10・8農地裁判 労農学200が高裁包囲デモ 市東さん、小林裁判長圧倒

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週刊『三里塚』02頁(0905号01面04)(2014/10/13)


10・8農地裁判
 労農学200が高裁包囲デモ
 市東さん、小林裁判長圧倒

(写真 10月8日、労農学市民200人は6月に続き、再び東京高裁を包囲するデモを闘い小林裁判長を圧倒した【東京・霞が関】)


 10月8日、東京高裁で、市東孝雄さんの農地裁判控訴審第3回弁論が闘われた。市東さんを先頭に反対同盟と顧問弁護団、駆けつけた労働者・農民・学生・市民195人が闘い抜き、交代した小林昭彦裁判長の結審策動を打ち砕く勝利をかちとった。
 早朝からのビラまき・情宣活動に続いて、10時30分から裁判所前でリレートーク。正午、日比谷公園霞門から「耕す者に権利あり/小林裁判長は農地を奪うな」と大書された横断幕を広げ、東京高裁を包囲するデモが霞が関を揺るがした。
 午後2時、反対同盟と弁護団は、農地取り上げ反対署名4237筆を携えて東京高裁提出へ(写真)。9月冒頭から〝40日間の激闘〟を貫いた反対同盟・支援の成果だ。署名は合計で1万7391筆だ。
 午後3時、傍聴席を埋め尽くす100人の労農学が見守る中、102号法廷で開廷した。小林昭彦裁判長への交代にともなう更新手続きとして市東さんと弁護団の意見陳述が行われた。まず市東さんが立ち、スライド写真を投射しながら、自らの営農、空港による生活破壊、野菜を届ける消費者との絆そして農民として生きる決意を表現した。そして怒りを込めて「一審判決はこの私の決意を全面的に否定するものでした」「裁判所はNAAの請求を棄却すべきです!」と断じた。
 最後に容器に入れた自らの畑の土を手渡し裁判長に示した。(2面に陳述要旨)
 続いて弁護団が次々と立って陳述した。この訴訟は裁判を使って「公用収用」を狙う悪質で違法極まりないものだ。しかも、農地法の基本精神を踏みにじり、耕作者の同意なく土地を地主から買収した。対象地の特定は誤りで、NAAは偽造された文書を証拠として地主になりすまし、知事の許可を取り付け、明け渡し訴訟に訴えた。このデタラメをすべて認め一審の千葉地裁・多見谷判決を取り消せ! これらの批判に傍聴席は拍手と歓声で呼応した。
 法廷はさらに重大な攻防に突入した。前回の法廷で市東さん側が出した求釈明書に対し釈明要求に応じないNAA・県に対して再度の求釈明書を突きつけたのだ。この弁護団の弾劾・要求と一体で傍聴席からの怒りの声がいやましに高まった。
 NAA・県の代理人弁護士は顔面蒼白で堪えていたが、裁判官合議の末に小林裁判長は、「事実に関するところについては認否・反論を行え」と彼らに申し渡したのだ。
 閉廷したあと、報告会を虎ノ門ビジネスセンターで開いた。冒頭に北原鉱治事務局長があいさつし、続いて市東孝雄さんが立った。「向こうの代理人は言い分もデタラメ、終始暗い顔だった。あれを見て〝必ず勝利する!〟という気持ちを新たにした」と気迫を示した。そして葉山岳夫事務局長を始め弁護団各氏が勝利感に満ちた報告を行った。 動労千葉、関西実、市東さんの農地取り上げに反対する会、群馬・市東さんの農地を守る会が、それぞれ連帯発言を行った。動労千葉の長田敏之書記長は、この日の強制出向無効確認訴訟の報告を交え、労農連帯の発展と11・2労働者集会の成功を訴えた。
 最後に萩原富夫さんが「今日の大勝利を10・12全国集会の大結集に結びつけ、さらに次回弁論の3月に向けて闘おう」としめくくった。

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