深まる米帝危機とイラン侵略 中国侵略戦争へ絶望的突進
週刊『前進』04頁(3463号04面02)(2026/09/14)
深まる米帝危機とイラン侵略
中国侵略戦争へ絶望的突進
アメリカ帝国主義のイラン侵略戦争は、イラン―中東人民の徹底抗戦の前に破綻を深めながら一層激化・拡大している。米帝・トランプは「覚書」交渉期限の8月16日を目前にして海軍横須賀基地所属の空母「ジョージ・ワシントン」を中東に送り、19日にはイランに対する「かつてない規模の経済的戦争行為及び孤立化」を宣言。30日には米軍が1カ月ぶりにイラン攻撃を再開した。一切は中国スターリン主義の打倒=中国侵略戦争―世界戦争そのものとして行われている。
空爆で人民虐殺しタンカー攻撃拡大
米軍は30日のイラン南部ララク島への攻撃を皮切りに、空爆やタンカーへの攻撃を繰り返している。9月1日の空爆は南部の広範囲に及び、子どもを含む18人を殺害。5日にはイランのタンカー5隻を破壊した。トランプは「ホルムズ海峡をトランプ海峡に」(2日)などとほざき、経済制裁と爆撃で侵略・虐殺を強行しているのだ。だが、イラン人民の不屈の民族解放戦争を背景にした反撃の前に、米帝は開戦当初掲げた目標を何一つ達成できず、決定的に追い詰められている。
米軍内部も動揺し、陸軍長官は辞任、陸海空軍参謀総長や司令官らは戦争の長期化を〝懸念〟し、軍高官の更迭も相次いでいる。隊内では情報漏洩(ろうえい)に関する調査が、軍統合参謀本部の職員ら約50人に「うそ発見器」を用いて行われた。
中東の米軍基地も再建不能なほどに破壊されている。中東を管轄する第5艦隊の司令部があるバーレーンの米海軍基地は、主要機能が停止するほどの甚大な被害を受けているのだ。
また、ホルムズ海峡を迂回(うかい)して石油を輸送する親米サウジアラビアに対し、イエメンの親イラン組織・フーシがサウジの石油施設や空軍基地を攻撃し、戦闘が激化している。
他方で、11月の中間選挙を前に原油価格も高騰し、米帝は階級支配の危機を一層深めているのである。
中東支配の崩壊が米帝の危機を加速
米帝の歴史的没落、戦後世界体制の崩壊を根源にして中国侵略戦争―世界戦争が不可逆的に進行している。米帝はイラン侵略戦争を「収拾」することなどできない。世界支配の崩壊を深化させ、危機と矛盾を爆発させながら、中国侵略戦争に突進するしかない。トランプは8月24日、サウジアラビアとの「民生用」原子力協定案(イスラエルとの関係正常化を条件とする)を米議会に送付した。米帝はイランのウラン濃縮活動を口実に戦争を開始しておきながら、サウジのウラン濃縮活動は認めるというのだ。もともと米帝はイスラエルと中東諸国の国交正常化を進める「アブラハム合意」にサウジを引き込もうとしていたが、中国が2023年3月にサウジとイランとの国交を回復させたことでくさびが打ち込まれた。米帝は核技術の輸出をてこに中国の影響力を中東から排除していこうとしている。
また米帝の中東支配が崩壊する中、中東諸国が独自の戦略をもって動き出している。核保有国であるパキスタンが8月、トルコ、サウジアラビアとの「共同防衛協定」に署名。パキスタンはさらに、クウェートとの「共同防衛軍事協力協定」にも署名した。これらの動きはイスラエルの凶暴化も引き出しながら、イラン侵略戦争を激化・拡大させ、米帝の中国侵略戦争―世界戦争を激しく進行させる。
これに震撼(しんかん)する中国スターリン主義は反人民的な軍事的対抗で、米帝の中国侵略戦争を促進している。中国とロシアが主導する上海協力機構首脳会議は9月1日、「イランへの攻撃を非難する」共同宣言を採択。習近平は翌2日にエジプトのシーシ大統領と会談し、9月の訪米を前に米帝をけん制した。
反帝国主義・反スターリン主義世界革命こそ、イラン侵略戦争、中国侵略戦争―世界戦争を止める唯一の道だ。11月決戦に立とう。