートル超の射程を持ち、ほぼ地球のどこにでも届く。32年には海洋発射型核巡航ミサイル(SLCM―N)が原潜に配備される予定で、目標により確実に到達する核巡航ミサイルを、海中に1カ月以上も潜航できる原潜に搭載するというのだ。
 巨大な戦略爆撃機B52Hに搭載できる空中発射巡航ミサイル(ALCM)も小型核を搭載できる。中国軍が25年に行ったシミュレーションでは、「B52Hに大量に搭載した小型核ミサイルで重要施設が一挙に無力化されかねない」という結果が出たとされる。
 最新鋭のステルス戦闘機やステルス爆撃機に搭載する核爆弾B61―12は「核バンカーバスター」とも呼ばれ、最大50㌔トンという広島原爆の3倍の威力で地下施設を攻撃できるものだ。
 米帝は、こういった核戦力を500カ所を超える在外米軍基地を持つ軍事展開力と合わせて運用できるのだ。これらの小型化された核は通常弾頭と全く見分けがつかないために「誤解による核反撃」を誘発して一気に核戦争へと至る可能性が高いとも言われ、中国侵略戦争は戦端が開かれることになれば一瞬で核戦争へと発展する可能性すらあるのだ。世界を文字通り核の炎で包むことのできる米帝の中国侵略戦争―世界戦争・核戦争を絶対に阻止しなければならない。

「唯一の被爆国」をかたり核を正当化

 前出の笹川平和財団の提言は、「国民に対して説明する必要」に言及し、その中で「日本は唯一の被爆国として核廃絶の理想を掲げ続ける」ことを一番に位置付けている。恐るべき核戦争を遂行するためには結局、労働者階級人民を核の脅威に屈服させ、「中国の核に対する平和のための核」だと思わせなければならないのである。ゆえに、23年に広島で開催された主要7カ国首脳会議(G7サミット)で発出された「広島ビジョン」のように、ロシアや中国の核を一方的に非難し米帝をはじめとする帝国主義の核を容認させるために彼らはヒロシマを利用しようとしているのだ。
 しかし、日帝・高市が壇上に立ち、米帝をはじめ帝国主義各国の代表が参列する平和式典と、核と帝国主義戦争に怒りを燃やすヒロシマ・ナガサキの被爆者とは相いれない。核戦争容認の「平和式典」=戦争式典を粉砕する実力闘争をたたきつけよう。
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