米帝がイラン侵略を再激化 トランプ「壊滅的経済作戦」叫ぶ

週刊『前進』04頁(3461号04面01)(2026/08/31)


米帝がイラン侵略を再激化
 トランプ「壊滅的経済作戦」叫ぶ


 米帝・トランプは8月19日、イランに対する「最も壊滅的な経済作戦」「かつてない規模の経済的戦争行為及び孤立化」「経済的Dデー」を宣言した。「Dデー」とは第2次大戦時のノルマンディー上陸作戦のことであり、戦争の巨大なエスカレーションだ。米帝が中国侵略戦争を開始した中でイラン経済制裁の最大の標的は中国である。闘う中国人民、イラン人民と連帯し、侵略を内乱へ転化する大反戦闘争を爆発させ、反帝国主義・反スターリン主義世界革命へ進撃しよう。

侵略戦争が破綻し凶暴化

 米帝・イスラエルのイラン侵略戦争はイラン人民の徹底抗戦の前に破綻している。米帝の新植民地主義的支配・中東石油支配を支えてきた湾岸反動王政諸国にある米軍基地はイランに攻撃されている。トランプは8月14日、「ホルムズ海峡をアメリカの領土にする」と発言したが、現実には、タンカーの通過はイラン側に押さえられている。
 イランの最高指導者・司令官、そしてミナブ小学校を始めとする民間人の大虐殺、病院や水供給施設などのインフラへの攻撃から始まったこの侵略戦争は、全世界の労働者人民の怒りの的になっている。何よりもアメリカ国内の反戦闘争が拡大し、それが米軍兵士にも反映している。
 中東の戦域に260日以上展開したままの空母「エイブラハム・リンカーン」では、自殺・自殺未遂事件が頻発している。超高額な戦闘爆撃機を搭載する一方で、兵士の生活空間の設備の老朽化・衛生状態の悪化、食事の劣悪化があり、1905年のロシア革命の引き金の一つとなった「戦艦ポチョムキンの反乱」的な事態になっている。
 そうした危機の中で、横須賀から空母「ジョージ・ワシントン」が中東戦域に派遣された。この空母の中東派遣は「東アジア地域・中国より中東が重要」ということではない。中国侵略戦争のためにこそ中東の戦争が行われているのだ。米帝は世界中に軍事基地を持つが、群を抜いて最大のものは日米安保同盟による在日米軍、特に在沖米軍であり、在韓・グアム米軍などを合わせてとてつもない兵力が中国直近に置かれている。それに大軍拡中の自衛隊が加わるのだ。

中国の「一帯一路」標的に

 これは、米帝が中国侵略戦争をすでに開始した中で行われている。イラン経済制裁の真の標的は中国スターリン主義なのだ。
 「イランのライフラインを提供する金融機関・企業・空港……を許容するいかなる国も、恐るべき経済的重大事態に直面する」と述べたトランプの宣言と同様のことを23日、ベッセント財務長官も繰り返した。
 イランの原油輸出の9割は中国向けであり、イランは貿易決済も米帝主導の国際銀行間通信協会(SWIFT)の決済システムから排除されて中国のシステムに依存している。中国側も、第1次トランプ政権以来の経済制裁・通商戦争を受け、イランとの通商が死活的になっている。中国は広域経済圏構想「一帯一路」の一環として25年5月に中国とイランを結ぶ鉄道(2系統)を全線開通させ、それに先だつ23年3月には中国が仲介して、サウジアラビアとイランを国交回復させている。
 ベッセントは、「イランとの融和を続けるなら容赦しない」と脅したが、その内容は、金融システムによるイランとのつながりに加え、イランへのサプライチェーン(供給網)・ロジスティクス(物流・兵たん)の供与を制裁の対象とするという。つまり、中国の一帯一路が米帝のターゲットになるということだ。
 そして石油である。米帝自身が産油国であり、また中東を始めとした地域を軍事支配し、さらに原油採掘から精製までを圧倒的に支配している。これに北大西洋条約機構(NATO)諸国の巨大石油会社も加わる。米帝が中国侵略戦争に踏み切る中で、米帝・NATOのウクライナ戦争・対ロシア経済制裁が行われ、石油・ガスを武器にした米帝の軍事外交は、ますます重大化している。1月、米帝は世界最大の石油埋蔵量を持つベネズエラを軍事侵略し経済制裁をしたが、これもその一環だ。中南米を米帝の「裏庭」として暴力的に独占的支配を再確立しようという「ドンロー・ドクトリン」は、中国(ロシア)の締め出しを核心とするものだ。実際ベネズエラの石油を運んでいたロシア船を米軍は軍事攻撃し拿捕(だほ)している。「経済制裁」は単なる経済ボイコットではなく、それ自体が軍事=戦争なのである。

反帝・反スタ世界革命こそ

 このような米帝の軍事的・経済的重圧を受けて、中国スターリン主義は反人民的な軍事対抗を行い、石油輸入の確保に必死になっている。原油輸入の半分を中東に依存する中国は、備蓄原油とロシアからの輸入、太陽光発電の増加などでしのいでいるが、米帝は今回の「経済的Dデー」でさらに中国を締め付けようとしているのだ。
 核心は、唯一の圧倒的な大国として戦後世界体制の基軸国だったアメリカ帝国主義が大没落し、中国侵略戦争―世界戦争・核戦争にのめり込んでいることだ。帝国主義の基本矛盾が世界戦争として爆発している。世界革命に敵対する中国スターリン主義は、パレスチナ人民へのすさまじいジェノサイドを続けるイスラエルと通商する裏切りを行う一方、反人民的な軍事対抗に走っている。
 中国侵略戦争―世界戦争・核戦争の全人類的な危機に対しては、反帝国主義・反スターリン主義世界革命以外に解決の道はない。血債にかけ、闘う中国人民、イラン人民と連帯し、侵略を内乱に転化しよう。
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