安保3文書12月改定粉砕へ 中国侵略戦争へ全面突入 11・22全国反戦闘争へ総決起を
週刊『前進』04頁(3470号02面02)(2026/11/02)
安保3文書12月改定粉砕へ
中国侵略戦争へ全面突入
11・22全国反戦闘争へ総決起を
年内強行が狙われている安保3文書の改定は、中国侵略戦争の遂行に向けて自衛隊のあり方はもとより国家と社会の様相を全面的につくり変えるものになる。安保3文書改定に向けて高市が設置した「総合的な国力から安全保障を考える有識者会議」は9月17日と10月27日に会議を開き、12月上旬の報告書提出へ大詰めの議論を重ねている。11月中旬には3文書改定の自民党・維新の会の与党協議が開催される。11・22全国反戦闘争はこれと真正面から対決する歴史的決戦だ。
原潜導入し核武装を策動
9月17日の第4回有識者会議では、原子力潜水艦の保有が公然と語られた。これは非核三原則の解体と一体だ。10月14日の衆院予算委員会で高市は、シーレーン防衛に関して「原潜導入も含め具体的かつ現実的な検討を深めていく」と答弁した。防衛相の小泉進次郎も23日の衆院安全保障委で原潜導入に積極姿勢を示すとともに、核武装について「あらゆる選択肢を排除しない」と言い放った。日本帝国主義はアメリカ帝国主義との核共有を狙っている。そのために非核三原則の建前も投げ捨てるしかなくなったのだ。原潜保有は、米帝が配備を目指す海洋発射型核巡航ミサイル(SLCM―N)の日米共同運用をも念頭に置いて企てられている。中国侵略戦争は世界大の戦争だ。その戦域は「第1列島線」にとどまらず伊豆諸島からグアム、サイパン、パプアニューギニアに至る第2列島線に及ぶ。長期・高速の潜航能力を持つ原潜の保有は、それに対応したものだ。
安保3文書改定で政府は「拒否力を防衛力整備の柱に位置付ける」方針だと報道された。拒否力とは「相手国に日本へ攻撃を仕掛けても目的を達成できないと認識させ、作戦計画を断念させること」とされている。だがそれは戦争発動を回避するという意味ではない。現に米帝が「拒否防衛戦略」の名で構想しているのは、第1列島線上で中国軍にミサイルを撃ち込み、ドローンを使って兵士を殺すということだ。日帝も戦争発動を前提にしているからこそ「数年単位の継戦能力の構築」を絶対的な課題にしているのだ。
軍事・戦争を一切に優先
日帝は本格的な戦時体制の構築を目指している。第4回有識者会議では、2003年に制定された武力攻撃事態法を実際に発動するため、政府・自治体・企業が日常的に訓練を重ねるべきことが強調された。ウクライナ戦争やイラン侵略戦争を経て打ち出された「新しい戦い方」は、03年段階では想定されていなかったような総力戦体制の構想を求める。それを直ちに具体化し、実行に移せと有識者会議は言うのだ。この観点から、経済・財政の全面的な再編が唱えられる。その柱の一つに「公共インフラ整備」についての考え方の転換がある。第4回会議では、次のような議論がなされた。「従来の『民生に必要な空港等を整備し、自衛隊・海保も利用する』という発想から一歩進み、民生ニーズが乏しくても防衛省の強いニーズがある整備を検討する方針は政策として非常に重要。民生政策の副次的効果として安全保障に役立てるのではなく、安全保障上必要な効果・機能を先に特定し、それを実現するため各省庁の政策を逆算して動かすべき」。成田空港の機能強化攻撃にこそ、この発想は凶悪な形で貫かれている。
ここから有識者会議は、国家予算についても「(政府の事業にとって)防衛省・自衛隊のニーズが確実に反映される仕組みの構築が必要」「総合的な抑止力・対処力の議論によって、コアとなる防衛力の強化への予算確保が後退してはならない。『安全保障が確立して初めて経済活動が成り立つ』という原則を踏まえて議論すべき」と主張する。軍事の必要性を一切に優先しろと言うのだ。
第5回会議では、「安全保障と経済財政」に関する議論が集中的になされた。会議後の記者会見で元自衛隊統合幕僚長の山崎幸二は、「安全保障環境は非常に厳しさを増している。防衛費をしっかり確保することが重要だ」と述べた。ここに有識者会議の結論は端的に表れている。
帝国主義国の中で最弱の環に転落した日帝が大軍拡を強行すれば、財政破綻は避けられない。第5回会議に財務省が提出した資料は、「日本経済は危機に際して脆弱(ぜいじゃく)性が高く、有事になればその影響はより深刻」と自認して、株価急落や急激な為替変動(激烈な円安化)、輸入品の価格高騰と急激なインフレの可能性を指摘する。それへの実際上の対応策として法人税増税で防衛財源とする案も浮上した。だが、高市政権の基本方針は、あくまで「有事に戦略物資を増産できる持続的な対応能力の確保」にある。
第5回有識者会議は、「生産力こそが抑止力」をスローガンに「防衛産業基盤」を確立せよと述べ、半官半民の新法人を設立して、武器輸出の促進や新興軍事企業の支援などに取り組む方針を打ち出した。兵器工場を国が保有し、民間資本に運営をゆだねる「GOCO」方式の推進も確認された。
こうした経済社会の全面的な軍事化の一環に、大学の軍事研究への動員がある。軍事に応用可能な基礎研究に防衛装備庁が費用を助成する「安全保障技術研究推進制度」への大学などの研究機関の応募は、26年度に560件となり、うち47件が採択された。昨年度340件だった応募数の急増は、教育を含む社会全体が急速に軍事にのみこまれていることを示している。
侵略を内乱へ貫き闘おう
だが、これらの攻撃に対する労働者人民の怒りは必ず噴出する。フランスを始め欧州では、戦争がもたらした生活破壊への怒りが戦争そのものへの怒り、戦争なしに成り立たない帝国主義への怒りとなって爆発した。これは「明日の日本の姿」でもある。だから日帝は、人民の反戦決起を抑えつけ、戦時体制に組み敷くことに躍起となっている。有識者会議は、「国民の『安全保障リテラシー』を高める」ための「情報戦・認知戦」や「安全保障に関する学校教育の充実」を強調し、次のように言う。「防衛力強化の必要性には賛同しても自らの地域への配備には不安を持つという問題が生じ得る。安全保障環境の変化を踏まえ、なぜ整備が必要なのか、それが今の生活や国民の命をどう守るのかを結び付けて、説得力を持って説明すること(が必要だ)」
これは、帝国主義の戦争そのものに反対すること、日米安保に反対することは全国どこであれ断じて認めないとした上で、米兵による女性殺害事件に怒り、全基地撤去へ決起する沖縄の闘いをたたきつぶすという反動的宣言だ。それを手始めに、全国で巻き起こる反基地闘争を押しつぶそうと日帝はたくらんでいる。「説得力を持った説明」とは、闘争を圧殺し諦めを強いるための国家暴力の行使にほかならない。
だが、ここにこそ革命におびえる日帝の姿がある。今こそ中国―アジア人民への血債にかけて「連帯し、侵略を内乱へ」を貫き、70年闘争を超える安保・沖縄闘争の爆発をかちとろう。首相官邸に進撃するデモでその決起を押し開く決戦が11・22全国反戦闘争だ。