「農業改革」狙いは農地収奪 企業の農業法人支配許すな

週刊『三里塚』02頁(0899号02面02)(2014/07/14)


「農業改革」狙いは農地収奪
 企業の農業法人支配許すな

(写真 規制改革会議の農業ワーキンググループ座長を務めるIT企業会長の金丸恭文。農業破壊の首謀者)

 安倍政権は6月24日、「規制改革実施計画」なるものを閣議決定した。その中で、農業・農民切り捨てにつながる農業分野12項目の「規制改革」を盛り込んだ。狙っているのは結局、企業による農地の自由な取得・所有だ。
 事実、規制改革会議(議長=岡素之・住友商事相談役)下における農業ワーキング・グループ(座長=金丸恭文・フューチュアーアーキテクト会長)での議論は、企業本体による農地所有に関心が集中した。
 財界は従来から企業による農地所有を求めそのための農地法改悪を要求してきた。今回の「実施計画」では、直接その〝本丸〟を狙うのではなく、農業生産法人について制限されている企業の出資規制の大幅緩和をターゲットに絞り、盛り込んだ。
 農業生産法人について、現在25%に制限されている企業の出資上限を今回「50%未満」にまで引き上げた。ITコンサルティング企業の会長である金丸座長は「今回は寸止めになった」と過半数を盛り込めなかったことを残念がったと言うが、農業関係者の間では「事実上の支配のラインを超えてしまった」との危機感が強い。
 さらに「実施計画」では、農業委員会の解体策動が露骨に狙われている。農業委員会は農民による直接選挙によって委員を選び、農地の権利移動や転用を規制する「農地の番人」としての役割を果たしてきた。戦後農地解放闘争の一つの成果物だ。
 ここでも安倍政権は、この農業委員会を事実上解体する策動を強めているのだ。具体的には選挙制を廃止し、「市町村長の選任委員に一元化する」というのだ。規制改革会議は「適切な人物が透明な決定過程を経て委員になれるようにするためだ」との口実で、企業の覚えめでたいロボット委員を乱造しようとしている。
 さらに農業委員会は、耕作放棄地などを利用希望者に配分するための、権限を与えられているがこの業務も取り上げ、「農地利用最適化推進委員(仮称)」なるものを新たに法制化して、そうした御用委員に任せると言うのだ。
 ここでも狙われているのは「農地」だ。
 ある農業経済学者は「企業が農業をやるのであれば借りてやるのが一番合理的だ。今は地代も安い」と指摘し、「農地を取得したいとしきりに要求することにうすら寒さを感じる」と危機感を述べている。
 企業による農地の取得と工業用地への転用そして自由な転売――これこそ「規制改革」による農業破壊が狙うものだ。農業・農民・農地切り捨てを許すな。
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