反対同盟一斉行動の大きな成果 深まる周辺住民との連帯 第3滑走路 想定地住民が行動を開始

週刊『三里塚』02頁(0909号02面03)(2014/12/08)


反対同盟一斉行動の大きな成果
 深まる周辺住民との連帯
 第3滑走路 想定地住民が行動を開始

(写真 毎回辻説法を行う北原事務局長【11月16日 成田市川上】)

 昨年5月19日に開始した反対同盟の周辺地域一斉行動が大きな成果をあげている。さる11月16日で19回目。一回も欠かさず毎月続けてきた。この勝利を報告したい。
 第1回目の一斉行動は、昨年4月に始めた市東さんの農地取り上げに反対する3万人署名を、地元からも集めようとの趣旨だった。反対同盟一人ひとりが地元地域を戸別訪問して、署名を訴えるというのは、長い48年の三里塚の歴史の中でも初めてだった。1970年代や1980年代に戸別訪問はあるが成田市議選などの投票依頼だった。だからこの取り組みには決断が必要だった。
 提起したのが故萩原進事務局長。初めての取り組みなので成果は厳しいと見ていた。「われわれに正義がある。他方、空港がこの地域に持つ存在感を無視はできない。空港に雇用されている人、関係者も多い。そういう人たちも含め、地域住民の中に粘り強く入って行こう」と檄。
 その日の集約の会議で市東さんの農地取り上げ問題に予想以上の共感と124筆もの署名が得られたことを見て、萩原さんが「跳ね返されるんじゃないかと心配したが、みんなよくやりぬいてくれた。反対同盟の力はやはりすごい」とまとめた。
 第2回目までは主に暫定滑走路の騒音直下地域を回っていたが、3回目からは三里塚、芝山、多古地区にまで地域を拡大した。
 こうして、7月29日の一審判決まで3回の一斉行動をやり、約500筆を集めた。
 一審不当判決を経て、反対同盟の怒りと勢いが高まった。8月10日の第4回行動より、控訴審に向けた新たな3万人署名に突入すると共に、10月6日の第6回行動からは「反対同盟ニュース」の発行を開始して訴えの幅も広げた。
 一斉行動と「ニュース」がものの見事に威力を発揮したのが第3滑走路計画に対してだった。2014年1月15日、成田市の経済利権団体が国交省に対して、「3本目の滑走路建設」を陳情した。「何という暴挙だ」、同盟と支援が憤激した。1月26日の一斉行動でその動きを暴露弾劾すると同時に24時間化、4万回増についても警鐘を鳴らした。

説明会を要求

 そして6月6日、国交省の有識者会議が第3滑走路の想定図を発表した。間髪を入れず6月22日の行動でこの「想定図」を修正した図を同盟ニュースで暴露すると、想像以上の反響が返ってきた。そもそも住民にとっては寝耳に水。行政側からの説明はおろか、マスコミの報道もほとんどない中で、計画だけが進んでいく。
 住民の怒りがさく裂した。第3滑走路の予定地と想定される成田市川上、新田の住民が成田市に対して説明会を要求したのだ。10月25日、説明会に引きずり出された成田市当局は、おざなりの説明で参加した50人の住民から逆に怒りをかった。
 このように行動を開始した住民たちと反対同盟の連帯が深まっている。地道な運動だが、この一斉行動が実現しつつある成果は絶大だ。
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